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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
第十三章「しんじられる」
 場所は、いつもの特進科の屋上。準備できるまでに、結構な時間がかかってしまった。その間に、幸助の覚悟も自ずから決まっていた。階段を駆け上がるように登っていくと、あの場所にはやはり、佐上ルシフィアの姿があった。
「貴方から私を呼ぶなんて……初めてですね」
「そうだな」
 幸助はもう無言で返さない、いまのルシフィアには”いわないと分からない”からだ。
「いよいよ、決着をつけようってことなんですか」
「これは、そういうことじゃない」
 幸助は、ルシフィアの肩を掴むようにしてにじり寄った。突然距離を詰められて、ルシフィアは焦ったように肩をつかまれた手を振り払おうとする。でもその力は、弱い。ただの女性の力でしかない、そう相手の行動を思考から先読みできないルシフィアの力はただのか弱い女の子でしかない。
 それなのに、ルシフィアは必死で手を押し返そうとしている。もう余裕の笑顔も、酷薄な笑みもそこにはなくて、まるで駄々をこねた子供ような怖い顔をする。彼女はこの瞬間気がついたのだ、自分の心を読む能力が完全に封じられていると。罠にはまったのは自分だと。
「いつから、いつから私の力を封じたんですか!」
「マサキが消えた日からだ」
「私は…………私に……読心力がなくても、貴方なんて簡単に……そう、簡単に、追い落とすことができるんです」
 そういって、ルシフィアは困惑した表情を隠すことすら出来ずに、それでも崩れる落ちそうな笑みを保とうとする。もはや、彼女は追い詰められていることに気がついてしまった。ブラフも使えない。
「俺だって、やろうと思えばいまのこの一瞬でお前を殺せる。でも、これは最初からそういうゲームじゃない」
「そんなのは!」
 自由なほうの手で、ルシフィアは殴りかかってきた。それを簡単に幸助は受け止める。解っていたが、その細い腕は……弱すぎる。
「お前こそ、いつまでこんなゲームを続けたら気が済む」
 掴まれた腕に、それでも精一杯の力を込めて、ルシフィアは身体を震わせるようにして幸助を睨みつける。その蒼く輝く瞳に力を込めても、それがどんなに綺麗でも、もう幸助にとっては、無力なただの小さな少女のものでしかない。幸助を押さえ込む力など、そこにはもう片鱗も存在しなかった。むしろ震えるルシフィアは、幸助の腕にすがり付いているようにしか見えない。
「私は、読心術がなければ……ただの女に過ぎないといいたいんですね。私を見くびらないで! そうだ、あなたを、あなたをいまここで殺してあげます!」
 そういうルシフィアの声色には、追い詰められた絶望がこもっていた。脅しにすらなっていない。こうやって自分の罠に誘い込んだ幸助が、ルシフィアに対する対策を取っていないわけもない。もはやルシフィアは、立ち尽くすしかないのだ。何重にも詰んでいることに気がつかされる屈辱。一歩下がるための逃げ場すらなかった。
「佐上の家にだって多少の力は……ここはうちの学園、ただの学生一人ぐらい、殺しても現行犯でなければもみ消せるのですよ」
 そうやって、幸助を睨みつける。幸助の瞳は微動だにせず、どんなに強く見つめても隙を見つけることができなかった。この人は、いつのまにかこんなに強い人になってしまったのかと、ルシフィアはまた諦めたように頭を伏せた。
「どうせ、そんなことやるつもりもないだろ」
「そうですよ、人を殺すなんて私には怖いです、それにもみ消してもらっても、そこで社会的に私は終わりですから。全部……全部……ああ、あなたの心が分かりません。こんな読めない会話は、私には怖い……」
「普通は、こうなんだよ。みんなこうやって相手の心が分からずに会話してるんだ」
 そうやって、肩を叩くようにして手をはずすと、少し離れて幸助は諭すようにいってやる。押し返そうとしていたルシフィアの手は、もうそれで力を失ってだらりと下がった。「相手の心が、分からないと私はなにを言っていいのか……すら」
「素直だな……もう少し虚勢を張ると思ったが」
「分からないですよ、あなたには……私がいま感じている恐怖も! 苦しみも!」
 弱々しく、よろめくようにしてルシフィアは、フェンスに手をついた。心が読めないだけで簡単に暗中に叩き込まれる彼女は弱々しい。それは生まれつき目が見えないものと、生まれて初めて視力を奪われた人間との違いだった。
 ルシフィアは闇に落ちたのだ。
