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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
第十七章「ツバメの懐妊」
 今日も、今日とて、マサキは夜に鳥取ツバメを性的マッサージ。
「あっあああ……ちょっとまって、また中に出すつもり?」
「うん、出すからちゃんと受け止めてね」
 十分に濡れそぼったツバメのオマンコの最奥にまで勃起した亀頭を差込んで、子宮めがけて、めいいっぱいに射精する。

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!

 もちろん生中出しなのでピュルピュルと子宮口に殺到して、ツバメのお腹の中をマサキの黄みがかった精液が徹底的に汚しつくしていく。
「んっ……んっ……だしたのね……あーあ」
 ツバメは、中に射精された余韻に浸っている。マサキは鼻息荒く、また覆いかぶさってツバメの豊かな胸を揉む。もうツバメを犯し初めてから二ヶ月近くになるのだ、まるで長いこと付き合ったカップルのように、マサキのモノを優しく受け止めるようになっている。しっくりいっているのだ。
「ちょっと……待ってってば、激しすぎるから、せめて休憩させて」
「うん、分かったよ……」
 マサキの若い精力はとどまるところを知らないが、今日はツバメのほうが先に音をあげたようだ。ニュプっと、マサキが抜くと、ツバメの膣からはドロリと精液がこぼれてくる。
「あんた何回中に出すつもりなのよ、まったく」
「だって……今週はツバメちゃんの中出し強化週間だからね」
 そういって、ツバメの乳房をつかむ乳頭を吸うマサキ。それを見下ろして、ツバメはため息をつく。
「そんなに吸ったって、おっぱいなんか出ないんだからね」
「おっぱいが出るようにがんばってるんだけどなあ……」
「やめてよ……これはマッサージだから妊娠しないんだよね!」
「ああ、もちろんだよ」
 マッサージだから妊娠しないと前に暗示をかけたのを信じているツバメである。面白いのでそのままにしてある。
「そういや、義姉さんやっぱり妊娠だって」
「ふーん」
 鶴奈は、つわりが酷いので、産婦人科にいって調べてもらったそうだ。先月の生理が来てないといってたから、もうほぼ確定ではあったんだろうが。それで今日嬉しそうにしてたのかと納得する。
「赤ちゃんか、ヒナにも弟か妹ができるんだね」
 心なしか、ツバメも嬉しそうだ。ぼくの子だとかいったら、どうなるのかとマサキは思う。まあ普通に殴られると思うので、言わないが。
「ツバメちゃんも赤ちゃんほしい?」
「馬鹿じゃないの! 私は、まだ中学生よ……それにいい相手もいないからね」
 ぼくがいるじゃないか、とマサキがここでいうと殴られるわけである。ここ最近のマサキの対ツバメちゃん学習の成果は見事だ。
「そうだねえ……あはは」
「でも、義姉さんがちょっとうらやましいな、鷹郷兄さんの子供ならほしいかも~」
 そういって、笑うツバメ。おいおい。
「えーそれ近親相姦じゃん!」
「馬鹿冗談よ。それ以前の問題として、幸せな家庭を壊す趣味は私にはありません」
 微妙に冗談に聞こえないのが怖い。鷹郷、好かれてるな。鶴奈を取ってしまって少し罪悪感があったのだが、いっぺんに吹き飛んだ。やはりイケメン死すべしと意志を硬くするマサキである。
「じゃあ、今日はもっとがんばっちゃうよ、ツバメちゃん子供欲しいらしいしー」
「馬鹿、私がいつそんなこといった、何時何分何秒?」
 子供かと。ツバメがそんな変なことを言われて顔を赤くしても、本気で怒れないのは、マッサージという名目で抱き合っていて、勘違いされかねない格好であるからだ。勘違いもなにも、思いっきり身体を重ねて、中だしを二発くらってるのだが、それは普通のことだと思い込まされている。

(ツバメちゃんが、ぼくの子供を産みたいと思ってくれたらなあ)
 マサキは、そんなことを考えてみる。ここまで、状況を錯覚させることはしてきたがツバメの思いには手を触れていない。今のマサキの実力なら、ツバメの心をねじ伏せて屈服させてしまうことも可能。
 だが、それではあまりにも趣がないではないか。催眠の力で意志をねじ伏せる、それでは人形になってしまう。そうなってしまった、佐藤理沙を思い、マサキの胸は小さく痛む。ツバメは、今のままのツバメがいい。

「ううん、強く抱きすぎ……」
 ツバメは、そうやって顔をしかめる。どうやら、そんなことを考えていたら強く抱きしめすぎたみたいだった。
「ああ、ごめん……」
 手にこもった少し力を緩めて、マサキはツバメの豊かな胸を吸う。何度味わっても、味わいつくせない。清潔なシーツの上に、ポヨンと乗ったツバメの胸の柔らかさそしてその重みは、心地がよいものだった。
「はあ、あんた胸好きだよね。男子ってみんなそうなのかしら」
「さあ、知らないけど。ぼくは好きだよツバメちゃんのおっぱい。こうやって吸ってると幸せの味がする」
「な……なんて馬鹿な。はぁ……、なんでこんなことさせてるんだろ」
「マッサージだからいいんでしょ」
「そうね……そうだったわね」
 その言葉を、聴くとツバメの不信感がぬぐわれ、ツバメはマサキにやさしくなる。ツバメはそっと、マサキの頭をなでてやった。
「来年の春ごろには、鶴奈さんの赤ちゃん生まれてくるのよね……こんな感じなのかな赤ちゃんって」
「欲しいの、赤ちゃん?」
「……ちょっと、いいなって思っただけ」
 同じ会話の繰り返しになるので、嫌だったのだろう。ツバメは口をつぐんでしまった。それでも、やさしげな顔になっているツバメはいいなとマサキは思うのだった。
「今日は、このまま挿入したままで、朝まで一緒に寝るからね」
「マッサージなんでしょ……もう、勝手にすればいいわ」
「うう、出そう……出るよ!」

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!

 マサキの努力のかいもあって、この日ツバメは受精する。まさか、その羨ましがった鶴奈と一緒の父親の赤子を、その日に身ごもることになるとは、このとき思ってもいなかったツバメだった。
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第十六章「それから」
 それから、暫しの時が流れた。学校のひとつのクラスを支配し、その状況を維持・安定させるという大事業には多くの手間と労力がいる。アルジェ・ハイゼンベルグという絶対的なバックボーンの助けがありながらも、その大事業を自ら成し遂げたマサキは確実に成長していた。あるいは、成長したと錯覚した。だから、身近にある落とし穴にも気がつかなかったのだ。

 ある日の放課後、また佐藤理沙を犯そうとやってきたマサキは奇妙なものを見る。いつも、理沙を犯していたベットで、理沙が鋏を握り締めたまま死んだように眠っているのだ。理沙は泣いていた、酷く蒼白な顔だった。そして鋏には血が滲んでいた。

――血!?

 よく見るとベットもところどころ、鮮やかな赤で染まっていた。傍らには、岩崎という若い保健婦が付き添っていた。よく見ると、理沙の腕には無数の切りつけた後があった。そこに岩崎は泣きながら治療を施している。アルジェが保健婦をやるようになってから、学内では見かけなかったのだがちゃんと居たようだが、今はそんなことを考えてる場合じゃない。

「理沙……どうしたんですか」
「ああ、自殺を図ったんだ」
 あわてて尋ねるマサキに、そう何気ないように答えて、机に向かったまま自分の仕事を続けるアルジェ。
「自殺って!?」
「未遂だ、問題ない。あと、理沙は今日妊娠が発覚した。あくまで目測だが、妊娠後四週間といったところだな、おめでとう!」
「ちょっとまってくださいよ、自殺って」

「お前――本当に気がつかなかったのか」

 そういって、アルジェは振り向いてマサキを見た。力のこもるギラギラと光る瞳で、マサキの濁った目を見つめ返す。数秒、見詰め合ってアルジェはすべて分かったという顔でニヤリと笑った。
 それですら、マサキに理解させるためのことで、アルジェにとってはマサキが頭の中で何を考えているか、考えていないか、何をして、何をしなかったか、あらかじめ分かっているのだ。この流れ、彼女にとっては、この程度のことなど、予定調和でしかない。入力の値を決めて打ち込んでしまえば、出力はその瞬間に決定されているものなのだから。それは、運命と言い換えてもいい。

「ぼくは……」
「お前は分かっていたな。自分が理沙を追い詰めていることは、その結果に何が起こるかは考えなかったか?」
「そんなことは!」
「考えなかった、何もやらなかったのは、そう望んだからだ。そのひとつの結果がこれだ」
「ぼくはこんな結果、望んでいない!」

 マサキのそんな叫びには取り合わない。いまさらいい子ぶりっこか、意味がない。そうやってどうしようもないことから、自分の弱さから逃げようとしているマサキには、覚悟させる必要があった。
 これから、この弟子が一人立ちするためには絶対必要な覚悟。催眠術師として一人で生きていくための――そう思ったときに、何故かアルジェの脳裏に古森正夫の顔が一瞬浮かんだが、それもアルジェは気にしない。そんな気持ちに流されない。
(必要だろう、弱い人間にとっても、強い人間にとっても覚悟は――)
 それは、あの”唯一自分から一人立ちしなかった”弟子も分かってくれるはずだった。

「マサキ、お前は恨んでいたのだろう佐藤理沙を。鳥取マサキと、円藤希は、お前の期待に応えた。そして、理沙は応えなかった。だから、理沙のことを考えなかった。あきらかにメンテナンス不足だよ。結果として、理沙はお前の行為に追い詰められて、こうして自殺未遂をした」

 マサキは、打ちのめされて床につっぷしている。

「私は、早い段階から理沙が追い詰められているのに気がついていた。理沙はストレスに耐えて耐えて抱え込んでしまうタイプのようだったからな。予測できた破局は三つ、理沙がお前を殺そうとすること、あるいは学校や家庭、つまり自分の生活環境を破壊しようとすること、そして自分の命を絶つこと」

「だから、それへの対処として、理沙にマサキを殺害すること、過度な破壊行為、自殺を禁じておいた。今日、私が与えた妊娠検査薬で、妊娠が分かってしまって、それが引き金になって発作的に自殺しようとしたようだな。鋏で、自分の腹を突こうとして、それが自殺禁止の暗示で阻止されたので、手首を切った。鋏の刃先は切るために作られていない。どれほど力を込めても、浅くしか切り付けられなかったようだ。そして、そうやって自傷行為をしているうちに、心の糸が先に焼ききれて倒れてしまったようだ」

 マサキは、床に身を伏せたまま動こうとしなかった。

「理沙は、優しくていい子だったな。それに対してお前は無思慮で乱暴だった。私は理沙が、十中八九お前を恨み、殺そうとするだろうと考えていた。だが理沙はそうしなかった、学校でも家庭でも耐え続けた。そして、自分の妊娠が分かって、そこで苦しみ耐え続けた理沙の精神も、限界を超えて壊れた。恐怖と絶望は人を殺す、本当はそのことを一番熟知していたのがお前ではないのか?」

 たしかに、アルジェの言うとおりイジメで苦しめられたマサキは、助けてくれなかった理沙を恨んでいたのかもしれない。それでも、理沙をこんな目にあわせるつもりは本当になかったのだ。それどころか、理沙を抱くのは好きだったし、理沙のことも、ほんの少しは本当に好きだった。好きになっていたのに。

――なのに、どうして

 だから、マサキは身を伏せたままこんなことを言う。

「アルジェ先生……どうして、分かっていたなら理沙を助けてくれなかったんですか」

 それは、愚かな責任転嫁だ。自分が悪いんじゃない、アルジェが。そのために理沙が。だが、アルジェはそのような逃避を許さない。

「マサキ、お前はなにか勘違いをしてないか」
「何をです……」
「お前は、誰だ?」
「……」
「お前は、学級王なのだろう」

 そういって、アルジェは笑う。嘲笑してやる。

「マサキ、お前はクラスの支配者だ、自分でそうしたのだろうが!」
「……それは!」
「いいか、聞け。催眠術師になるというのは冗談ではない。そこらの弱い人間ならばともかく、支配者には支配者の責任がある」
「支配者の責任……」
「考えなかったこと、何もしなかったこと、その愚かさは全てお前の罪だ」
「それは……」
「やった結果が引き受けられないなら、催眠術師などいまからでもやめてしまえ。そして、元のただの弱いデブオタに戻れ。強者は、力を持つものは、愚かであることを許されない、大きすぎる力は振り回すだけで人を傷つけていく。それが分からないほどお前は馬鹿ではないだろう」

 マサキは、泣き出していた。血だらけの理沙……傷つけてしまったのが怖かった。それでも、戻れなかった。もう、あの無力には、あの絶望には、あの地獄には! ……でもそのために理沙が。少なくてもあの少女は、そこまで酷い目にあうほどのことは、なにもしてなかった。

「もっといってやろうか、たしかに理沙をこうしたのは私だ。今から言う私の言葉を、心に刻み込め」

――私はお前に”結果を理解させるためだけに”理沙の心が壊れるまで放置したのだ!

「私は保健室の錆付いた鋏で、半狂乱で自分の腕を切りつけて血だらけになっている佐藤理沙をじっと見ていたんだ。理沙が小さな口を裂けるほどにあけて、死に切れない苦しみに絶望の声を上げるのをただじっと聞いていた。何度も、何度も、そうやって自分で垂らした血だまりの上で理沙が壊れて動かなくなるまで。いまだけではない、お前に見えない理沙の絶望を私は見続けてきた、お前に犯された日から理沙はずっと痛みに叫び続けていた、その声を聞き続けても、私の心は動くことなどなかった。助けてなどやらなかった。冷酷だろう、残忍だろう、これが私の催眠術だ、お前は私を軽蔑するか?」

――だが、忘れるなよ。

「自分の目的のために、それができるのが催眠術師なのだ。お前は何に成りたかったのだ。催眠術師になりたかったのではないのか。だったら、これぐらいのことで取り乱すな、前を向け! 結果を受け止めろ! そして考えろ、考え続けろ!」

 アルジェは、もうマサキを見ていなかった。また、高速で端末をいじり始めた。好きなだけ落ち込んでいればいいし、万が一こんなことでマサキが折れてしまうのなら、そんな男にはもう興味はない。
 それよりも、喉がとても渇いていた。コーヒーを飲みたくなったが、淹れてくれる理沙は居ない。人が淹れてくれるのに慣れると、自分で淹れる気にもならない。
 マサキは、しばらくそうやって絶望に浸っているようだったが、やがて起き上がった。意外に立ち直りは早かった。

「理沙はこれから……どうなるんです」
「何をいうかとおもったら、そのことか。そうだな、理沙の心はもう駄目なので、操り人形にしてやろうかな、都合の良いようにしてやるから心配するな」
「理沙は、ぼくが助けます」

「ほう」
「アルジェ先生は、支配者の責任と言いましたね。だったら、理沙を何とかするのもぼくの責任です」

 マサキがそうくるとは、アルジェは考えていなかった。理沙の精神をまともに呼び戻す。それが不可能とはアルジェも言わないが、それは大変面倒な手間になるだろうし、そこまでしてやる義理はアルジェにはなかった。人形にしてしまえば、日常生活を送っているように偽装もできるし、メイドには使えるのだ。そのままの方が、かえって便利なぐらいだろう。
 たぶん、マサキは一度壊れた心を元に戻す大変さを知らないのだろう。だから、そんな安請け合いができるのだ。どの程度、理沙の心が割れてしまったのかにもよるが、壊れた心を戻すのは粉々に割れた器の破片を集めて、もう一度器の形に戻すような行為なのだ。そしてやり遂げたとしても、もとのような綺麗な器に戻る保障もない。

