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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
終章「かわらぬこころ」
 いつもルシフィアと話していた屋上、そこに幸助は斎藤美世を呼び出した。美世は、やや活発すぎるところはあるが、普通の女の子だ。ルシフィアのように眉目秀麗でもなく、山本佐知のような健康美もなく、松井菜摘のような豊麗な肉付きがあるわけでもない。ちょっと綺麗で、ちょっと可愛くて、ただほんの少し距離が近かっただけ。
 そう冷静に分析する理性は幸助にはある。だが、そんなものを含めて世界を覆いつくすぐらいに幸助は美世が好きだった。この気持ちって、もうどうしようもないものだった。幸助は、力を得て性的な満足をたっぷりと味わうことができた。こんな幸運を得た高校生というのは、もしかすると世界で一人かもしれないと思考して、でもそんな僥倖と比べてもなおそれ以上に嬉しいこと。
 それが、そういう成長を通して「美世に告白できる」踏ん切りをつけることができたということなのだ。

 ありふれた恋愛と、無限の可能性を持つ力。それを天秤にかけて、恋愛を取る幸助はやはり普通の高校生だったということなのかもしれない。だが、それのどこが悪いのだろう。

 呼び出した美世は、屋上のフェンスの前で待っていた。偶然なのだろうが、それはいつもルシフィアが立っていた位置で、それにシニカルなユーモアを感じて、少し幸助は頬が緩む。
 たぶん、偶然というものはない。それも数奇というものなのだと、今の幸助は考える余裕があった。これから、好きな女の子に生まれて初めて告白するというのに、四肢に力は満ちて、本当に心の底からリラックスしていた。
 目の前で、幸助を見て美世はニッコリと微笑んでいる。これはうまくいくという確信があった。
「斎藤、あのさ……」
「うん」
「俺、お前のことが好きだ。付き合ってください!」
 何の衒いもない。単純な言葉でいいと思った。自信はあっても、それでも美世が黙り込んで考え込むような数瞬が、永遠にも感じられるほどに幸助は長く感じた。そうして、うつむいた美世が発した言葉は幸助の望んだ答えではなかった。
「幸助くん変わったよね……」
「ん、ああっ……自分でもそう思う」
 幸助はそこで、始めて焦った。美世の意図が読めなかった。ぼくが変わったからなんだっていうんだ、よく変わったならそれは成長だから、いいことじゃないのか。そして、なぜ答えの代わりに、それがいま言われるのかという困惑、不安。
「私さ……」
 美世は言葉をかみ締めるように、間を置く。
「前の幸助くんが好きだったんだよね」
 幸助は、美世の言葉が理解できなかった。前の、情けない、ただの俺が、好きだったってことか。そして、今は好きじゃないと。それはつまり。もう駄目ってことか。
 幸助は絶句する。ただ、立ち尽くした。そんな幸助の様子を楽しむように見ながら、残酷に美世は続ける。
「ほら、こんなこといったら幸助くんに悪いと思うんだけど、友達いなかったじゃん。幸助くん私しか友達いなかったよね」
「うん……」
「私、そういう人が好きなんだよね。自分がこういう性格だからかな。幸助くんと近くにいて話してると落ち着くっていうか、あーこの人と親しくしてるの自分だけだなと思うとすごく安心する。ちょっと酷いけど、私はそんな感じ……」
 幸助はもう気持ちがガクンと落ちてしまって、相槌も打てないでいる。
「だからさ、最近。幸助くん、私のことほったらかしだったよね。すぐ帰っちゃうし、他の娘ばっか見て相手してくれないし。ああいう寂しいのは……駄目なんだよ」
 この場所から、幸助は去りたかったけど走り去る気力すらなかった。これまでの全ての幸助の頑張りが、この結果ということで……こんなことなら時間停止の力なんてなければよかったのに。半ば真剣に幸助はそう思った。だが、過ぎ去ったときは取り戻せない。
 幸助はただ力もなく、その絶望を受け入れていた。
「だからさぁ……って、もう! なんだよその酷い顔」
 ガッと幸助は乱暴に肩を掴まれた。
「うぁ!!」
 幸助の四肢からは力が抜け切っているというのに、美世の相変わらず遠慮がない一撃で思わず転びそうになる。
「もうやだ、そんな顔しないでよ。私がイジメてるみたいじゃない!」
「いやっ、イジメてる……だろ!」
 いきなり身体を振るわれて、愕然とする幸助の息がかかるぐらいの距離に美世はいる。拒絶されているのに、ドキドキしてしまう自分が情けなくて悲しかった。
「あーもう、泣くな馬鹿!」
「泣いてな……んっ!」
 そういって、顔を真っ赤にして反応してしまった幸助は、美世に抱きしめられた。ほんの少しだけ豊かな胸に抱かれて、幸助は思わず息が詰まる。
「私の立てたシナリオでは、誰にも相手されなくてどうしようもない幸助くんを、しょうがなく貰ってあげるという」
「んっ……それ酷すぎるだろ!」
「あはははっ」
 美世は、強引に幸助を抱き寄せ、高らかに笑った。明らかに、幸助は弄ばれているのに、不思議と悪い気持ちはしなかった。ただ、安らかなのだ。それは、幸助の到達点。
「斎藤……」
「いいよ、いまのいい顔見て十分仕返ししたから……付き合ってあげるよ」
 幸助は、万感の思いで声が出なかった。そして、声の変わりに涙がでた。本当に、泣いているのが分かっていても、美世は今度は笑わなかった。
「あと……変わったんなら、いい加減、私のこと名前で呼びなよ」
「美世……」
「よし! ……でも呼びつけは早いんじゃないかな。そうだなあ、とりあえず美世様と呼びなさい」
 結局、成長してもどんなに強くなっても、どうしようもなく美世が好きな幸助は、美世の手の中で踊っていたようなもので、それでもそれがこんなにも心地よいと思えるのなら、幸せならば。
 幸助は、しばらく美世の胸の中でつかの間の永遠を楽しむのだった。