 彼女にとって、人間というのは美しくも醜くも、全て見えているのが当たり前の存在で、それが見えないで相手と対峙するのは、その瞬間、その刹那が、まったく前の見えない霧の山道を百二十キロで暴走する車に乗せられてるみたいで。恐ろしい。
 まして、相手は時間停止能力者の幸助。
 次の瞬間、自分は断崖絶壁から落ちて死ぬかも。

 ルシフィアの憤りを言葉にするなら「なぜ私は、こんなに油断してしまったのだろう」ということだ。そうやって理由を問いただし続けて、自分を叱咤して奮い立て続けでもしなければ、この瞬間という恐怖に耐えられそうもなかった。
 読心術さえあれば、ルシフィアはいつでも安全圏にいた。相手がどんな人でも、人を超える鬼でも、神ですら、その悪意をあらかじめ見抜けるなら、どうとでも対処できるだけの力が彼女にはあった。だからこその絶対の余裕。
 それを失って、幸助の目の前にいるということは。次の瞬間ルシフィアは身体の自由を奪われ、むちゃくちゃに犯されているかもしれない。あるいはもっと恐ろしいことに、自分が死んでいることに気がつく暇も与えないで、死体の一片も残らずに切り刻まれて殺されているかもしれなかった。
 自分がいなくなれば、佐上家は幸助を疑う。それがルシフィアの打っていた布石。でも、幸助の時間停止能力は自分しか知らない。幸助の能力にだって、盲点や弱点があることを彼女は知っているのだが。だからこそ、その情報を持つ彼女を消してしまえば幸助は無敵だった。
 幸助に対抗するだけの拠り所として残しておいた、小さくてしっかりとした安全ロープを断ち切られてしまったのだ。万が一の安全綱もなしに、両手の力だけで断崖絶壁に張り付いているみたいなものだった。足はすくみ、身体はこわばって、もう登ることも降りることもできない。いっそのこと、風が……風がこの身を吹き飛ばしてくれれば、少なくとも終わりを迎えることで安心できるのに。こんなに怖くないのに。

「ルシフィア、お前は何が望みだ」
 ルシフィアは、本当に虚を突かれた質問をされた。それを言おうとしていたのは自分なのに、もう幸助の望みどおりにして。一思いに、そう彼女は思っていたのに。フェンスを掴んだ手に力を込めて立っているのは、最後の矜持だ。
「望みをいうのは、あなたのほうじゃないですか。見事に、あなたは勝ったのですから、私は何でも……」
「だから、そういうことじゃないっていってるだろ」
「なにが……すでに檻の中に放り込んだ獲物を、弄っていたぶって、そんなに楽しいのですかっ!」
「……お前は、読心術が使えないとほんとに物分りが悪くなるな」
 自分の意図を中々理解してくれない、ルシフィアに幸助は少し憤る。
「だって、ずっと私は、それだけを頼りにして……生きてきたのに……うっうう」
 ルシフィアはついに、泣き出してしまった。それに自分で気がついて、ルシフィアは深く羞恥を感じた。まるで、泣いて許してもらおうという馬鹿な子供みたいだった。こんな命乞いをするつもりはない、彼女にだって能力者としての誇りはあるのだ。視線をはずさずにキッと、幸助を見つめながら、それでも青い瞳から止めなく涙が零れ落ちた。
「泣くなよ……」
 こうして目の前にして見ると、泣いているルシフィアは小さな少女に過ぎなかった。男としては、身長が高くもない幸助が見下ろせるほどに小柄の少女。
 彼女は幸助にはよりかかってくれない、フェンスにしがみついてなんとか倒れないようにと踏ん張っているのだ。その姿が、口よりも能弁に彼女の心を語っているように幸助には思えた。
「もう一度聞くぞ、ルシフィアお前は何が欲しかった」
 幸助はさらに一歩、ルシフィアに歩み寄る。もはや身体が触れるほどに。一瞬、身体がビクッっと震えたがすでに抵抗はなかった。手を掴んで握る、振りほどくほどの力もない。何気ないことだが、ちゃんと雰囲気を読み取って、女性にこういうことができるようになったというのがたぶん幸助のささやかな成長。
 しばらくそのままにして、幸助は返答を待った。
「私は……わかってほしかったです」
 長いこと待った末の言葉が、分かって欲しかったということ。理解。分かり合えるということ。たくさんの人に囲まれながら、その力ゆえにルシフィアは孤独。もうそれは、孤独をいつも傍らにおいて、友達にしてしまえるほどの孤独。それは諦めにも似た、安らぎだった。
 そう、孤独を安らぎにして慣れてはいたけれど、それは望んだものではなかった。ルシフィアが望んだのは理解。することではなく、本当は理解されることをずっと望んでいた。それなのに、彼女はただただ人を理解することだけをずっと強いられていた。