「お前は、人の心についても何も知らないだろう」
「それが必要なら、それもいまから学びます」
「お前の覚悟は分かった。理沙には、とりあえず私の人形として学校ではメイド、家庭では普通に過ごすように暗示をかけて動かす。後のことは、好きにすればいい」
「いま決めました……ぼくは、ぼくの理想とする催眠術師を目指します。だから、そのために理沙が必要だと、思うんです……」

 高みに至る道はひとつではない。責任の取り方もひとつではないだろう。マサキのいう方法は、いかにも中学生が言いそうな浮ついた偽善だと思ったが、できるかできないかは問題ではない。
 それを糧にマサキが学び、催眠術師として成長するのならそれも悪くないだろうとアルジェは考えた。目的のために手段を選ばないのがアルジェだ。それが善か悪かなどは関係ない。それに、佐藤理沙だって、好感が持てる少女だったのだ。もしかすると、マサキが思いもつかないような方法で回復させるかもしれないと思えば、それも面白いと考えて放って置くことにした。

 それから毎日、マサキは保健室に訪れた。理沙を犯すためではなくて、人形になってしまった理沙の心に声を届かせるために、やさしく語りかけ続けた。その傍らで、心理学や精神医学を幅広く学び、そして催眠術師としての鍛錬もする。それらも、理沙の心を呼び戻すために役に立つものであったし、副次的な効果としてマサキを催眠術師として大きく成長させることになった。

 その一方で、「クラス総妊娠計画」も着々と進行させていた。人形として生きる理沙の胸もお腹も少しずつ大きくなってきたような気がする。ほかのクラスメイトの中にも、つわりなどの諸症状の兆候が出始めてきた。理沙の二の舞を避けるために、それに対するフォローもマサキは忘れない。もう同じ過ちは繰り返さない、前を向く、結果を引き受ける。そしてより良き未来のために、考える考え続ける。なぜなら、マサキは学級王なのだから。
第十五章「解放が終わる前に」
 鶴奈と心の奥底からの満足を得ても、マサキの股間は休む暇もない。
 今日は今日とて、保健室で佐藤理沙を抱く。アルジェ先生と話し合っているときは、片手間に理沙を楽しむのがマサキの習慣になりつつあった。
 初めての日もそうだったが、理沙はあまり身動きもせずまるでお人形さんのように、マサキに抱かれている。声を押し殺し、心を押し殺して、マサキに抱かれていることを、あまり意識しないことが理沙の現実逃避の方法であるようだった。
 それでも、言ってやれば抱きやすいように身体を動かしてくれるし、抱いていれば気持ちよくて射精してしまう。
「理沙……出るぞ! ちゃんと受け止めろよ」
「……うっ…………」

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!

「ふぅ……満足した」
 がさがさとティッシュを出して自分の股間を拭く理沙。その表情は死んでいた。地味めの美少女である理沙の表情を殺している顔は、本当に人形のようだ。『理沙ちゃん人形』といったところか。
 無反応で無表情の女の子というと、これはなんとも、楽しみがいのないことだが、人形みたいになっている女の子を犯して妊娠させるというのは、これはこれで面白いとマサキは思っているのでほったらかしている。
 まだ中学生だというのに、マサキの趣味は、やはりひどく醜悪である。

 自分の後片付けを終えたらしい理沙に、濡れタオルで身体を拭かせて身支度を整えながらもマサキはアルジェとの会話を続ける。
「そういえば、ネット探偵に報告最近してなかったな」
 自宅に帰ることがないので、パソコンでネット探偵と会話することもない。前は毎日のように連絡してたのに。アルジェに指摘されて、初めて気がついたマサキだ。最近いろんなことがありすぎたから。
「DLOへの報告は、監視者の私が代わりにやっているから問題はない。ネット探偵がやっていた君にアドバイスを与えることも私がやってるわけだから――ただ、彼も寂しがってたから、たまには連絡を入れてやれよ」
 マサキは男と話して喜ぶ趣味はないが、ネット探偵は一応恩人であるから。分かりましたとは言っておく。優先順位は果てしなく後になるが。
 理沙が例のゴスロリメイド服を着て、メイド業務に復帰。マサキとアルジェにコーヒーを入れて、アルジェの傍らに戻った。理沙は一連の動作を無表情で行った、目は死んでいる。まるで、メイドというより部屋の調度品のようだった。
 そのコーヒーを満足げに飲んで、アルジェは話を続ける。

「あとは、お前も少し言ってた不良への対策を早めたほうが良いだろうな。ざっと調べてみたがこの学校では、結構な数の不良生徒が放課後も校内をうろうろしている。職員室で尋ねてみたが、不良生徒問題には学校側はノータッチ、何とかしようという骨のある教師はいない。典型的な荒れた学園だな。教師側に変な動きがないだけ、考えようによっては利点でもあるが」
「そうですね……」
「考えてみろ、不良生徒は無秩序に学内をうろつき回っている。連中は人気のない場所を好む傾向があるようだな。種付けルームを発見されたら、ちょっとしたトラブルになるぞ」
「それはまずい……なんとかしないと」
 マサキがまず考えたのは、種付けルームに警備を置くことだ。マサキの手駒で、戦闘力があるのは円藤希……ああ、駄目だ。マサキは、円藤のことを結構ほんとに好きなのだ。彼女の放課後の陸上部の練習を邪魔したくない。
 鳥取ツバメも、実は結構強いが、不良生徒にぶつけるような危険なことを万が一にもマサキがさせるわけもなかった。
 種付け隊の四人は、労働力にはなっても、どいつもマサキに負けず劣らず戦闘力は皆無。やつらに犯されている、女の子たちも強そうな娘はいない。種付けルームが、不良側に知れて強襲されればひとたまりもないだろう。
「ふふ――考えてるな。これは、お前にはいい課題だ。この程度の問題を解決できないなら、望み薄ということだよ」
 そうやって、アルジェは楽しげにコーヒーを飲み干してしまう。機械的に、次のコーヒーを注ぐ理沙。
「種付け隊以外のクラスの男子を……いや、ルームのことを知られると不用意な行動にでるかも、どっちにしてもうちのクラスで場を収めるだけの制圧力を持ってるのは、円藤だけだ……そうか、ドキュンA、Bを使う!」
「そうだな、そこに気がつけたなら及第点だね」
 アルジェは満足そうにコーヒーを飲む。楽しげに弟子の策を聞く。

「あいつらにもあいつらにふさわしい”美しいお相手”を抱かせないといけなかった。交代でルームの前に立たせればいい。あいつらも不良グループの一部なんだから、多少は顔が利くだろう。場を収めることぐらいは出来るはずだ。もし万が一、どうしようもなくなったらぼくに連絡してもらってぼくが催眠でかたをつければいい」
 自信ありげに、アルジェを見るマサキ。
「よろしい、合格点をやろう。あと、付け加えるならお前が学校にいないときは円藤に頼るのだな。あいつの護身術とやらは本物だぞ、お気に入りを温存したいのは分かるが、使える駒は出し惜しみしないのが催眠術師だ」
 アルジェにアドバイスのお礼を言って、教室へと駆けて行くマサキ。さっきの話を実行に移すのだろう。腰の軽さと手の早さだけは、見上げた男だとアルジェは考える。
 だが、やはり若い……外は見えても、足元が見えていない。

「クイーンを出し惜しんで、キングを取られてはなんにもならない――なあ理沙」
「……はい」
 理沙は無表情に頷く。そして、コーヒーを注ぐ。それをまた口にする、心地よい苦味が広がる。
 アルジェは、自分が倒した過去の催眠術師たちのことを考えていたのだ。催眠術師の敗因は、みんな自分以上に駒を愛し過ぎたからだった。愛欲と執着は身を滅ぼす。どれほど冷酷を装っても、弱い人間たちは、みんなそうだ。
 だが、かつての愛弟子。DLOを作った男は。そんな弱い人間たちのために催眠はあるのだという。形容矛盾、愚かなことだった。ほんの、つかの間の解放があったとしても、浅き夢はいつしか終わる。
 悲劇は連鎖し、物語は終わる。分かっている。分かりきっていることなのだ。弱きは滅び、強きは残る。だからこれからも強い自分は、滅びを見続けることになるだろう。永遠に。アルジェの強さは呪縛なのだ。
「本当に愚かな男だよ」
「……はい」
 理沙は無表情に頷く。そして、コーヒーを注ぐ……。

――――

 自分の駒としての円藤希のことを考えていたからだろうか。教室に戻って、必要な暗示をかけ終えて、相変わらず担任の駄目教師のヘタクソな授業を聞いていたのだが、不意に面倒になって希の手を引いて教室を出た。
 いまは、マサキにとっては授業を受けようが受けまいが関係なかった。最近は、とんとネットゲームもネットサーフィンもやらないし、催眠を利用してあまった時間に勉強すれば中学校の授業程度の勉強は問題がない。教師には誰が学校に居ようと居まいと、すべて出席に付けるように言ってあるので日数も問題ない。マサキは自由だった。
「どこへ連れて行くつもりだ」
 マサキの命令は学校では絶対。別に不愉快ではないが、希は気になってそう尋ねた。
「どこへか、考えてなかったな」
「ふっ……そうか。まあ別にどこでもいいのかもね」
 希は、面白い冗談を聞いたように苦笑すると、大人しくついていった。なんとなく、上に階段を登って行って、屋上についてしまった。平日の屋上は、不良の溜まり場になっていることもある危険スポットなので、普通の生徒は近づかない。だから、マサキも屋上にあがったことはなかった。

「なかなか、綺麗なんだな」
 思いのほか、屋上は綺麗に整備されていて、ベンチも置かれていた。古い学校だから、昔は生徒の憩いの場になっていたのかもしれない。いまは梅雨時の授業時間だ、さすがの不良どもも居なかった。
「あのさ、マサキ……様は、私と一緒に歩くのは嫌じゃないのか?」
 クラスの外でも二人で居るときは様付けで呼べと言っているので、そういうのだが希はいつも呼びにくそうな感じだ。
「お前がぼくと歩くのが嫌というのはわかるが、なんでぼくが嫌なんだ?」
「その……私は女子としては長身のほうだろ」
 なるほど、そういうことか。マサキは、まだ中学生なので可能性は残されているが、胴長短足である。長身でスラリとした、希とは頭ひとつ分ぐらい違う。
「そんなの気にしてたら、ぼくは生きていけないだろ」
 そういって、マサキは乾いた笑いを浮かべた。デブオタは打たれづよいのだ。弱点がいっぱいありすぎて、もうどこを突かれても痛いので慣れてしまった。
「強いんだな……私は女なのに背が高すぎるとか、コンプレックスだったからな」
 そうやって、珍しく晴れた雲間から覗く青空を見上げる希。きちんと、はにかむ女の子の顔だった。
(あの円藤希が……)
 垣間見た意外な一面に心が洗われたような気がするマサキだった。催眠の力がなければ、希と親しく話すこともなかったし、このような変わった一面も見ることはなかったのだろう。何かを恐れるように、壊れ物を触るように、そっとマサキは希の手を握る。
 凶暴な力を秘めているはずの希の腕は、本当にほっそりとしていて滑々していて、綺麗な女の子の手だったのだ。
「どうしたんだ……私がそんなにつまらないことを気にしているのが、そんなに可笑しいか。それは私だって!」
「そうじゃないんだよ……うれしいんだよ」
「うれしい?」
 意外は返答だったので希は、訝しげに聞き返した。
「上手くいえないけど、そういう円藤が見れてうれしい」
「……お前がうれしいなら、そのなんだ……私もうれしい」
 そういって、不器用な笑顔を見せてくれる希。美人であるので、これまでも色んな希を垣間見てきたが、そんな顔を人に見せたのは見たことがなかった。もしかすると、本当に心を許してくれたのかもしれないと思うとマサキは心が浮き上がってしまうように感じた。そこはやはり中学生、それぐらいに自惚れてもいいだろうとも思う。
 だが、マサキはこの歳にして何度も何度も期待を裏切られて、十分に傷ついてもいたから、こういう期待が外れることを知っていた。そう、まったくいい空気だろうさ。
(それでも……それでも別にぼくと希は恋人ってわけじゃないんだ)
 もうこれ以上傷つきたくないという思いが「自惚れるな!」と胸の奥で叫んでいる。その痛みは、うれしさよりも辛かった。苦しかった。マサキは、この目の前の女を催眠で自由にしているに過ぎないのだ。そうだ、ぼくは馬鹿か。催眠を使って支配下において、抱いて中出しまでして陵辱しきった女に、こんなにどきどきするなんて。
(だから……)
 希の美しい瞳に吸い込まれるように引き寄せられたと思ったら、いつのまにかマサキは希に口付けをされていた。別に深いキスでもない、ただの口付けだ。それでも、まったく準備もしていなかったマサキはびっくりした。
「あ……」
「ごめん、なんか急に辛そうな顔をしたから……勝手なことをしてしまった」
 希はマサキを心から気遣ってくれたのだ。それが今のマサキには、分かった。催眠で支配下においているから? いや、それでも心が温かくなった。
 だから、数々の胸を掻き毟るような過去の痛みがいとも簡単に消えうせた。
「ありがとう、円藤……」
「あのマサキ……様。できれば名前で呼んでくれるか」
「そうか、うん。希……お前も、もうぼくの名前に様は付けなくて良いぞ」
「うん……マサキ」
 まったく、デブオタのマサキには似合わない不器用さな会話だった。それを思うと、マサキは恥ずかしくなる。それでも、マサキ以上に恥ずかしそうな顔をしている希を見るとそんな気も晴れた。希だってこんな台詞は似合わないやつだったんだ。
 似合わないもの同士、ほんの少しだけ自分にこんな甘さを許してもいいじゃないか。もう一度だけ心を許してしまってもいいじゃないか。

 マサキは、だから本当は犯すつもりで希を引っ張ってきたのだが、このときはただ爽やかな風が吹く屋上のベンチに座って、希とただいちゃつくことにした。かなり不釣合いでも、本当にただのカップルみたいだったから。そういうことが、このときのマサキにはうれしいことなのだった。

 このように、緩やかなときを生きていくのもいいのかもしれない。勝ち取った世界を貪ることにも少し飽いたマサキは、そのようなことを考えても居たのだ。そういうと本当に穏やかなようだが。
 放課後にまた保健室に寄って、佐藤理沙をむちゃくちゃに乱暴することを忘れなかったマサキはやはりマサキであり続ける。それがどのような結果を生むとも考えぬままに。
「催眠術について設定集」
『催眠術、秘匿の原則』

 人を自由に操る技術としての催眠術は、使用者の情報統制下においてのみ、絶対的な優位性を持つ技術として君臨する。
 逆に言えば、催眠術という技術が存在すると分かってしまえば、技術的に対抗する手段は比較的簡単に見出すことができるうえ、当座にも物理的に阻止する方法はいくつでも考えられる。
 つまり、催眠術を使用する組織・人間は、その使用に際して他の人間に知られないように、行動する必要に迫られるのである。

『催眠術の歴史』

 そもそも、人間を自由に操る技術としての催眠術の基礎が作られたのは1920年のドイツにおいてであった。
 それ以前に純医学的に催眠術の効用は確認されていたが、スマートな形として利用できる催眠術の技術が一応の確立を見せて、それがナチスによって政治的経済的に、大衆操作の方法として利用されドイツ第三帝国の成立を見せると、純医学的な催眠術の効用については否定され、表面上にはその研究の道は絶たれた。
 催眠術『秘匿の原則』によって、その技術の有効性が守られる必要があったからである。以後、精神医学や心理療法の領域では「催眠術」はタブーといっていいほど強い偏見をもって否定される状況が現代まで続いている。
 1945年、ナチスドイツがソ連とアメリカによって敗退すると、その高度な催眠術の技術はアメリカとロシアの機関によって二分されて所有されるようになった。