 そんな二人の様子を、こっそりと伺っている金髪少女がいた。ルシフィアだった、そうしてその後ろにはマサキも隠れて見ている。幸助が美世に告白するという話を聞いて、気になって見に来たのだが、マサキは少し不満げな顔である。彼には、友人の決着の付け方が少し納得いかなかった。
 それなのに、幸助を好きなはずのルシフィアが、やけにすっきりした表情で様子を見ているので、マサキは意外に思って声をかけた。
「いいのか、幸助くんを取られて」
「フフッ……取られて嫉妬してるのは、あなたではないんですか」
「なっ……ぼくはホモじゃねえぇ!」
 揺さぶってやったつもりが、ルシフィアは余裕で、ひどい冗談を言ってくるのでマサキは思わず声を荒げてしまう。心が読まれなくなっても、やはりこの金髪娘は、底が知れない。見ているとたまに怖気がする。マサキは金髪美少女を見ると、優しくて、それでいてとっても怖い師匠をつい思い出してしまうので、ちょっと苦手でもあるのだ。やはり女は国産に限ると友人にも強く勧めたい。
「声が大きいですよ……」
「すまん……だが正直なところぼくにも、いまさらあんな薄い恋愛ごっこをやる彼の気持ちが分からんのだが」
「闇に飲まれてしまった邪悪で可哀想な人間には絶対わからないでしょうね。幸助さんは泥にまみれてもなお、高貴で純粋なのです。あの人は、自分の獣の部分と人間の部分を分離することで、自分の中に大事なものをきっちり守ってる人ですから」
「それが分かっていて、嫉妬せずに満足しているお前の気持ちもわからんな」
 マサキは、それが疑問だった。しばらく黙っていたルシフィアだったが、口を開く。

「……説明する義理もないんですが、いいでしょう教えて差し上げます。あの美世さんが幸助さんの何を知ってますか?」
「なにって、一年以上の付き合いなんだから、お前よりはよっぽど親しいだろう」
「幸助さんは、すでに能力者として覚醒しています。その裏を知らないで、恋愛ごっこをやっているだけの彼女なら、問題にならないですよ」
「……そういうことか」
「そう、ようやく察しましたか。幸助さんの裏も表も知っていて、なお付き合っているのは私だけなんです。ねっ、嫉妬なんてする必要ないでしょう?」
 そういって、ルシフィアは心底満足げに笑った。それは理屈ではそうだが、感情は違うはずだろう。なぜ、そんな顔で笑えるのかマサキには理解できない。
「あー怖い怖い、こんな鬼女のいる特進科なんかに長居したくない、ぼくはもう帰るからな」
 そういって、マサキは縄梯子を降りていく。そんなマサキを気にせずに、ルシフィアはなおも飽きずに美世と抱き合っている幸助を見つめていた。きっと、それは心からの笑顔のままなのであろう。だが、その背中から感じる凄みは、マサキの背筋を寒くさせる。
 まったく、この女の情念はマサキには理解しがたいほど深くて恐ろしい。ヘタに覗き込んだりしたら掴まれて谷底に引きずり込まれてしまうのではないか。
 だいたいルシフィアは、別に幸助に隷属したわけではないはずだ。同じ能力者としては二人はいまでも対等の関係にある。それなのに、あれだけいいようにされて、なおも平気な顔で幸助を愛せるルシフィアの気持ちは、マサキには絶対に理解できなかった。あんな怖い女の手綱も握らずに、手元おいて安心している友人の気持ちも解らない。

 それが幸助のいう理解だというのなら、きっと幸助くんは、ぼくを乗り越えて成長していったのだなと考えてようやく、マサキはようやくこの結末に少し納得できた気がした。マサキに幸助の至った高みが理解できなくても、それは当たり前だ。人がそれぞれ違うように、その力のありようは違って当然なのだから。理解できなくても、友達を信じることはできる。
 そうなら、もはやマサキは特進科には来る必要もないだろう。学園のこっち側は、もう幸助のための学園となったのだから。そうして、マサキは幸助のためだけでなく、彼の幸せな楽園が長く続くことを……深く祈る。
 なぜなら、それこそがマサキと幸助の、友情の証にもなるのだから。

 停止の学園 終了 著作ヤラナイカー
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Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロの小説書きになりました。ちょっと忙しくなるので更新遅くなってます。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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