 人は、人の心は、あまりにも醜い。
 耳を塞いでも、入り込んでくる人々の本心に汚され陵辱され汚染されて、心がまるで何種類もの濃い絵の具をまじ合わせたような、汚く粘つく黒色のドロドロとした悪意の極色に塗り染められて穢された。それでもう、いつしかそれに何も感じなくなった。
 それは、人の醜さから目をそむけることで、自らの醜さからも目をそむけていたのかもしれない。
「辛かったんだな……」
 そういって、幸助はルシフィアの手を引き寄せて、そっと抱き寄せる。彼女はほんの少しだけ身じろぎして、そして幸助の胸で泣いた。こんなに素直に泣くことが出来たと本人が驚くぐらいに。

 まことに絵になる格好だった。幸助の容姿レベルが少し釣り合ってない気もするが、素直になったルシフィアは可愛かったし、幸助も悪い気はしない。でもこの間も幸助の頭は状況に酔うことなく、フル回転でルシフィアの心を理解して、読み取ろうとしていた。
(おおむね、うまくいった……できすぎたぐらいだ)
 幸助は、そうこっそりと心の中でほくそえむ。人は自分を理解してほしい、分かってほしい。それはルシフィアもいっしょだった。だが、理解は善意だろうか。そうではない、理解は悪意の現われでもある。ルシフィアがそうしたように、人の心を完全に理解するということは、その人を手中に収めていいように操るということでもある。
 心が読めなくなったルシフィアを落とすのは、予想通り赤子の手を捻るように簡単だった。読心術を使い、人の願望を読み取っていいように操っていた少女が、その力を使えない幸助の前では、まるで子供のように落ちる。これはこれで、面白いものだった。
 このまま、この人々の醜い心を汚されてなお、美しい少女を綺麗に落としてやってもいいのだが、それをやらないのが幸助でもある。

「……私は、同じ能力者のあなたなら、いいと思っていました」
 しばらくして泣き止んだルシフィアは、まるで、心の奥をさらけ出すように話し続けていた。涙が、頑なな心を流しきってしまったように。
 ルシフィアのことだ、本当はもっと上品なやり方で、もっともっとうまくことを運ぶつもりだったのだろう。それでも、結果が一緒ならば構わないということなのだ。
「そうか」
 ただ、それだけいって幸助はルシフィアの綺麗な髪を梳くようにして撫でてやる。それは、せっかく胸の奥から言葉を吐き出しているのだから、余計なことは言わないほうがいいという幸助のずるい計算でもあったけれど、たぶん自分が理解していることで正しいと幸助は考えて。
「私は、あなたにも能力者としての孤独を感じて欲しかった。私は酷い女です、同じ地獄に落ちてあなたも私と一緒になってほしいと思っていました」
「うん」
 そんなことを思っていたのかと本当は幸助は意外だったのだが。そうして、幸助のこれまでの道のりは、地獄というよりはむしろ極楽めいた道行きだったのだが。
「こんな私を、あなたは受け入れてくれるんですね……ああっ」
 そういって、頭をさらに強く幸助の胸に預ける。最後、聞いたんじゃなくて断定だった。そういう危うさに気づくほど、今の幸助に鋭さはない。
 結局、ルシフィアは特殊能力のある自分と他人に線引きしていて、それが彼女の孤独の檻を作っていたのだ。
 優れた自分を自認することは、劣っていることと同じように人を孤独にするもの。
 幸助が同じ能力者として、その内側に入ってきただけ。だから、ルシフィアは幸助に理想を投影している。初めての対等な他者を感じて、それだけでもう満ち足りている。それは、幸助にとって都合のいいことだから「うん」と頷いてやるが、本当は少し怖いことでもあるのだが、今の幸助にはわからない。もしかしたら、何かの拍子にルシフィアのいう『地獄』が見えるかもしれない。
 そうして、ルシフィアは初めて満ち足りたようにまた「ああっ……」と声をあげた。強く強く幸助を抱きしめていた。
 それは幸助が求めたからではなくて、ただ彼女がそれを自分に許したからだったのかもしれない。
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Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロの小説書きになりました。ちょっと忙しくなるので更新遅くなってます。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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