 ロシアのシュルツグラード研究所と、アメリカのテキサス研究所がその中心地である。ロシアにおいては、スターリンが催眠術を軍事技術として独占し、長らくその独裁的手腕を振るうことになる。旧共産圏においては、情報統制はほぼ完全であり、その秘密が外に漏れることはなかった。
 アメリカにおいて、テキサス研究所を母体とするAC財団を通して、政治的経済的に催眠術の研究と利用が進められることになる。超大国アメリカは、高度な催眠術によって支配されることになった。

 ロシアとアメリカを除く地域は、ヤルタの秘密協定で「催眠術の空白地帯」として催眠術の使用が原則的に禁止される。催眠術が両国の政権の成立に利用されすぎたため、もしその秘密が外に漏れれば、両勢力において政権、引いては世界秩序の崩壊が予想されたからである。結果として、高度な催眠術は核技術以上の機密レベルを持って守られ続けることになる。

 1991年、ソビエト社会主義連邦解体。共産党直属の催眠術研究機関であった、シュルツ機関はそのほとんどが、AC財団の支配下に移る。催眠術の技術は、AC財団によって一元管理されることになった。
 1992年、シュルツ機関の残党を率いた男が欧州皇帝を名乗り、催眠術を使って空白地帯であったヨーロッパで複数の政権を支配下に置き、汎ヨーロッパ帝国を築こうとする事件が起こる。あまりにも大規模な行動であったので、AC財団は秘密裏の鎮圧と情報操作に一年を要した。
 この事件の余波で1993年にヨーロッパ連合(EU)が成立する。

 すでに、アメリカ・ロシアの実質的支配権を握り、世界をコントロールしているAC財団は、ヨーロッパにおける事件の反省から世界各国に支社を置き、情報の統制を行うことにした。
 アメリカ・ロシア以外の国には、AC財団の執拗な情報操作をかいくぐって、一部催眠術の情報を掴んでいる国もある。また旧共産圏にはシュルツ機関の研究を引き継ぎ、対催眠術技術(サイコディフェンス)を持つ国があるが、AC財団は現状の維持に努めているため、軋轢は起こっていない。
 2008年現在、内部に不穏な動きはあるもののAC財団をバックにするアメリカによって世界の秩序はゆるやかに保たれているかに見えるのだが……。

『催眠術の隠匿、世論の操作の実際』

 大道芸として催眠術を利用する技術者はほとんどがAC財団の支配下に置かれており、テレビや大道芸で催眠術を「怪しげな術であり手品的なもの」として見せるよう日夜活動している。
 一部、素人芸で催眠術を披露するものも居るが、問題ないものなら放置され、才能の片鱗を見せたものは、協力的であればテキサス研究所が吸収して、反抗的であれば処分される。結果として催眠術は世間的には、なんら効果のない怪しいモノとして認識されている。
 純医術分野においては、その始祖のフロイトから催眠術の効用を否定されていて、各国の学会においても「催眠術」に類する技術については、頭から否定されている。その効用を強く訴えかける研究者は、AC財団からの訪問を受けることになり、協力的であればテキサス研究所が研究者として迎え入れ、反抗的であれば処分される。
 処分について、記憶を入れ替える簡単な手段で処理される。殺害などの最終的手段を取ることは稀である。

 催眠術の漏洩については、起きた段階でインターネットでの情報漏えい(L1)から全国放送での情報漏えい(L5)まで、フォルダ5で構成されたAC財団の対応部隊が、起きた段階で早急に対応する。

…………

 とまあ、大まかにこんな裏設定を考えてみたりしてます。
第十四章「マサキの休日」
 土曜日だった。当然のことながら、マサキもツバメも休みである。今週は珍しく、鳥取鷹郷が土日休みが取れたので、鳥取家の大黒柱はツバメとヒナを連れて遊びに出かけている。
「たまには遠出もしてやらないと、愛車が泣くからね。じゃあ、マサキくんと鶴奈はあとよろしく!」
「はい、いってらっしゃーい」(相変わらず、むかつくイケメンだな事故って死ね)
 やはり出勤で乗るのと、休日のドライブは違うのだろう。嬉しそうに愛車を駆る鷹郷を、マサキと鶴奈は手を振って見送った。家族サービスであるのだから、鶴奈もついていくところなのだろうが、マサキが命令して残しておいたのだった。

「鷹郷さんもせっかくの休みだから、楽しんできてくれるといいのだけど」
「さあ、どうでしょうね。生憎の天気ですからねえ」
 空は曇り、シトシトと雨が降り続いている。マサキは、雨の日が好きだった。引きこもりだから、どうせ外にでかけることもなかった。どんよりと灰色に染まる雲を見つめていると、なぜか心が落ち着いて安らぎを感じるのだった。

「お茶でも飲む」
「ああ、ありがとうございます」
 灰色の空を見つめながら、静かに茶をすする。普段活発に活動をしないマサキには、今週は楽しくも慌し過ぎた。打てる手は打った。あとは、マサキのクラス支配が浸透するのを待つばかり。まずまずは、満足できる状況といえた。心地よい疲労感のなすがままに、身体を深くソファーに沈める。

「さて、今日は何をしましょうかね」
「鶴奈さん仕事はないんですか」
「休日まで仕事というのは、無粋だからね。最近は詰まってないから大丈夫なのよ。さて、何する。何もしなくても良いけど」
 そういってマサキに、微笑みかけてくれる鶴奈。
 本日から明日にかけて、鶴奈は排卵日を迎える。そのことを何とはなしにマサキは察知していた。
 だから、こうして旦那たちを追いやって時間をとったのだ。
 時間はいくらでもある、ゆっくりと出来る時間は。

――――

 嫁がマサキに犯されつつあるころ、鷹郷たち。
「今日は雨だから路面のすべりがいいぜ、ほらヒナこれが四輪ドリフト!」
「キャーーー!」
「ちょっと、兄さんやりすぎぃあああああああ」
 峠を攻めていた。のんきなものだった。

――――

 どちらともなく、マサキと鶴奈は寝室に向かった。普段夫婦生活に使うべき機能的な寝室。最近では、マサキと鶴奈が一緒に利用することのほうが多いのは皮肉なことだ。
 雨は静かに降り続いている。梅雨の時期に結婚式が祝福されるのは理由のないことではない。この時期に種付けすれば、ちょうど春ごろの一番良い季節に出産となる。雨で外にでるのも億劫なので、家の中で秘め事をするにはちょうど良い。種付け日和といったところだ。
 鶴奈が外を気にしてカーテンを閉めようとする。窓の隙間から、湿った空気が流れ込んでくるようだ。
「この季節は嫌だわ……お洗濯ものも乾きにくいから」
「ぼくは好きですけどね、雨は。それに乾燥機があるじゃないですか」
「ほら、洗濯物はいいけどお布団はお日様で干さないとね」
「気にならないけどなあ」
 そうやって、ベットに身をなげるようにして布団に包まるマサキ。適度に湿り気があって冷たい布団も一日、下手をすると十二時間は寝ているマサキには心地よいものだ。
「休日のお昼前から、カーテンを閉めてベットに入るのって不健全よね……」
 そういいながらも、鶴奈もベットに入ってきて身を寄せる。
「いや、むしろ健全じゃないですか人間としては」
 腰を抱くようにして抱き寄せるマサキ。身を寄せ合うだけで、安心できるのは鶴奈の身体が自分にとって一番慣れた身体になっているから。
「そう……マサキくんがいうならそうなんだろうね」
 程よいふくらみに頭を伏せるように匂いを嗅ぐ。安心するのだこうしていると。カーテンから差し込む淡い光、湿った空気、鶴奈の身体、それがマサキにとって優しいものだ。

 自分と同世代の若い少女のはちきれんばかりの身体もいい。だが、成熟した女性である鶴奈にはマサキは母性を感じる。新しい母性。鶴奈と子作りすることで、自分を新しく産み直してもらいたい。それできっと、自分は本当の意味で満たされることができる。新しい家族、新しい家庭を持てるのだ。
 ゆっくりと、胸をまさぐっていく、まさぐられていく。服を脱がしていく、脱がされていく。とても自然な行為だった。必死になってがんばる必要はない、マサキのどのような行為も鶴奈はやさしく受け止め返してくれるのだから。
 そのように信じられるのだから。

 そのようにして二人は、時が止まってしまったように静かな寝室で、いつの間にか一糸まとわぬ姿で抱き合っていた。無言で身体をまさぐりあうだけで、鶴奈は程よく、濡れてきた。マサキも程よく、高まってきた。
 中学生のマサキにはよく分からないが、慣れきった夫婦のまぐわいというのはこういうものなのだろうか。身体を通して、心に愛情を通わせるような。すぐにでも、挿入して射精したいほど性欲が高まっていても、いつまでもこの状態を続けていたいような気もしていた。
 常に不安だった。ツバメや同級の女の子を抱くときは、何かに駆り立てられるようにして必死にチンコをおったてて、オマンコを犯していく。血を滾らせた獣のようだった。射精欲の奴隷のようだった。油断もできなかった、不安に満ち満ちていた。そうして、そのような獣の抱合にそれなりに満足も感じていて。
 抱き合って心に安定を感じるのはこれが初めてだった。滾る欲ではなくて、安らぎを求めて満たされるような。

「入れるの?」
「そうですね、さすがに……そろそろ」
 短い会話だけで、意思を伝えることもできる。ほんの少し身動きしただけで、こちらの意図を察したようにごそごそと鶴奈は身を起こした。
「あの……マサキくん、一応ゴムあるんだけどね」
 そういって、ベットの下にあったコンドームの箱を取り出した。なぜかちょっと恥ずかしそうにしている鶴奈。暗示はもう徹底的にかかっていて、鶴奈の心理的障害は取り除かれていて、完璧のはずだったのだが。いまだに、どこかに抵抗が残っているのかと訝しげなマサキ。
「ゴムは使いませんよ。ぼくと鶴奈さんは家族だからいいんですよ」
「うん、マサキくんに教えてもらったからね。私も良いと思うんだ、それでもね」
 掛け布団を自分の身に引き寄せるようにして、一息おいて鶴奈は言った。
「今日は、本当の本当に危ない日だと思うから。今日、つけないでしたら出来ちゃうかなと思ったから」
「出来たら良いじゃないですから、作りましょうよ子供」
 そうやって、布団を剥ぎ取るようにしてまた身を寄せるマサキ。抵抗はない。
「うん……でも鷹郷さんのじゃない子供なんて、やっぱり」
「ぼくと鶴奈さんの子供ですよ、家族でしょうぼくたち、だから!」
 そういって、抱きしめるようにして腰を押し付けて挿入していく。
「あっ……入れちゃ」
 準備も十分に整っている鶴奈の膣は、柔らかくマサキの勃起したものを受け入れた。
「いれちゃ駄目ですか……」
「入れてもいいけど……いいんだけどね」
 ニュプっと音を立てて、腰を押し付けていく。静かな室内に嫌らしい音が響き渡る。腰を押し付けるようにして、さらにゆっくりとピストンを開始するマサキ。
「ふっ……そんなに強く突いて」
 その拍子にポロっと、手からコンドームの箱を取り落とした鶴奈。
「もっと、動きますから……」
「うっ……うん」
 ピストンの速度を速めていくマサキ。マサキが動きやすいように、身体の位置を調整して鶴奈も抱きしめるようにして、動きをあわせた。心地よい、気持ちよさが下半身から押し上げてきて頭が真っ白になるように沸騰して。心と身体が繋がったセックス。
 自分が気持ちよくて相手が気持ちよくなってくれて、繋がった先からひとつに溶け合ったような快楽だった。こうして、抱き合うことができる。高めあうことが出来る。何か自分の皮がむけて新しく生まれ変わってしまうような、そんな気持ちをマサキは感じた。鶴奈はそんな気持ちを受け取った。
 届いたのだろうか、きっとこのとき、本当に届いたのだろう。

 マサキの初体験は鶴奈だった。鶴奈とセックスした。そして、ツバメを抱いて同級生たちもたくさん犯して、そしてそしてまた鶴奈に帰ってきたのだ。そういうなかで、やはりここだったと思った。マサキの帰る場所は。
 マサキは、泣いていた。セックスをしながら泣いていた。

 満足していたから。初めて、マサキは満足することができたのだから。中学生のマサキは、やはり幼かったのだ。自らが何に不満を持っているか、何を求めているのか、本当に何も考えていなかった。何も気がついてなかった。だから、ただ目の前の快楽を追うようにして、ただ走り続けて、それで不意に本当の満足を得てしまった。満ち足りて初めて、自分がどれほど飢えていたかを知ったのだった。
 だから、泣いてしまった。

「うっ……うっ……」
 マサキは泣いていた。
「泣いているの?」
「はい……気持ちよくて」
「そう、マサキくん……中に出して良いわよ」
 鶴奈は、醜い少年が自分を抱きしめて泣きじゃくっているのを見て、なぜかこの子の子供を産んであげようという気になった。愛おしさが湧き上がるように感じた。だから、マサキを抱きしめ返してそういった。
「ありがとう……鶴奈さん」
「今日、中に出したら、たぶん出来るわ。なんとなく分かるものなの」
「鶴奈さん、ぼくの子供産んでくださいね」
「うん、たくさん出して良いよ」
 マサキは、胸を満足で焼くようにしながら、熱い精液を鶴奈の奥底で射精した。

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!

 ドクドクと、鶴奈の子宮口から子宮へと余さず流れ込んでいく精液。いつもの射精とは熱が違った。満足の塊が吐き出されていったのを感じる。一発の射精にすべてをぶつけるようにして、マサキは。これは、感極まるということなのだ。
「出しましたよ」
「ふっ……来た!」
 鶴奈は、お腹の中に熱の塊が吐き出されていたように感じた。
「あったかい……」
 無言で、鶴奈のお腹をさするマサキ。
「あのね、ヒナが出来たときも、こういう感じがあったの。不思議だけど、私はたぶんできるときが決まってるんだよ」
「そうなんだ、うれしいなあ……うれしいなあ……」
 そういって、マサキは鶴奈を抱きしめる。それは、胸をかきむしるような愛欲ではなくて、満ち足りた愛情だった。マサキと鶴奈は、きっちりと繋がっているのだから。
「もうしばらく、このままで居ましょうか」
 そう、鶴奈はいったがマサキはまた動き出した。
「いや、大丈夫ですよ。何度でも出しますから」
「そう……じゃあ私もイキたいから、お願いできるかしら」
「はい、何度でも」
 鶴奈とマサキは、鷹郷たちが帰ってくる夕方まで何度も愛し合った。

 そして、マサキは鷹郷にヒナの部屋で寝るように暗示をかけて、さらに「今日は鶴奈と愛し合った」という記憶を与えて、明日も外に出かけるようにした。そうして、マサキは夜も鶴奈を抱いて、この週末は鶴奈と存分に楽しむことにしたのだ。

 このときに本当に、子供が出来たのだと、あとで分かった。鶴奈の勘というのは、恐ろしいものだなとマサキは思った。
第十三章「種付け室」
 その日は放課後は、レクリエーション室改め、種付けルームの落成式だった。
 部屋の壁には急ごしらえの防音パネルがはめ込まれていて、部屋のカーテンも厚くてしっかりしたものに変えた。これで、締め切ってしまえば、ほぼ完璧に中の音は外には漏れない。
 ベットは四つ並べただけでは、スペースが広すぎたので、これまたカーテンで仕切ってベットをもう二つ並べることにした。その隔離スペースは、ドキュン二人組みにブス四天王を抱かせる場所だ。不細工とドキュンの化け物じみたセックスの音や光景が漏れたら、さすがの種付け隊も萎えるだろうから隔離するという心憎い配慮である。
 クラスの普通レベルの八人の女子を放課後のクラブ活動として犯させる施設。

 壁には、なぜか種付け隊の四人が残念そうな顔で並んでいる。
 彼らは、自分の好みの女子を一から十まで好き勝手に犯させてもらえると思っていたのに、マサキが中世のインチキ聖職者のように処女権を主張して、処女貫通の儀式でこの種付けルームの落成式をやるといいだしたのでがっかりしているのだ。
 マサキは得意満面の笑みで、下半身だけむき出しにして並んでいる八人の女子を楽しげに見つめている。

 八人の女子は一応に諦めた表情だった。何日にもわたった催眠は彼女らから抵抗する気力を奪っている。
 股は彼女ら自身でローションが練りこまれており、準備は完了していた。
 種付け隊にクンニさせて準備させることも考えたが、よく考えると汚らしい唾液で汚れてしまうので、そこにチンコを突っ込むのが嫌だとマサキは思いなおしたのだ。自分もキモオタのくせに、あいかわらずいい度胸である。

「じゃあ、左から順番に突っ込んでいくね」
 さすがに八回射精できるわけではないので、全員に中出しすることは考えていない。心の準備も余韻も何もなしに、ただ左の子から順番に突き入れていくマサキ。
 処女膜を破るという行為は、個人差もあるがケアなども考えると結構面倒くさく、特に気持ちがいいものではない。気持ちよさがあるとすれば征服感とか、まあ精神的なものだ。八人ものキツキツのマンコにたっぷりと押し込んでいく作業は、それなりにきついものだった。
 それでもマサキは、後先考えずに、ただ乱暴に押し込んでやぶってしまえばいいので、その点は楽だった。無残にも処女膜を破かれた女の子たちは、「痛い!」や「嫌!」など無個性な台詞をそれなりに個性的にあげている。
 気分もへったくれもないので、嬌声をあげるような子は皆無だった。現実は陵辱ものエロゲのように簡単にはいかないのだなと、マサキは少し疲れを感じて手を……ではなくて、腰を止めたが、やはり八人の女子が腰を突き出して、自分に突かれるのを待つという淫蕩な光景に気を取り直して、儀式を続ける。
 時間も結構かかったし、四人目ぐらいで射精してしまうかと思ったが、不思議と射精はせずに八人目まで来てしまった。ローションでテラテラに光っている股間にゆっくりと差し入れると、何の抵抗もなくスルスルと入っていく。
「あれ?」
「あは……」
 なぜか、八人目の少女、伊藤真奈美が半笑いで振り返った。
「伊藤、お前処女じゃないの?」
「うん……あの知り合いのお兄さんとね」
 そういって申し訳なさに笑う。中学二年生でも、最近は処女でない子もいるわけだ。伊藤真奈美は、自分の兄の友人と好きあって付き合って突き合うというまあ、良くありがちなケースで処女をすでに喪失していた。
 すでにセックスを経験しているので、マサキにやられて泣き出してしまっている女子もいるなかで、彼女はそこまで深刻な嫌悪感を感じずにいるようだった。
 そのお兄さんとやらに開発されているオマンコは思いのほか具合がよく。
「じゃあ、罰としてお前のオマンコの中に射精な」
「えーやだ……ちょっと!」
 そうはいっても、抵抗できないしマサキの腰も止まらない。けっこうな巨乳である真奈美の胸を揉みながら、マサキはようやく股間にしっくりくるセックスができたように感じていた。
「伊藤、お前のオマンコはなかなかいいな。やっぱ具合のいい娘のなかに出すのが一番だよ」
「うぁ……嫌だよ、そんなこと、褒められてもうれしくないよ!」
 たとえ、真奈美が嫌がっても真奈美の大きな胸は、それを握り締めるマサキを興奮させる。真奈美の中で大きく膨れ上がったマサキの一物は膨れ上がって、欲望を吐き出す。身体は、そのための機能を備えている。自然に、性交は始まり終わる。
「ほれ出すよ、俺の子妊娠するといいよ!」

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!

「あぁー出しちゃ……やぁ!」
 真奈美がおなかの中で暖かい液体が吐き出されるのを感じていた。経験があったから、その生暖かさが何を意味するのか知っている。真奈美は種付けされたのだ。
 落胆する真奈美に同情できる女子は居ない。なぜなら、ほかの女子も同じ運命が待っているのだから。

「よーし落成式はこれで終了! 種付け隊やっていいぞ」

 その掛け声を合図に、壁で並ばされていた種付け隊が歓声を上げながらクラスの女子にむさぼりついていく。女子は抵抗できない、デブオタ男子どもは新しいベットの上で、欲望の限りを尽くす。そんな光景を見て、喜びと悲しみの声を聞きながら、満足してマサキは種付け室を出て行った。

 ――――

 帰り道、マサキはちょうど陸上部の練習を終えて帰る円藤希と一緒になったので、半ば強制的に誘って帰宅することにした。
 やや不満げながら、練習の後にしてくれたのは助かったと円藤希はしぶしぶ了承した。「それにしても、どこに連れて行くつもりだ」
「ぼくの家……の隣」
 二人の目の前には鳥取家があった。
「隣っておい……ここは、鳥取ツバメの家じゃないのか」
 円藤希と鳥取ツバメは、親友とはいかないまでも親しい友達である。女子は、なぜか容姿レベルが同程度の女子と仲良しグループを形成するという不思議な習性があり、ツバメの家も希は訪ねたことがあった。
 その隣に、安西マサキが住んでることなどまったく知らなかったわけだが。
「ここがまあ、いまぼくの家みたいなものだから」
「わけのわからないことを……本当に入るのか」
 引っ張られるようにして、当然のことながら鍵は開いていた。

「マサキくん、いらっしゃい……あら見たことある子ねえ、お友達?」
 玄関の物音を聞きつけたのか、鶴奈さんが出迎えてくれた。大体の帰宅時間を把握して鍵は空けておくが、無用心にならないように玄関には注意を払っておく。
 家庭を預かる主婦としては普通のことなのだが、ここらへんの鶴奈の細やかな心配りが、マサキにはいちいち嬉しい。
「ああ、お邪魔します。『ツバメさんの』クラスメイトの円藤と申します」
 マサキが紹介する前に、『ツバメさんの』の部分を強調した自己紹介をする希。
「あら、マサキくんとツバメのお友達ね」
「『ツバメさんの』お友達の円藤希です、よろしくお願いします」
 マサキは、もう希をほおって置いてリビングに入っていく。ヒナは風邪が全快したらしく、ツバメと相変わらず例のRPGにかかりっきりになっていた。正直、ゲーマーのマサキからみるとキャラの配置も滅茶苦茶のヘタクソプレイでじれったい。いつになったらクリアーするんだ。レベル上がりすぎじゃないのか。
「あーお兄ちゃんいらっしゃい」
 ヒナが暖かく迎えてくれる。玄関先に、希が見えたのでツバメが驚く。
「あんた、希を連れてきたの。何を考えてるの!」
「何って、友達を連れてきただけだが」
「当然のようにいうな、なんで私の家に連れてくるの!」
 そんな言い争いをしているツバメとマサキ。そこに希が入ってくる。
「あーすまんな、ツバメ……お邪魔して」
「いやっ! 希はいいのよ友達だし、当たり前! 私がいいたいのはこの馬鹿が」
「なんだよ、友達だから連れて来てもよかったんじゃないか」
「違う……だからあんたが連れてくるから……あんたも、希も、くるのも、駄目じゃないんだけど……もう、わけわかんない!」
 ツバメは自分の怒りに理由がつけられずに怒って、怒りを抑えることもできないようでプイっとゲームのほうに向いてしまった。そんなツバメの様子が意味不明で面白かったのか、ヒナがアハハと笑う。
 笑われてさらに顔を真っ赤にするツバメ。最近パターンが読めてきた、このまま行くと怒りをつのらせたツバメに適当に理由つけて攻撃される。マサキは身構えた。

「あらあら……希さんも、お夕飯は食べていくのよね?」
 意味はないのだが、リビングに追ってきた鶴奈が「あらあら」というと場が収まるので不思議だ。ツバメの怒りも収まったようでマサキは心底ほっとする。鶴奈さまさまだ。ご飯食べていくのかと聞かれて、円藤がマサキの方を振り返る。
「ああ、円藤も食べていきますよ夕飯」
「そう……じゃあ、そういうことでお願いします」
 希もマサキの指示なので、逆らわずに了承した。携帯で家に、ツバメの家に寄って帰るから少し遅くなること、夕ご飯は食べていくことを連絡したようだった。マサキの家なら警戒されるだろうが、女友達の家ならば警戒されないというマサキの計算はうまくいったようだ。
「じゃあ、ツバメ。夕ご飯まで、ちょっとツバメの部屋借りるからな」
「勝手にしなさいよ!」
 もうゲームに集中して、相手をしてくれないツバメだった。いまは好都合だが。
「じゃあ、円藤、ちょっとツバメの部屋まで一緒に付き合ってくれ」
「わかった……」

 あいかわらず、甘い匂いがするピンクと白を基調にしたツバメの部屋。もう自分の部屋よりも、ここが居心地よくなっているマサキである。部屋に入るなり、ベットに腰掛けて借りてきた猫のようになっている希。
「円藤……なんで呼ばれたかはわかってるよな」
「それは、わかっているが……まさかツバメの部屋でとは予想してなかった」
 そういってうつむく希。こうしていると、可愛らしいものだった。

 希は、髪も短髪に刈り上げているし、身体も鍛えていて動作も普段からキビキビしているのだが、そうやって抑えれば抑えるほどに、その女性らしい肢体からは妙な色気が滲み出ているのだ。こうして隣に座っていると、甘ったるいツバメの匂いとは違って、こう爽やかな甘酸っぱいような匂いがする。
 そのせいもあって陸上部の活動で目立ってることもあるのだろうが、活発で可愛くて、いかにも男子受けしそうな鳥取ツバメや、男の保護欲をそそる健気な佐藤理沙などと遜色ないほどに男子に人気がある。
「お前、美人なのに彼氏つくらないのか?」
 不思議に思ってマサキはそう聞いてみる。
「言い寄ってくる男が、みんな私の身体しか見てないのがわかってるから……そういう馬鹿な男子とは付き合いたくない」
 何を見ているのか、何も見ていないのか。うつむき加減に、そういう希。
「そういうもんかねえ」
「それで……やらないのか」

 まさか、希からいってくるとは思わなかった。マサキは、驚いて聞き返した。
「あのな……お前のアレを飲んだあとに計測したら短距離のタイムがあがっていたんだ。確かに、効果があるらしいな」
 そういわれて、なんのことかすぐ思い出せなかったが。
「ああ、そうだな。ぼくの精液を身体に取り込めば、お前の短距離のタイムは確実にあがっていくぞ」
 そうそう、そういう理由付けでやるんだった。心理的訓練が身体能力に影響を与えるというのは、これは事実すでに研究が進んでいることで結果も出ている。陸上だけではなく、国体クラス以上の選手は、その多くが計画的なメンタルトレーニングを行い成果は実証されている。
 強力なイメージトレーニングに匹敵するだけの効果を催眠は持っている。特に希の場合は、高い身体能力とそれを発揮できるだけのガタイができあがっているのだから、あとは脳が、その力を瞬発的にどれだけ引き出せるかにかかっているのだ。この場合は、マサキが安請け合いしてしまって問題はない。
「さあ、ベットに横たわって服を脱げ。ぼくに任せろ、膣で精液を取り込んだほうがもっともっと効果があるんだ」
「膣でとか、露骨なこと言うな……」
 そういいながらも、覚悟はできていたのか。着ている服を脱ぐ希。下着は純白だった。当然なような、なにか意外なような不思議な感じがした。それも、脱いでいくのが恥ずかしいのだろうあわてて脱ぎ取っていく希。
「そんなにあわてなくてもいいぞ……時間はけっこうあるからな」
「誰が……しょうがなくやるんだからな。もう私は諦めてるから」
 どうせされるなら、陸上のタイムがあがったほうがいいということなのだろう。
 毛の生えかけた、オマンコに武者ぶりついていくマサキ。
「ちょっと、それはいきなりすぎるだろ!」
「痛たたたた! 顔挟んでるから」
 いきなりクンニされそうになって、あわてて足を閉じた希の力強い太ももで顔を挟まれて死にそうになったマサキ。
「あ……ごめん」
「いや、ぼくも、がっつきすぎたよ、ゆっくりやるから」
 そういって、口付けをするマサキ。もちろん上の口に。
 立ってキスすると、背が高い希だと見上げるような形になってしまうから、ベットで寝そべってやるのは都合がいい。
「舌もいれていい?」
「嫌でもやるんだろ……いちいち聞かないでよ」
 そういって口をあけて受け入れてくれる希の舌を吸うようにしてやるマサキ。ここらへんも、マサキの経験値があがってきているようだ。やりかたがうまいので、舌を絡めても抵抗はない。そのまま、ゆっくりと絡めてやる。悪くない雰囲気にはなってきた。

「はぁ……」
 ため息をつく、希。
「どうした?」
「こういうのも悪くないと思う自分が嫌になってきた……私はこんなことがないと、こういうことは一生なかったかもしれないから……」
「そんなことはないだろう、こんなに綺麗なんだからさ」
「頼むからそんなこといわないで、やるならだまってやってよ」
 マサキが、希の形の良い胸をもてあそんでやると、乳頭が元気にたちあがってきた。抑えていたのだろう、声と息が一気に吐き出されてペコンと希のおなかがへこんだ。すかさず吸うと、可愛らしい声をあげる希。一通りそうやって遊ぶ。

「円藤は、腹筋も結構あるよなあ……ごめんな妊娠したらちょっと落としてもらわないと」
「ああ……そういうこともあるのか。うん、しょうがないよ諦める」
 普段の暴れっぷりが嘘みたいに、従順で大人しい希。マサキが知らなかっただけで、もとからこういう性格だったのかもしれない。
「もういいよね……」
 そういって、希の股に手を入れるマサキ。さっきのがあったので、恐る恐るだったが抵抗はなかった。
「ほんの少し、濡れてる感じかな」
「だから……そういうことを、いちいち口にださないで」
 生えかけの茂みは仄かな熱と湿り気を感じさせていた。
 張りのある太ももが美しい。
「口で舐めるから、もう大丈夫だよな」
「だから……」
 舌で湿り気を舐めとるようにして、味わう。口の中に甘酸っぱいような、柑橘系の爽やかな味が広がる。マサキは目が覚めるようだった。愛液の味は、女性によって味わいが違うものだが、こんな味は初めてだった。運動ばっかりするとこうなるのか、いやおそらく希の体質によるものなのだろう。
 形のよい足を押さえて、腰を抱え込むようにして舐め続ける。いくら味わっても、味わいつくせぬ美味。マサキは、ただ舐め続け味わい続けた。
「……ふっ……もう駄目……ひゃぁ!」
 我慢し続けてきた快楽に耐え切れなくなって、決壊したように身体を振るわせる希。ビクッビクッっと身体を震わせて、腰をガクガクと振る。
 そして、快楽の波に耐え切れなくなって足を力いっぱい閉じた。
「いたただたたたたたた! 円藤、足! 足!」
 顔と身体をギュッと足で挟まれて、溜まらず叫び声をあげるマサキ。
「はぁ……ごめん」
「はぁはぁ……足に挟まれる痛みがトラウマになりそうだ」
 気がついて、足を開く希。もう十分濡れているし、トラウマでクンニができなくなっては困るので、この程度で挿入にいたることにする。
「じゃあ、いれちゃうね」
「だから……いちいち言わないで」
「いや、これは言わなきゃだめだろ。円藤は初めてだろう、最初は痛いものだから」
「馬鹿にしているな……痛みと言っても裂傷程度だろう、その程度の痛みを耐え切れないほど私は弱くない」
 そういうものなのか、鍛えられる場所ではないような気がするのだが。希の濡れそぼったそこは、とても自然な感じで、いやらしいことをしているという感じがしなかった。
「そういうなら、入れちゃうね」
 そういいながら、そっと下の口に亀頭を口付けさせて恐る恐るという感じでゆっくりと入れていく。思いのほか、すんなりと受け入れてくれた。ミシミシという感じで亀頭が抵抗を感じ、それでもゆっくりと押し付けていって、やがてすべてを跳ね除けてズブリと挿入した。
「うっ……」
 希が小さく呻いた。
「やっぱり痛いんじゃないか」
「そんなことはない……ちょっとジンジンするだけ」
 それが痛いってことなんじゃないかなと思いつつ、一度最奥まで入れて見る。ピストンはまだしない、痛みを我慢するようにこわばらせている希の美しい顔を見て、その反応を見てどうやるか決めるつもりだ。
 処女にもいろいろあって、あまりに辛いタイプなら無理に動くつもりはない。希は明日の陸上の訓練にも無理にでも出るだろうし、ダメージを残すつもりはないのだ。
 どうやら、大丈夫そうだと考えて、少しずつ動いて見る。
「うっ……うっ」
「やっぱり、きついか?」
「そんなことはない、別に自由うぅに、動いても……かまわないよ」
 強がるので、希の限界ラインがわからない。希のオマンコは、鍛えているせいもあるのかもしれないが特に小さくて、ギチギチと心地よく締め付けてくれるので、無理にピストンしなくても十分に気持ちいい。
 半剥けのクリトリスを刺激してやろうと見たら、接合部から血が一筋流れていた。それにもかまわずに、女の子の小さい亀頭を刺激してやる。
「ふっ……ふっ」
 反応して息を吐く希。
「気持ちいい?」
「気が……まぎれる、多少うっ……」
「まあ、こっちはどうやっても気持ちが良いからな」
 そうやって、胸に顔を押し付けてもてあそんでみる。すでに立っている乳頭をはじくと、いい声をあげる。そうやって気を高めて、さっさと射精するつもりだった。そんなに最初から無理やりやるつもりはないのだ。希とは長い付き合いをするつもりだから。
「それじゃ、そろそろ射精するぞ」
「ぬっ……来い」
 その反応に少し笑ってしまうマサキ。
「来いっていうやつは初めてきたぞ、女の子は行くじゃないのか」
「行くもんか……そっちが来たければ来ればいいだろう」
 変な反応だが、希らしい。そういうのも、希の強がりなのだろう。さすがに辛そうなので、さっさと射精してしまうことにした。すでに、射精圏内に気持ちは高まりつつある。腰を抱くようにして、ぐっと抱きしめると「うっ」とまた苦しげに望みは声をあげた。
「じゃあ、行きたいから、そっち行くわ」
「うん……来い」

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!!

 希の奥に、勢いよくほとばしる白濁液。吐きつけられて、何か感じたのかまた希は「うっ」と呻くのだった。初めてで、セックスでいかすっていうのはやっぱり難しいのかもしれないなと、射精の余韻に浸って抱きつくようにしてまとわりつきながらマサキは考える。今日はこのぐらいだな。

「明日も練習でるんだろうけど、控えめにしておけよ」
「……いわれなくても、無理しすぎて身体を壊すようなことはしない」
 そこらへんは、ダメージの管理も出来る女だとは思っているけどな。
「こうやって、抱かれていればタイムは確実にあがっていくから、焦るな」
「そうだな……もしいまので妊娠したとしても、再来月の大会には出れるだろうし、冬のはきっと無理だから次の大会に賭けるよ」
「妊娠って、生理周期とか分かってるのか」
「いや……今日生理でなくてよかったと思っただけだが」
 そうだなあ、円藤の性格で生理周期とか測ってきているわけがないとマサキは思った。
「出せばできるんじゃないのか」
「まあ、それでもそのうちできるだろうな」
「そうか……そうだな、私は諦めてるからそれでいい」
 どうしてなのかはマサキには分からないが、希はクラスのどの女子よりも、諦めがよく現状を素直に受け入れている。理由など、どうでもいいのかもしれない。マサキにとっては好都合なのだから。
「タオルあるから、それで吹いてな。風呂も借りれるようにいっておくから」
「シーツはどうするつもりだ、今日このベットでツバメが寝るんだろ」
「ああ……シーツは、代えがある場所ちゃんと知ってるから大丈夫だよ」
 いずれは、鶴奈さんにばれるわけでどうするかなあとマサキは思う。ちょっと言い訳のしようがないような気もする。ツバメに二回破瓜があったとか、それは面白い冗談だが、鶴奈さんに万が一、ヒナのだと思われるとちょっと……というか、かなりやっかいかもしれない。まあ、なんとでもなるかな。

 一緒に後片付けをして、ご飯を食べて風呂に入って円藤希は帰っていった。いつになく、大人しかった。彼女なりに痛みとか、感情を押し殺していたのかもしれない。そして、今日もやっぱりマサキは、希を連れてきたことで余計に機嫌が悪くなってしまったらしいツバメにマッサージして殴られるのだった。
第十二章「朝の光と夜の闇」
 安西マサキは、フローリングの硬い床の上で、寝苦しくて目を覚ました。
「うん……」
 カーテンの隙間から差し込む光はまだ淡い、目覚まし時計がなる時間にはだいぶある。マサキは、ツバメのベットで寝たはずが、いつのまにかツバメの部屋の床で寝ている。寝てから、すぐに蹴りだされたのだ。
 疲れていたマサキは、それでもそのまま寝続けたのだろう。
「身体の節々が痛い……まあ、これはしょうがないか」
 この季節でも廊下に真っ裸で放り出されていれば風邪を引いただろうし、まだ部屋の中で、毛布を上にかけてくれただけが、ツバメの優しさというものだろう。
 身体は節々痛むが、疲れはだいたい取れている。部屋に立ち込める甘いツバメの匂いが、マサキを回復させてくれたのかもしれない。
 久しぶりに長時間眠ったので、脳の疲れは取れて普段よりもすっきりしていた。マサキは、中学生にして見た目は三十五歳(独身)みたいな風貌だが、内臓はきちんと少年なので少し休めば体力は無尽蔵だ。

 マサキは、シンプルながらも、少女らしい可愛らしい飾り付けのツバメの部屋で、部屋の主を見つめる。可愛らしい寝顔だった。
「寝ていれば、素直に可愛いんだよな」
 普段の活発すぎる棘が抜けた寝顔は、自分でも、危ういほどの愛おしさをマサキに感じさせた。
 ツバメへの愛おしさが、マサキの身体を貫き、軽く頬が染まるほどにマサキの体温を上昇させた。ツバメが好きという気持ちが、ツバメを壊してしまいそうで。必要以上に、恐る恐る寝ているツバメへと手を伸ばして、布団をはぐ。
 綿の地味なパジャマを、ツバメの爆乳が押し上げて、苦しそうだ。そっと触れてみると、ブラジャーはつけてないようだ。さらに成長を続けているらしいツバメの胸であれば、補正下着を着けなくても型崩れする心配はないのかもしれない。

 ゆっくりと、パジャマのボタンをはずしていく。すると、ボタンはまるではずされるのを待っていたかのように、ポンポンと外れていき、上から魅力的な谷間が、そして最後のボタンをはずすとはじけるように、ボンッと巨乳そのものが飛び出すように姿を現した。乳首は立ってなかったが、可愛らしいピンク色だった。

 ツバメは普段の乱雑な様子に比べると予想外なほど、大人しい寝相で寝ている。掛け布団をのけられて、パジャマをはだけられて胸をむき出しにしているというのに、息をしていなければ、そのまま死んでいるのではないかと思うほどの大人しさ。
 ツバメの肌は本当に血がかよっているのか不思議なほどの、雪のような白さだった。

 処女雪という言葉は、もしかするとツバメのような神秘的な処女の肌の白さをいったものかもしれない。マサキは、欲望を抑えかねてそっと乳房を持ち上げるようにしてツバメの乳を揉んでみる。
 柔らかく、それでいてきっちりと芯があって揉みごたえがある。一言で乳といっても、いろんなタイプがある、とろとろに蕩けるような軟らかい乳、そしてツバメのような芯が感じられる柔らかい乳、やや硬めの乳。
 それは肉の焼き方に人それぞれ好みがあるように、どれが理想的かとは言えないものだ。美術には、その先に芸術が追い求めるたった一つの美のイデアがある。しかし、人の嗜好には人の数だけの理想の形があるのだ。
 だから、他の乳をすべて知らなくても、マサキは言ってしまっていい。
 マサキにとっては、ツバメの乳こそが世界一の乳なのだと。世界でもっとも尊い美しさを持つ肉の塊を、欲望のおもむくままに揉みしだき嘗め回した。
 寝にくそうに呼吸を乱すが、体勢までは乱さない。ツバメはどうやら寝相がことのほかいいらしい。
 マサキは自分の顔に近い右の乳房にばかりむさぼりついていたので、右の乳首だけが赤みを増して、ゆっくりと勃起してその存在を示し始めていた。

「そうだ、パイズリしよう」
 この機会に、やってみたいことをやってみるのもいいだろう。どうせ、ツバメが起きたとしてもなんとでも言い訳がつくのがいまのマサキの立場である。むしろ、起きてしまえとばかりに、ツバメに体重をかけないようにしてまたがると、必死になってマサキは乳を左右から押さえつけて谷間にこすり付けた。
 もともと、ツバメの巨乳は芯があって重力に逆らい、しっかりと天井に向いている。
 だからツバメの意識がない状態でも、パイズリは思ったよりも容易だった。
「ううっ……なんだろうなあこの感覚」
 普通は、ローションか何かを垂らしてすべりをよくしてやるものなのだが。何もつけていないので、湿り気は足りない。ただ、朝のツバメのしっとりとした肌に勃起したものを押さえつけてこすっているだけで、マサキは興奮している。
「ふっ……ふっ……」
 そうやって、マサキが調子にのって腰を動かしている間に、先走り汁が出てきて、一応パイズリらしい感じになってきた。朝立ちの影響もあるのだろう、マサキの貧相なモノでも、今朝はパンパンに腫れ上がっており、ツバメの大きすぎる乳に突っ込むにも具合がいい。
 ビクンビクンと、一方的にマサキは興奮して、気持ちが絶頂を迎えた。マサキが気持ちいいのに比例して、腰を浮かす力が弱まり、どんどん体重がツバメの胸に乗ってきてとツバメは息苦しそうにしている。
 今にも起きそうだった。そして、それと同時にマサキも射精しそうだった。
「うっ……ツバメちゃんのおっぱいいいよ!」
「んっ……重た……なにっ……!」

 驚愕にツバメの目が開く。寝苦しさに耐えかね、無理やり深い眠りから引き起こされたという風であったが、ちょっと目を開けた先に自分の胸がむき出しにされていて、その上に化け物じみた顔をした半裸のマサキが乗っているというホラー小説じみた光景に、一気に覚醒へと傾く。嫌悪と危機感。これは悪夢の続きなのか。

「ちょっと、あんた……、なにしてんの?」

 ツバメは身動きすることも忘れ、ただ呆然と目の前で自分の胸を犯しているマサキのチンコを見つめる。パイズリというのは、残念ながらツバメの知識にはなかった。だからツバメには、マサキがただ自分の胸を押さえて、勝手に息を荒げて自分の腹の上で不思議な行為をしているように見える。性的な行為だとツバメが分かっていたら、このすぐ後のことが予測できて、最悪の事態を避けられたかもしれないのに、無残にも最後の瞬間が近づこうとしていた。

「ツバメちゃん、出る!」

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュドピュピュピュ!!!

「……えっ!? ……あっ!? きゃあああああああああああああああ」

 驚愕と苦痛にゆがむツバメの顔に胸に、マサキの黄味を帯びた精液が勢いよく飛び、大量に降り注いだ。何をされたか分からなかったが、顔と胸に大量に降りかかった精液を指でつかんで、その匂いを嗅いだ瞬間に最近犯された酷い記憶がよみがえったらしい。
 叫び声をあげるツバメの前に、振り切るようにして最後の一滴までツバメの胸にチンコを振り切って精液を擦り付けるマサキの姿が。

「ふぅ……よかったよツバメちゃん」
「しねぇえええええええええええええええええええええ」

 マサキはベットから突き飛ばされた。

 床に掛け布団が引いてあってラッキーだった。マサキは、頭から落ちたがなんとか怪我はしなかった。呻きながら、マサキがもぞもぞと立ち上がろうとするなか、ツバメは怒りのエネルギーを爆発させる寸前だった。

「なにこれ、なにこれ、なにこれ、なにこれ……もう最低!!」

 ベットにあるティッシュで、顔や胸にかかった汚らしい液をふき取ろうとしているらしかった。顔は、もう怒りを通り越して頬は引きつり、まるで笑っているようだった。マサキは、ツバメの怒りが危険水域を遥かに越えてしまっていることを速やかに理解した。このまま放置したら、程なくして爆発するだろう。下手したら殺される。マサキの命の危険が危ない!

「ツバメちゃん、朝のマッサージだから!」
「……ほぇ!?」

 怒りゲージを満杯まで溜めた爆発させようとした矢先に、その怒りの矛先をはじかれて、顔を真っ赤にしているのに怒ることができずに、まして怒らないこともできず、溜まりに溜まった怒りエネルギーは行き場を失ってしまう。
 ツバメは、笑ったり、怒ったり、顔を真っ赤にしたり真っ青にしたり、なんとか自分のなかで感情の調整をつけるのに手間取っている。

「ふふふふふふふっ……マッサージじゃあ! あは……しょうがないもん……ね」
「そう、そうだよしょうがないんだよマッサージだし、ね! ね!」

「ドロドロだし……シャワー浴びてくるわ」
「いっ、いってらっしゃい……」
 ようやく怒りを抑えることに成功したツバメは、眠気が戻ってきたのか呆然と部屋を出て行こうとする。それに安心するマサキ。
 であったが、思い出したように、マサキのまえにもどってくるツバメ。

「あっ、そうだ」
「は、はい?」
「素敵な起こし方してくれて、ありがとう!!」
「ふぐっ……!」

 腹に鋭いパンチを一発。マッサージなら何でも許されるが、朝に変な起こし方をされたことには怒ってもいいという抜け穴だった。
 掛け布団の上で、苦しみに腹を押さえるようにして蹲るマサキを見てようやくすっきりしたのか、鼻歌を歌いながらツバメはシャワーへと向かった。

 鳥取家に、新しい朝がやってくる。

――――

 早めに登校してきたマサキは、まず保健室に向かった。保健の先生兼マサキのお目付け役である、アルジェ先生と善後策を相談するためである。
「朝早くからご苦労……お土産を持ってくるのはいいが、なんで餡蜜なんだ?」
 一応、お世話になっているので手ぶらではどうかとマサキも思って、勝手に鳥取家の冷蔵庫から持ってきたのだが。
「まあいい、日本の和菓子とやらも味わってみたかったからな。理沙、冷蔵庫に入れておいてくれ、十時のおやつに食べよう」
「理沙?」
 するっと、保健室のベットを遮るカーテンの向こう側から佐藤理沙が出てくる。
「お前なんて格好してるんだ」
 いつものメガネヘヤピン委員長ではない。ゴスロリ風のメイド服にエプロンをつけて、長い髪は綺麗なカチューシャで束ねている。まるで可愛らしい人形のようだった。
「……アルジェ先生がこの格好で居ろって」
 なるほど、地味で控えめな容姿の理沙だからこそ黒メイド装備が映える。恥ずかしそうにうつむく理沙。そして目線を下に向ければ、黒ニーソが織り成す絶対領域。さすがマサキの師匠、アルジェ・ハイゼンベルグ――できる!

「なかなか気の利く少女だったのでな、私のメイドにしてみた」
 そういって、いいだろうと笑う。自分の滑らかな金髪を手でもてあそびながら楽しげなアルジェ。こんなにセンス良いなら、自分もその美形を台無しにしている赤ジャージをやめればいいのにとマサキは思ったが、怖くて言えない。
 アルジェに昼までにコーヒー買って来いといわれて、理沙に任せたのだが、そういえば理沙が行ってから帰ってこなかったのは専属メイドにされていたからか。
「あの、一応ですね、僕のクラス総妊娠計画に理沙も入ってるので……」
「なんだ、こっちに寄越したからメイドとして使っていいのだと思ったんだが」
 クラスの女子全員の女を妊娠させるという壮大な計画に、結構マサキはこだわっていた。それもそうだ、それでこそあのクラスでボロボロにされて引きこもりになったマサキの大いなる復讐が果たせるというものではないか。妥協は許されない。
「じゃあ、保健室のベットで、ファックしていけばどうだ」
 そんなことをさらりと言うアルジェ。さっと理沙の顔が青ざめる。
「あーなるほど」
「妊娠すればいいだけなんだろ、だったらたまにここで犯して、普段は私がメイドとして使うってことで手を打とう」
 理沙を見ると、軽く泣いていた。クラスから引き離されたことで、困惑したのは確かだがここに居ればマサキの魔の手から逃れられると思っていたのかもしれない。

「一応、理沙の意見も聞いておくか」
 そういって、意地悪くマサキは理沙に問いかける。
「そういうことでいいよな?」
 マサキはそういう。
「……いやです」
 小さい声で拒絶する。理沙。
「何が嫌なんだ」
「犯されるのが……妊娠させられるのもいやです」
 純白のエプロンを手でつかんで、顔を涙を溜めながら上目遣いにこっちを見て拒絶する。これはいい。マサキの性欲を強く刺激した。

 アルジェが笑い出した。
「理沙、それじゃあ犯してくれって迫ってるみたいなもんだぞ」
「そんな……いやっていってます!」
 そう、言うのは自由だった。だが、催眠に縛られている身体は拒否を許されない。さっと、保健室のベットに押し倒される理沙。保健室のカーテンがゆれる。

「おい! ちょっとまて」
 アルジェが怒ったように止めた。
 押し倒されながらも、理沙は喜んでいる、止めてくれるのか。
「そのメイド服は特注で高かったんだぞ、シワにならないようにちゃんと脱いでからやれ」
 理沙は絶望する。マサキは器用に脱がしにくい、ゴスロリメイド服を剥ぎ取ってから……下着にまで黒なのには少しびっくりしたが、よく似合う。中身にしか興味がないマサキは、さっさと裸に剥いてその理沙の小さい胸にむしゃぶりつく。
「こういうのもいいな」
 カーテン越しに、理沙をむさぼっているマサキ。
「ほら、大人しくしなさいって……ほらほらほら!」
「いやぁ……」
 何人も何回も抱いてるうちに、童貞然としていたマサキもいつしか女性の扱いというものを習得しつつあった。
 もともと、頭は悪くないうえに手先が器用な男なのだ。
 まだ、男性を知らない理沙が煮え切らない拒否をしても、敵うものではない。

「アルジェ先生、種付け隊の話なんですが」
 カーテン越しにマサキはアルジェと会話する。
「おうおう、どうしたね」
 今日は、パソコンを弄らずにゆるりとココアを飲んでいるアルジェ。カーテンの向こう側でゆれる影と、主に理沙があげる嬌声を楽しんで聞いている。
「犯す場所を提供するのに、放課後保健室を借りてもいいですか」
「うーん、ここはベットが二つしかないからな、それにうるさいのも困る」
「ほかの部屋はどうですか」
「そうだな、普段使ってないレクリエーション室なら、そこに防音パネルを張って簡易ベットを四つほどおいてやろうか」
 この吾妻坂中学のように歴史の古い学校は、少子化のせいであまっている部屋がけっこうあるのだ。適当な名前をつけてイベントのときとかにしか使用されないので、勝手に使ってもかまわないだろう。
「作業なら、種付け隊使ってやってくださいね。あいつらのためなんだから」
「ふふ、そうさせてもらうか。そうだ、お前の総妊娠計画だったけどな、面白い薬があるんだけど使ってみるか?」
「ほう、なんですか」
「排卵誘発剤だよ」
 マサキの胸の中で、裸で身悶えてペッティングを受けている理沙が、ビクッっと震える。排卵誘発剤を知っていたのだろうか、さすが耳年増タイプ。
「ほーそりゃ、どういう薬ですか」
 マサキは、排卵誘発剤の存在は知らなかった。マサキはセックスのことばかり考えている男子中学生の中でも、異様に性知識を蓄えているほうだが、避妊だの不妊治療だのは中学生の男子にとってはリアリティーがないものだ。そういう知識がなくてもあたりまえだろう。
「文字通り、排卵を誘発する薬だ。生理周期に関係なく、卵子が出て出産できる状況を作り出す。薬事法に引っかかるぐらい効き目を強化してあるからな。小学生相手でも、ほぼ確実に妊娠する凶悪さが売りだ。ただ、効き目が若干強すぎて、場合によっては卵子が多量に出て、下手をすると子供が五つも六つもできてしまうんだ」
「……それも、面白いかな」
 また、胸のうちで理沙が震える。見ると、怖い想像をしたのだろう泣き崩れていた。
「いい産婦人科医も紹介できるから健康面のリスクは低い。保健室まで出張してもらって、定期的に健診してもらえばいいだろう。DLOは結構人材豊富らしいからな」
「楽しみにしてますが、排卵剤投入のタイミングはもう少しあとですね、ツバメの妊娠にみんな合わせます」
 強制妊娠という悪魔的な想像を楽しむマサキだが、少しでも健康面に不安があるものを自分のツバメには使うつもりはなかった。やはり、ツバメはマサキにとっては特別で、それを変えるつもりはない。
「薬を取り寄せるのにも、時間がかかるからちょうどいい」
「よろしくおねがいします」
「ああ、お前は心配せずにやりきればいい。やるなら、徹底的やりきることだ」
 そういって、アルジェはマサキたちのまぐわいを観察するのにも飽きて、自分の組織から端末に送られてくる情報を解析して指示を出す。長期休暇中とはいえ、複数の組織の指導者であるアルジェには片付けるべき課題は山積していた。そして、結果が分かりきっている陵辱をいつまでも観察している趣味は、彼女にはなかった。快楽と苦痛に溺れるのは、弱い生き物だけだからだ。

「というわけだ、そろそろ観念したほうがいいぞ理沙」
「ひっ、いや……」
 マサキの執拗なペッティングで、理沙はトロトロにされていた。泣きつかれたのか、ヒクッヒクッと身体をこわばらせている。嫌いな男子に、身体をまさぐられるという嫌悪感があっても、いやそれがあるからこそ余計に的確な肉体的刺激を与えられれば、それに答えてしまうというのが悲しい女の身体。
 佐藤理沙も十四歳、すでに初潮もきているし第二次性長期を超えた身体はきちんと女の生理というものを備えている。嫌悪感や危機感を感じるからこそ、身体は自らを傷つけられまいとして余計に濡れるということもあるのだ。

「わからないかな、さっさと俺に抱かれて妊娠しないとさっきいってた悪魔の薬を飲まされてもっと酷いことになるんだぞ」
「うっ……」
 そういって、マサキはまだ無垢に近い股に手を擦り付けるようにしてやる。すでに股の部分は愛液でトロトロになっていた。小柄で、貧乳の理沙は鳥取ヒナに近い感じがする。そういう甘さがすると思ったが、それでも成熟の度合いの違いというのはある。
 ヒナはどう考えても無理なものが、理沙はきちんと受け付ける。同じように行為を受け入れても、理沙の身体の中ではじける熱は明らかにヒナよりも熱い。
「お前の小さい胎に、赤ん坊が四つも六つも入ったら、おなかが破裂して中身が出てしまうかもなあ」
「いや……ひゃ!」
 さっきの話も、理沙を脅す道具に使う。マサキの悪魔的知性は鋭い。

「そんなの嫌だろ、だから早く抱かれて妊娠してしまえばいいんだよ」
「うっ……はい」
 もともとが、弱い催眠の支配下にある理沙が、マサキに篭絡されるのは時間の問題だった。ゆっくりと落としたのは、アルジェという観客がいたから、それに見せ付けるようにやってみたいというマサキの趣味だから。
「入れるぞ、最初は痛いだろうから力抜けよ」
「うっ……あっ!」
 それでも、理沙の小さい穴に自らの勃起したものを突きつけるようにすると、マサキはそういう計算も抜けてしまって、ただ穴がもたらす快楽に溺れるように突き入れる。あとはもう、痛みを訴えて泣き声をあげる理沙の叫びを全身で押さえつけるようにして、ピストンを続けるだけ。
 一応理沙の了承はとったとはいっても、それは愛情のないレイプ以外のなにものでもなかった。ましだったのは、必用以上にペッティングされていたから理沙の身体が傷つくのが最小限に抑えられたということ。

 やはり理沙に苦しいときに助けてもらえなかった。そういう行き場のない恨みがマサキには残っていた。だから、こういう形で自分の恨みを晴らしてしまうマサキは、小さい男なのだろう。
 やがて、理沙が声をあげるのにも疲れてしまったころ、マサキは心の奥底からはじけるような熱さを感じて、それを我慢せずに解き放った。

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!

 動物のように犯し、動物のように射精しただけだ。愛のない行為だった。それだけに激しく、胸をかきむしるような別種の快楽をマサキにもたらせた。理沙はもう、嫌がることも痛みも忘れて、呆然とマサキを見つめるだけだった。
 まるで人形を抱いているようだと、マサキは思ったが、股から血と精液を垂らして呼吸する人形というイメージは、マサキの変態性欲の部分を刺激する。
 十分に犯しつくしてしまったオマンコにもう一度入れる気がしなくて、マサキはその場で自分のまだ興奮で覚めやらぬチンコをこすり付けるようにして、仰向けに寝そべっている理沙の身体に射精した。顔から、その小さな胸から、腹にかけて、マサキの黄みがかった精液が大量に放出されていく。

 ドピュドピュドピュドピュドピュドピュ!

 そうして、ようやくマサキの征服感は満たされる。そのような屈辱的な行為をされても、もう理沙は身動きしなかった。理沙は行為が終わったことを知って目を瞑る。理沙にはもう身体と心が壊れてしまったように、嫌悪感も、危機感もなく、破瓜の痛みさえ感じなくなって、目の前には深い闇だけがあった。簡易ベットの柔らかいシーツと一緒に溶けてしまうような、身体が沈み込んでなくなってしまうような深い闇。そうなっても良いと、理沙は目を瞑り続ける。

 マサキは、汚れた一物を理沙に擦り付けるようにして綺麗にして服を着て出て行く。倒れ付している理沙を一度も振り返ることはなかった。後には、ベットに倒れこむようにしていつしか眠ってしまった理沙だけが取り残されていた。
 仕事にひと段落つけたアルジェは小さくため息をつくと、本来の保健婦に連絡をいれて短く指示を出す。

 保健婦は、保健室にやってきてベットの上で、無残に犯されて精液まみれで眠る少女を見つけた。不必要な声を上げることは禁止されているので、唇を噛むようにして悲鳴をあげようとする口を抑え込んだ。予め用意してきた蒸しタオルで身体を綺麗にすると、出来る限りの治療を施して綺麗な下着をはかせて、メイド服を着せてまだ綺麗なほうのベットに寝かせて、汚れたベットも片付けた。それだけだった、それ以上は保健婦には許されていないから静かに退室して次の指示を待つ。

 黒いメイド服を着せられたまま少女は、それから半日ほど、昏々と眠り続けた。

 起き上がった理沙の前には、すでに夜の闇が広がっている。目を瞑っても闇、目を開けても闇。そして黒い服を着せられている自分はその闇に溶け込むようで、なにもかもが消えてなくなってしまうようで。周りに誰も居ないことに気がついても、理沙はしばらく呆然とベットに座り込んでいた。
 闇と黒だけが、彼女を見つめ、悲しみと痛みを包み込んでくれる。

 そして、何かの拍子に火がついたように泣き始めた。
 行き場のない悲しみに、泣いて泣いて泣いて、泣き疲れて、そのまま意識を失った。

「例の事件」ストーカースナイパー外伝

「隣の隣はダ~レ♪」

 俺は、昔国営のテレビでやっていた子供番組の主題歌を口ずさみながら、マンションの最上階に住む雇い主の元に向かっていた。
 しがない俺の名前などどうでもいいことだが、名乗っておけば麻松一郎という。三十路を過ぎた、独身のどこにでもいるようなうらぶれた男だ。
 職業は探偵。探偵といっても、よく推理小説に出てくるような立派な私立探偵ではなくて、浮気調査などをする興信所の調査員のような最低ランクの仕事をこなす探偵だ。
 それでも、この業界には捜査したと偽って金を騙し取るようなもっと最低な連中もたくさんいるので、最低ランクでも律儀に依頼者の仕事をこなしているだけ俺は探偵と名乗ってもいいと思っている。

 新築の高級マンションの最上階。
「田崎正文」と表札がかかっている。
 チャイムも鳴らさずに、扉を開けて入る。鍵が開いているのも分かっている。報告書を持って、この時刻に俺が訪ねることはお互いにわかりきっていることであるから。無駄な動作はしない。
 ちょうど、部屋の奥に高級そうな皮の安楽椅子に腰掛けている不思議な気配を持つ中年の男性。クルリと椅子を回転させて、俺の目を力強い瞳で見つめてくる異相の男。この部屋の主、そして私の雇い主である田崎正文氏である。
 田崎正文という名前は、実はこの部屋の賃貸契約を結んだ、すでに破産して夜逃げしている元社長の名前である。本当の彼には名前がない。
 名前がない男である彼は、かつてこう呼ばれていたそうだ。ストーカースナイパーと。

 ストーカースナイパー。その名は、天才的性犯罪者として国家レベルで騒動を起こした男として記録されている。すでに死亡したとか、海外に逃亡したと言われているこの男が、都内のマンションに潜伏していることを知ればみんな驚くだろう。

 ふと、パソコンのモニターを見ると、例の都内マンションで起こった暴行バラバラ殺人事件のニュースが映っていた。

「ああ、あの事件ですか」
「そう、嫌な事件だったね」

 いまは話題になっているからあの事件でわかるが、猟奇的な凶悪事件の相次ぐこの国では、一週間と経たないうちに事件は風化してしまう。事件の概略だけ記しておくと、新築のマンションで、一部屋の空室を挟んだ隣室の男が、姉妹で住んでいる二十三歳の女性を襲い、その場にあった包丁で脅して自分の部屋に連れ込んだ挙句に、刺殺してバラバラに遺体を解体してトイレに流したという猟奇的な事件だ。

 暴行目的で襲って刺殺までは、よくある事件だが。被害者の女性がマンションから出ていないことが監視カメラでわかり、一日も経たないうちに警察が乗り出してマンション内の調査を開始した。つまり、犯人は警察が室内に踏み込むまでの短い時間に死体を解体して、隠した。そしてそのあとトイレに流すなり、ゴミに出すなりしたのである。警察力の低下か、犯人の偽装工作がうまくいったのか、発覚して逮捕に至るまで一ヶ月の時間を要した。

 一日以内に人間の遺体を解体して、大きな部分は警察が来ても分からないように収納して、一部は細かく裁断してトイレに流す。ちょっと現実に起きたとは考えにくい話だ。しかし「事実は小説よりも奇なり」とはよくいった話で、洗濯機を利用してバラバラに解体したらしい。
 洗濯機の中で、バラバラになった人肉、撒き散らされた血の量たるや相当のものだっただろうに。ちょっと、想像するだけでも吐き気がする話だ。何度考えても現実の話しとは信じがたい。
 それでも、部屋に残された血痕、下水で発見された人骨などから犯人の犯行は裏づけられているのだ。
 犯人は人を解体して始末した直後に、ゆったりとしたジャージ姿でニコニコと笑いながらマスコミの報道に答えている――鬼畜。
 俺だって善人じゃない。生活のために、犯罪ギリギリのラインの汚い仕事を……時にはそこを飛び越えてしまった裏の仕事をやっている人間だから、偉そうなことはいえないが、犯罪者は人を殺してしまった段階で、人間ではない何か別の生き物に変化してしまうのではないか……そのようなことを考えながら、事件のことを考えているうちに、俺が持ってきた報告書を楽しげに読んでいるこの目の前の天才的性犯罪者は、どちら側に属しているのだろうと疑問を持った。
 こちら側の人間か、あるいは……向こう側の狂気の世界にすでに。

「どうしたね」
 俺の視線に気がついたのか、鷹揚に彼は答えてくれた。
「いえ、例の事件のことを考えてまして」
「そうか、君の職業は探偵だからね。猟奇事件が気になってしょうがないかね」
「いくつか、疑問もあります。優れた犯罪者である貴方の意見をお聞きしたいですね」
「最近は、暇だしなあ、そういう遊びもいいだろう」
 くつろいだ様子の彼に、疑問点を聞いてみることにした。

「まず、犯人の目的は暴行目的だったそうですよね」
「そうだね」
「だったら、どうしてマンション内の女性をわざわざ襲ったんですか。入居したばかりで、姉妹で住んでることすら知らず一人暮らしだと思っていたらしいですよ。危険を犯すほどの思い入れもないのに、隣人を襲えばすぐ自分の犯行だってわかるじゃないですか」
「大胆な行動に、結構な偽装工作をしているのに、そこらへんが杜撰すぎると?」
「そうです最近は、警察の捜査力が落ちているから……通り魔事件で未解決になっている案件は山ほどあります。成功確率から考えると、暴行目的で隣人を襲うなんていうのは馬鹿の考えることですよ。きっと犯人の証言は嘘で、最初から犯人は殺害して解体する目的で事前に準備を整えていたんです」
 そういうと、なぜかストーカースナイパーは笑い始めた。
 俺は、なぜ笑われたのかが分からず、呆然としていると「すまない」と謝って彼は話を続けた。
「君がそう考えるのは、探偵らしい推理的合理性で物事を考えているからだろうね」
「犯人は違ったと?」
「そう、犯人はパソコンの十八禁ゲームのマニアだったそうだよ」
「それが事件と直接的関係が」
「あると、私は思う。エロゲをやったことがないだろう君にはわからないだろうが、同じマンション内の住民を脅迫して監禁というのは、エロゲの様式美としてはよくあることなんだよ」
「まるで、マスコミみたいですね……ゲームの悪影響を受けた犯行だっていうんですか」 実際の性犯罪者である目の前の男が、マスコミの御用学者が唱えるような陳腐なゲーム悪玉論を言い出すので、あっけにとられてしまった。

「悪影響? ゲームは悪くないだろう。ただ犯人が影響を受けただけだ」
「まるで、犯罪がゲームのせいだって聞こえますよ」
「私が言っているのは、犯人が陵辱ゲーム的なリアリティーを持って犯行したというだけのことで、ゲームがなくても犯人の凶悪な性的衝動がなくなるわけではない。ゲームがなければ、別の形で……多分もっと狡猾な犯罪の仕方で発露しただけだろうね」
「すいません、変な言い方をして、話がそれました」
「ああ、文化が犯罪者にどう影響を与えるかは面白い議題だけどね。ハリウッド映画がなければ、その影響を受けた貿易センタービルの事件は起こらなかったかもしれないが、それでテロがなくなるわけではない。『ライ麦畑で捕まえて』がなければ、ケネディーは暗殺されなかった? フフン、面白い冗談だが。影響を与えたかもしれない文化を責めるというのは、土台が筋違いだろうね」
 ストーカースナイパーは一呼吸置くと、また話し始めた。

「犯人の思考は、たちの悪いギャンブラーみたいなものだったのだろう。私には彼の心理が手にとるようにわかるよ。合理的判断では、不可解な犯罪でも、彼のゲーム的な思考からすれば、とても合理的な行動だったんだろう」
 一呼吸おいて、さらに彼は話を続ける。
「彼は、勝利を確信したギャンブラーだった。犯行時はとても興奮した状態だったのだろう、ゲームの中での度重なる成功体験に後押しされた彼は、同じマンションに住む見知らぬ女性が大人しく捕まって、大人しく脅されて、大人しく監禁されて、大人しく陵辱を受け入れると半ば本気で信じていたんだ」
「そんな考え方をする人間が、一方で猟奇的な隠ぺい工作を?」
「犯人は、被害者のマンションに押し入ったとき、ナイフすら持っていなかったからその場にあった包丁を使ったんだ。それは最初から計画されていた行動ではなくて、暴れられるとは思ってもみなかったからなのだろう。一人暮らしと勘違いしたのも、状況が自分に都合よく働くと根拠もなく思っていたからではないかな」
「信じがたいですね……」
「君だって、犯人が常に合理的に動くという推理小説的な思い込みで、現実を見誤ってるんだよ。この場合は、犯人が陵辱ゲーム的な思い込みで動いただけだ。だから、そういう思い込みをすべて取っ払ってみれば、短絡的な犯人が短絡的な犯行をしただけというシンプルな構図になる」
「一応筋は通ってますが」
「まあ私が興味があるのは、どんな偏狭質的な狂気を持って犯人が犯行を行ったということだ。自分の部屋に無理やり連れ込んだ犯人が、被害者にどんな奇知外じみた妄言を吐きかけたか。そのうちに明らかになるだろうな。そのときは世間はもうこんな事件があったことなど忘れているだろうが」
「そうですね」
 大衆は血に飢えているだけなのだ。マスコミは自分の後ろめたさを隠すために、犯人の部屋を掘り返して猟奇的なゲームなり漫画なりを探し出して、その影響と決め付けて識者に非難させる。一時的に、猟奇的表現が規制されることもあるが、そのうちほとぼりがさめる。そしてまた猟奇殺人事件が起こる。ただ、その繰り返しだ。
 マスコミも賢いもので、一時的に槍玉にあげても、本当に猟奇的表現の規制を議論したりは絶対にしない。猟奇的なゲームや漫画がなくなれば、次に非難されるのは猟奇的事件を面白おかしく大々的に報道している自分たちだとちゃんと分かっているからだ。

 議論に飽いたのか、壁一面についたモニターをつけた。ストーカースナイパーの手元のスイッチで、いくつものモニターが映りだす。
 テレビ? ……ではない。数日前に来たときは、こんなモニターはなかったのに。
 モニターは一種の盗撮画像らしい。モニターの多さから、まるでひとつのお店を監視する監視カメラのようにも見える。
 しかし、映っているのはどれも様々な角度から撮られたマンションの一室で、女性が二人映っている。マンションのレイアウトが、どこかで見たことがあると思ったら、ちょうどいまいる部屋とまったく一緒のレイアウトだった。家具の違いだけだ。
 ちょっとまてよ、これってまさか。
「実は、私の部屋の隣にも女性が二人住んでいてね」
 そういって、ニヤリと笑うストーカースナイパー。
「しかも、美人姉妹なんだ。結構面白い偶然だろう」
 事件と似通っているのは偶然でも、女性宅の隣を隠れ家に選んだのは決して”偶然”ではありえないと俺は知っている。最初から狙っていたのだ。
「前に来ていたときから、例の事件の推理に君はご執心だったみたいだからねえ。とりあえずの解決記念のお祝いに、私が”成功例”というやつを見せてやろうかなと思って、準備を急いでみたわけだよ」
 モニターの女性を眺めながら、ストーカースナイパーは楽しそうに説明している。妹のほうが高校生ぐらいだろうか、まだ少女らしい活発そうな子で、焼き菓子をモグモグと食べながらテレビを見ている。もしかしたら、例の報道を見ながら「怖い」なんて思っていたかもしれない。
 自分がすでに、同じような被害者の境遇に置かれつつあることを知らないままに。

 姉のほうはちょうど風呂に入っているところだった。マンションの小さめの浴槽で、無駄毛の処理をしながらあられもない姿をさらしている。
 湯気で少し見えにくいが、風呂に入っている無防備な女性というのは、なめかましく見えるものだ。活発そうな肢体の妹もいいが、大学生ぐらいであろう姉のほうは、さわり心地のよさそうな形のよい巨乳である。すらりとした腰つき、スタイルも悪くない。容姿から見ても、俺は姉のほうが好みだ。
「妹のほうが観守ミコ十七歳の高校生。姉のほうが観守紗枝二十一歳の大学生。どちらともそこそこの美人だから彼氏がいて非処女なのが残念だけど、彼氏以外ともやってる遊んで系の娘ではないよ」
 それは、俺も職業柄だいたいよく分かる。家具の趣味や部屋の飾り付け、使ってる化粧品や着用している服を見ただけでも、普段の生活の様子はわかるもので、不自由なく育ってきた、いいところのお嬢さんだろうと容易に推測がつく。
 それ以前に、都心の一等地にある高級マンションに姉妹だけで入れるというだけでも、実家からかなりの援助を受けていることは明白なのだが。

「私はすでに、隣のマンションに二度侵入した」
 ストーカースナイパーは説明を続ける。
「大事なのは、下準備と情報の収集。そのために、こうしてあらゆる角度から盗撮して普段の生活の様子を調査している。個人情報の類もすべて集めた。こういう手口が、私の名前の由来だね。必要なら、君のような探偵を雇って学校や職場での様子も調査させることもあるが、この姉妹の場合は必要ないと判断した」
 俺が、今日持ってきた調査記録もいずれこういう犯行に使われるのだ。仕事が役に立つという満足感と、仄かな罪悪感。
「次に、軽く催眠薬で眠らせて二人が寝ているときに部屋に侵入した」
 ということは、すでに陵辱されているということか。
「いや、犯してはいないよ。軽く悪戯してみたりはしたけどね、軽い催眠薬だから刺激を与えれば起きる恐れはある」
 それなら、何をしに入ったんだろう。
「必要な医療的パッチテストを行ったんだよ。彼女らが、どういう体質をしていてどういう睡眠薬が効きやすいか、彼女らの身体に深刻な影響を与えない程度で麻酔はどこまで使えばいいか。念のためアレルギーのテストも行っておいた」

 それを聞いて、俺は全てを了解した。完全犯罪としての陵辱であれば、睡眠薬等で意識を奪ってから犯すのはベターな手口といえる。そうはいっても、現実はそう簡単な話ではない。
 強い酒や人体に影響のない程度の軽い入眠剤、あるいは昔なら酒に目薬を入れるなど手法は最初に抵抗をさせずに犯すという手口には使えるが、その後やっているうちに高い確率で覚醒する。
 それでは強い睡眠薬や弛緩剤、あるいは麻酔ならどうか。すでに古典となっている睡姦ドラマだとクロロホルムを使ったなどという手口もあるが、あれは劇薬だ。効き目に個人差がある以上、どのような薬品でも安全とはいえない。弱ければ覚醒する危険があり、強すぎれば重度の健康被害を与え、最悪には殺してしまう危険がある。
 安全だと確信しての犯行で、麻酔薬のアレルギーによる急性ショック死という悲惨なケースですら犯罪史には残っている。相手を殺す気でもなければ、強い薬品によるレイプは避けるべきだ。

 それでは完全な睡姦は無理なのだろうか。答えは否である。たとえば専門的知識を持つ麻酔医による手術麻酔は、国中の病院で毎日無数に行われているが医療事故は年単位でもほぼ数件である。知識を持って、相手の薬との相性を調べてからやれば、ほぼ安全に行える。
 問題点は面倒すぎるということ。ちょっと考えれば分かるが普通、そこまで面倒な手間をかけて女を犯す男はいない。俺は別に不自由してないから、レイプなどやらないが経験上、がっちりと身動きできないように身体を押さえ込んでやって二、三発殴ればたいていの人間は大人しく犯されるだろうというのはわかる。
 女がと、あえていうつもりはない。男でも、ガチムチのホモに抵抗できないように押さえつけられて暴力に晒されれば、自分がいかに弱い動物か理解するだろう。人間の心は身体以上に衝撃に脆い。

 そして、ただ俺の目の前に普通でない男がいたということなのだろう。

「お茶にあらかじめ入眠剤を入れておいた。姉妹のこれまでの行動から、寝る前に飲むのは九割以上の確率だが、もしだめなら宴は今度に持ち越しだね」
 あくまでも、余裕で彼はそのようなことを言う。
 やがて、姉妹は薬が入っているペットボトルのお茶を口にしてしまった。まるでストーカースナイパーの予言のとおりに動く悲劇の姉妹である。もちろん、これは一ヶ月近く監視して、行動を探っていた結果なのだろう。
 妹がふらふらと、先にベットに倒れこんで、すぐ姉がそれを追うようにして寝室に入っていった。テレビもつけっぱなしだ。
「さて、準備が整ったみたいだから私たちも行こうか」
 そういうと、彼に即されて私は隣の部屋に侵入した。一度マンションの廊下にでて隣の部屋に。万が一向こうの通路から見ている人がいたとしても、別に不審には思われなかっただろう。

 趣味のいい家具が並ぶリビングを抜けて、ベットに並ぶようにコテンと寝ている姉妹の部屋に。臆病な私は不用意に指紋を残さないようにと、細心の注意で動いていたのだが、ストーカースナイパーはそれをあざ笑うかのように、素手でリモコンを持ってつけっぱなしのテレビを消した。

「さてと……」
 彼は、どこから取り出したのかボンベがついたマスクのようなものを妹、そして姉に取り付けてシュっと嗅がせた。さらに、寝息が大人しいものに変わっていく。こっちは麻酔ということか。
「これで、最低三時間は何が起きても眠りから覚めることはない。私は妹の方を犯すけど、君には姉の方をあげてもいいよ。生で中出ししても、きちんと処理するからなんの問題もない」
 観守紗枝だったか、肉感的で魅力的な女性だ。女ざかりに入り始めた風呂上りの身体は、女の香りが匂いたつように感じる。薄絹を羽織って、無抵抗に寝そべっている肢体のラインが、俺を妙に興奮させて理性を狂わせる。
 それと同時に、これは餌だとも思う。一緒になって女を犯せば、俺はこの男の共犯になる。決定的な弱みを握られてしまうことにもなりかねない。
「さすがに躊躇するか、麻松くん。これは罠でも餌でもなくて、ご褒美を兼ねた、踏み絵のようなものだよ」
 すでに、妹を脱がせてその若い身体をまさぐりながら彼は言う。
「私の仕事には、優秀である以上に信頼できる男が必要でね。そういう関係を結ぶには共犯関係になるのが一番いい。君の律儀な仕事振りは、合格点だからね。あっ言い忘れたけど、ローションそこに置いておいたから濡れが悪かったら使ってね」
 この状況で、まったく緊張がなくて普通の会話をするストーカースナイパーに俺は思わず笑ってしまった。
 そうだ、彼ほど完璧な犯罪者が俺みたいな小物を嵌めたところで意味はない。普段している仕事より格段に実入りがいいから、俺は彼の仕事を手伝っているわけで、それはここで女を犯そうがどうしようが変わることはない。
 だったら、お零れをいただけるならいただいたほうが得というものだ。

 決心がつくと、俺はあえて乱暴に衣服を紗枝の剥ぎ取って、自らも裸になってベットの上に身を横たえた。肌が綺麗だ。若い女も、美人も、スタイルがいい女も抱くことはある。だが、それを兼ね備えた女を抱く機会は、おそらくこれが最初で最後だろう。
 そもそもが、この紗枝と俺では生活や人間としてのレベルが違いすぎるからな。抱く抱かない以前に接点というものがない。
 俺はどちらかといえば、セックスには淡白なほうだ。性欲がないわけではないが、行為に固執するつもりがない。愛情がなければ、女なんて暖かい肉の塊でしかない。だから、それなりに性欲のたぎりを感じて欲望の限りを尽くしてやろうと思っても、どこか心に冷めた部分があって、胸のうちであえぎ声をあげる女をまるで他人のように見ていたりする。セックスはそれなりに楽しいものだが、行為に没頭できないでいるのだ。

 完全に意識がない女を抱くのも、初めての経験だった。不感症のマグロ女とも違う。こっちの行動に、反応が鈍いわけではない。肉体的反応はあるのだが、こっちに抱かれているという意識がまったくない状態。
 異様だ、その異様さがまるで始めて女を抱いたときように、俺を夢中にさせた。濡れるかどうか心配だったが、ちゃんと肉体的反応を反応はあり、やや鈍いながら濡れてはいる。
 床に置いてあるローションを使うかどうか迷った。どうやるのかは知らないが、行為が終わったあとでなるべく元に戻さないといけないはずだ。万が一にも、身体を傷つけるわけにはいかない。俺はなぜかローションを使いたくなくて、本当に久しぶりに息を荒げるほどに必死になって愛撫し、クンニした。
「ハァハァ……これならいけそうだな」
 ふと、どうなっているか隣のベットを見るとすでにストーカースナイパーは妹のミコの足を抱くように絡めて、ピストンを開始しているところだった。あの小さい不恰好な身体で、実に器用に意識のない女を抱くものだ。手馴れているのだろう。
 こっちの視線に気がついたのか、ニッと笑うと「いいものだろう」といって彼はまた行為にもどった。まだ女子高生だというのに、あんな醜い男に妖怪じみたセックスを強要されて、顔をゆがめているミコが少し可哀想になったが、それで興奮が高まっている自分もいて、複雑な気持ちになった。

 やると決めたら、やりきってしまうべきだ。俺は自分の一物を、ぐったりとしている紗枝の身体にめり込ませていった。紗枝の中で、俺の一物が硬度を増して、ビクッビクッと脈打っているのを感じる。
 ここまでセックスでキタのは久しぶりだった。まるで、入れただけで射精してしまったかと疑うような強い滾り。股間に感じる力強さは増すばかりだ。まるで十代に戻ってしまったような、股間の奥底から滾る懐かしい熱を感じていた。
 ゆっくりと、紗枝の奥底まで入れて。ゆっくりと引く、そしてまたゆっくりと奥まで貫く。慣らすように、ピストンの速度をゆっくりと上げていく。目の前にある紗枝の顔が、曇って甘い吐息を吐き出したようだった。
 さっきのミコの顔を思い出して、やっぱり姉妹だから似ているなとは思う。それでも、紗枝のほうが美人で可愛らしい顔をしている。なにかこらえるような、困ったように顔をこわばらせている紗枝の表情を見ていると、興奮が極度に高まっていくのを感じた。
 俺はもう没頭した。紗枝の形のよい胸をもてあそび、腰を思うままに押さえつけて気持ちよくピストンして、首筋を味わい紗枝の口内をゆっくりと舌で味わい唾液を交換した。体位を変えて、何度かやるうちに高まりが限界に達したので、俺は正常位で抱くようにして紗枝の口内を舌で味わいながら、膣の奥底に亀頭をうずめて紗枝の子宮口めがけて一気に射精した。

 ドピュドピュドピュドピュドピュ!

 こんなに激しく射精したのは久しぶりだった。頭が真っ白になるような満足感。生で中に出していいのかとか、迷いは一切なかった。とにかく紗枝の身体をむさぼるのに必死だったから。
 ようやく、息を吐いて落ち着いて、少し恥ずかしくなった。別に倫理をどうこう言うつもりもとからはないが、三十過ぎて、若いころの滾るような性欲が衰えだしてきたのを、セックスに達観できるようになったのだと勘違いして半ば自慢げに思っていたのに。
 いい女を、こんな変態的なシチュエーションで自由にさせてもらえば興奮を抑えきれずに、十代のガキみたいに必死になってむさぼりつこうとする。
 俺も結局は、馬鹿な男だなと自嘲するわけだ。

 隣では、もっと馬鹿な男が必死になって若い身体をむさぼっていた。もう何度も射精したのだろう、接合部からは、泡だった精液と愛液の混合液がにじみ出てきている。それがジュブジュブっといやらしい音を立てて、さらに陶然としたいやらしい空気を漂わせてくる。
 馬鹿げたことを誰よりも必死にやれるのが、天才なのだとしたら。やはりこの目の前で女子高生を犯している醜男はやはり変態の天才なのだろう。
 俺はその突き抜けた馬鹿っぷりがうらやましくなって。それにはかなわないまでも、とことんまでやってやると、俺の紗枝に視線を戻した。
 意識を失いながら、何も分からずに知らない男に犯された眠り姫。少しずつオマンコから俺の精液を垂れ流しながら、やはり身体は感じているのか、女の香が強くなった紗枝の甘い体臭を吸い込み、また必死になって抱き始めるのだった。

 ドピュドピュドピュドピュドピュ!

 紗枝の口内を犯して一発、綺麗な顔にぶちまけてやった。そしてまたオマンコに一発決めてやった俺は、さすがに息を荒げていた。すでに時間はタイムリミットに近づいているのだろう。ストーカースナイパーはすでにミコを犯すのをやめて、後処理をしている。
「シーツの代えは用意してあるから心配いらないよ」
 そういいながら、ミコの接合部を器具のようなもので開いて中の精液を取り除いている。よくは知らないが、産婦人科で使うような器具なのだろう。いとも簡単に、クパッと子宮口までオマンコが開いて、中を綿のようなもので洗浄できるので驚いた。
「これでも、中の精液は完全には取れないんだけどね。まあ気がつかない程度に取れればいいから」
 仄かな兆候で気がついたとしても、生活を監視しているストーカースナイパーには対処法があるのだろう。どこまでも用意周到な変態であるのだから。
 さすがに膣洗浄までは技術がないので手伝えないが、濡れタオルで姉妹の身体を拭いたり、シーツを代えるのは俺も手伝った。
 最後に、ストーカースナイパーが取り出したスプレーをシュっとふりかけると。換気もしていないのに、室内に立ち込めていた湿るようなセックスの匂いが一瞬にして消えた。これで痕跡はなくなった。最近は、こんなものもあるのだと驚く。
 ラベルの貼っていないこのスプレーを見て、もしかしたら例の事件の犯人もこの消臭スプレーを使って、死体から立ち上る血の匂いと腐臭を消したのではないだろうかと思った。これなら警察も気がつかなくても不思議はない。

 完璧とはいえないまでも、元の状態にまでもどった二人。ややベットが寝崩れているぐらいが自然なのかもしれない。何も気がつかずに、安らかに寝息を立てている姉妹を見ていると、なぜだか奇妙な満足感を感じた。この男と一緒にいつまでもここにいると、俺も本格的な変態になってしまいそうだ。
 タンスなどを物色して、姉妹のパンツを眺めたりして、いつまでも居座ろうとするストーカースナイパーを即すようにして、早々に隣の部屋に戻るようにした。俺は彼よりも小心だから、いつまでも犯行現場に居たくないという気持ちもあったのだが、それよりも何かどんどん自分が変態の深みにはまるのが怖かった。

 彼の部屋に戻ってからも、チラチラと寝ている姉妹の盗撮映像を見ながら、なぜか興奮が冷めやらず帰って眠る気にもならず、出してもらったコーヒーを飲みながら彼と話し合った。
 彼は信頼を得るために、共犯関係になるのだといっていたが、同じ場所で女を抱くという行為は確かにその効果がある。
 前も今も、ストーカースナイパーは得体の知れない男だったが、いまは話していても親しみを感じる。金払いのいい雇い主というだけではない、仄かな友人のような親しみを感じてしまっている自分がいた。
 なぜか、彼は甘いものが好きでよく銘柄は知らないが高級そうな和菓子を出してくれる。甘すぎない羊羹の上品な口当たりが、興奮とセックスで疲れた身体と心を落ち着かせてくれる。コーヒーの渋みとも不思議とあった、そこらへんもきっと考えての組み合わせなのだろう。
 依頼主に客人のように扱われても、いまは居心地の悪さを感じないでも済む。

 それにしても、ずっと考えていたことなのだが、生で中出ししてしまって大丈夫だったのだろうか。避妊とかはちゃんとしているのかと聞いてみると、当然のようにしているわけがないと答えが返ってきた。
 そんな……たしかに俺もやってしまった後だから言い訳できないが、ストーカースナイパーの相手の観守ミコは高校生だったはずだ。その歳で望まない妊娠というのはあまりにも酷いのではないだろうか。そう問い正して見ると。

「むしろ、妊娠すればいいと思ってやってるよ」
 彼はそう平然と答えた。その声は変態的な自信に満ち溢れている。
 彼女たちには彼氏がいるはずだ。それが気がつかないうちに、どこのだれとも知らないおっさんの子供を妊娠させられるというのは、あんまりにも残酷じゃないだろうか。お前一緒にレイプしてから奇麗事をいうなよと、反論されたら黙らざる得ないと思いつつも、彼がどう答えるかが気になって聞いてみる。

「そうかな、彼氏の子供じゃなくても、誰の子供でもいいじゃないか。少子化が進む現代、新しい命が生まれるというのは望ましいことだと思うよ」
「それでも……子供が生まれてきたとして、あなたの遺伝子なわけですよね」
 醜悪なおっさんの遺伝子を受け継ぐとは、さすがにいえないが。
「遺伝子で子供の未来が決まるわけじゃない、生まれてくる子供たちは誰の子供でも無限の可能性を持っている」
 そう、目を輝かせて言ってくるのだ。本気とも思えないが、冗談とも思えなかった。きっと、彼氏がいないとしても、父親がいない子供が不幸になるとは限らないとか言ってくるのだろう。その境遇に陥れたのが自分と自覚している上で。偽善は最後の悪徳とはよくいったものだ。

 妊娠したとしても、堕児の可能性も示唆してみる。女子高生の望まない妊娠とか聞けば、そういう暗い未来しか見えないのだが。彼は真顔でこう言い放った。
「それなら、堕せなくしてしまえばいい」
 この男ならやりかねない。
 新しい命を生み出すという神聖なはずの行為が、場合によっては、殺人以上の残虐な醜悪さを持つこともあると始めて知った。

 俺は密かに、例の事件の鬼畜殺人鬼と、この男が一緒の部類ではないかと恐れていたのだが、俺の恐れはまったく的外れなものであると分かった。この男は、天才的性犯罪者は、例の事件の殺人鬼などより、もっと悪質でもっと性質が悪い男なのだ。向こう側なんて生易しいものではなくて、それはきっと鬼畜たちの住む、最悪と狂気のさらにさらに果てしなく向こう側に存在する。

 そこは俺の常識が及ばない、淫獣と怪物の楽園、異常と変態の極北なのだ。

 それは酷い。だが、まるで出来のいいホラー映画のように、なんと魅力のある世界なのだろう。俺の乾いて停滞した常識を、心地よく打ち払ってくれるような。
 そんな物思いにふけっていると、すでに締め切られた窓からも分かるほど、差し込む光は明るいものになっていた。
 目の前のストーカースナイパーがニンマリと気持ちが悪い笑いをする。
 盗撮映像から、姉妹が起きだして朝ごはんを作って食べている様子が見える。和気藹々と、まるで何事もなかったように。
「どうやら、気がつかなかったようだね」
「そのようですね」
 さすがに、俺も少し疲れてきた。たぶん気がつかないだろうと思っていたが、実際無事だったことを確認すると、やはり安心したのだろう。急に眠気が襲ってくる。
「我々も、朝ごはんにするかね」
 朝ごはんまで出してもらうのは、ちょっと遠慮がある。食欲もさほどない。
「いやあ、さすがにちょっと疲れましたから。喫茶店のモーニングにでも寄って帰って寝ますよ」
 次の仕事にかかるための、机の資料をまとめて鞄に詰めて、帰る支度をする。共犯関係になった以上、俺もさらに本腰を入れて彼の仕事を手伝わないといけない。少し怖い気もするが、彼のご褒美を、また楽しみにしている劣悪な俺もいるのだ。
 貧乏性なので、机のコーヒーをゆっくりと全部飲み終わってから勢いよく立ち上がる。「それでは、また定時報告に来ます」
 それに意味ありげな、笑いをするとストーカースナイパーはこう言った。
「そのときは、次のご褒美を期待していてくれたまえ」
 口では、偉そうな常識を騙っていても、俺の意地汚い劣情などお見通しなのだろう。まったく、偉大な変態様だよ、俺の依頼主は。
 ブラインドで締め切られた、薄暗いストーカースナイパーの部屋から、一歩外にでると早朝のまぶしい光が寝不足の俺を貫くようにして、少し足元がフラッっとする。彼の家の中と外ではまるで別世界。変態の世界から、まともな世界に戻ったのだ。
 さわやかな外の澄んだ朝の空気が、俺に理性を取り戻す。
「……しっかりしないとな」
 依頼主が変態でも、俺は仕事でやってるんだ。まともな世界に足を踏みしめて、生きていかなければ。気を取り直す。俺は変態じゃない、正常だ。

 足を踏みしめて、前に歩き出そうとすると、いきなりガチャっと目の前の扉が開いて俺は横に吹き飛ばされるようによろけた。
「うぁー」
 不意をつかれて、少し情けない声を上げて力なく膝をつく。扉からは、観守ミコが出てきた。黒を基調とした、女子高生らしいかわいい制服で、後ろに軽くまとめられた髪が揺れている。
「あー!! ごめんなさい! 大丈夫ですか!」
「だっ、大丈夫ですよ!」
 仕事柄、運動神経にはそれなりに自信がある。ちょっと不意をつかれただけだ。そうか、姉妹もさっきご飯を終えて出る準備をしていたものな。
 それでも廊下で、鉢合わせするとは思っていなかったので声が上ずってしまった。酷い罪悪感。当たり前だ、少し前に俺はあの変態と一緒に彼女たちを……。

「ほんとにごめんなさい、隣に住んでる人かな? あっ時間っ、遅刻! 大丈夫ですよね、すいませんです!」
 元気なものだ、慌てて駆けていった。呆然と見送っていると、扉から観守紗枝が出てきた。薄化粧で、口紅が輝くようで、さっき抱いたときもよかったが、こうみるとさらに魅力的な美人だ。
「妹が本当に、ごめんなさい……隣の方かしら」
「いえ……はい……」
 自分でも何を言っているのかよくわからない。ただ、俺の頭の中では昨日眠って意識を失っているこの女を、調子に乗って陵辱しきって何度も中だししてしまったということが、ただ頭をグルグルと。紗枝に、謝られるどころではない、本人を前にして酷い罪悪感に胸が痛む。むしろこっちがごめんなさいだよ。
 紗枝は、部屋の鍵を閉めて、身体は大丈夫かとか服は汚れなかったかとか、ひとしきりこちらを気遣うそぶりを見せた。
 俺がしどろもどろなのは、扉に頭をぶちつけたからだとでも思ったんだろう。
 妹の乱暴をひとしきり謝罪してもう一度頭を下げると、大丈夫を繰り返す俺に安心したのか、紗枝は可愛らしい笑みを浮かべて。ゆっくりと歩いていった。朝だから、紗枝もそんなに余裕があるわけではないのだろう。
 俺は昨日の夜、その艶のある裸体を曝け出して、俺の腕の中に居た紗枝がまるで夢のようだと思って。
 それを、頭の中で反芻しながら、静かに勃起していくのを感じていた。

 エレベーターに消える紗枝の形のよい尻を、呆然と見送った後。

 熱く滾って戻らない股間の一物。どうにも静まらない。初めて生で聞いた紗枝の優しげな声に、なぜか腰を打ち砕かれるような心地よい衝撃を感じていたからだ。
 そして、あの女のお腹の中には俺の精液がもう入っているのだ。子宮の中でいまも、俺の精子が泳ぎ回っているのだということに、たとえようのない満足に頬が緩むのを感じて。

 俺は気がついた。

 俺自身、もう戻れない向こう側に来てしまったのだということに。


「例の事件」完結 著作 ヤラナイカー


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ヤラナイカー

Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロの小説書きになりました。ちょっと忙しくなるので更新遅くなってます。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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