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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
終章「変化する想い」
 繰り返し続くまぐあいの果てで、汐崎未央は懐妊した。

 大きくなるお腹を抱えた未央の隣には秋人が居る。
 もはや、未央が目隠しをすることもない。

 秋人は、未央に姿を見られることを許したのだろうか。
 それは、そうではなかったのだ。
 ある朝起きると、秋人は透視能力とテレポート能力を失っていた。
 そうして、その代わりにその身体を透明にする能力が付加されていた。
 だから、秋人は未央の隣に居続けることができる。
 失った力と、得た力。失ったものと、新しく得たもの。
 秋人は、変化した自分の能力に満足した。

――――

 そうして私は「根源からの能力は想いによって変化する」という一つの実証を得られて満足する。

 こんな昔話を、私は知っている。
 盲目の少女と、彼女に付き従う化け物のように醜い少年の物語。
 少年は、不思議の力を手に入れ、少女の目を癒すと同時に姿を消そうとした。
 自らの醜い姿を見られるのが忍びなかったのだ。たとえ優しい少女といえど、いやだからこそ少年は自らの姿を少女に見られたくなかった。
 少女はそれを悟り、消えないでくれと少年に懇願した。

 少年は去る代わりに、不思議の力で自らの身を透明人間にした。
 こうして、しばらく少女と少年は幸せに暮らした。

 ある日少女は、少年の姿を見たいと願った。
 それがどれほど醜く、おぞましい姿であったとしても、大丈夫だと思った。
 だからそっと少年に気づかれぬように、少女は覗き見た。
 化け物のように醜い少年の姿を。不思議の力を使って。

 そのあとで何が起こったのかは誰にも分からない。
 ただ、そこには二人の死体が転がっていて、手紙が一枚落ちていた。
 少女の字で「全てを焼いてください」と。

 二人の死体は、彼らがつかの間の幸せを暮らした家と共に焼かれ。
 あとには、何も残らなかった。

 バッドエンドか、ハッピーエンドか、それは聞く人が勝手に決めればいい。
 私はこの話を知っても、なんとも思わなかった。
 こんなありふれた昔話を、悲しいと思う情緒など、私には元から存在しない。

 人にあらざる力を行使したものの末路は、たいていが悲惨な結果に終わる。
 御影秋人の物語は、どういう結末に終わるのだろうか。
 データを取り終えた今になっては、もはや彼は用済み。
 彼の結末が、悲劇か、喜劇か、そんなことに、私は興味もないのだが――ただ。
 ありふれた悲劇を繰り返すだけが人の生涯なら、それは興ざめもいいところだ。

 ふうむ――

 川原にたった一人で座っているころの秋人に比べれば、未央と一緒に寄り添っている秋人のほうが幸せそうに見える。たとえ、彼の姿が彼女に映らないとしても――。
 だから、私は一つだけ祝福の言葉をかけてやろう。
 秋人『抗え』
 受けるべき報いが目の前にあるとしても、それでも共に生きることを望むならば、大事なものを失いたくないと願うならば、足掻け、足掻け、足掻け。
 それが敬虔な信者の祈りに似た、ただの徒労に終わるかもしれない愚かな努力であると知ってなお。
 それでも『運命に抗い続けるのだ』
 その先にしか、お前の望むものは手に入らないのだから。

――――

「どうしたんですか……」
 そんな未央の言葉に、秋人は我にかえったようにハッとした。
 握っている手の様子で判断するのだろうか。透明人間になった秋人の様子の変化を未央はまるで目に見えるように敏感に察知する。
「いや……そこで、誰か私を見ていたような気がしたんだが」
 金色の髪をした女の子が、淡い碧眼で秋人を見つめているような気がした。
「見ていたって、貴方の姿が見えるわけがないじゃないですか」
 そのとおりだ。秋人の身体は透明なのだから。
「そうなんだけど……あと声が聞こえたな」
「なんていってたんですか」
 未央は面白い冗談に返すように、戯れに聞き返す。
「えっと、運命に抗えって、言っていたよ」
「抗え……不思議な話ですね」
 やはり冗談と受け止めたのか、未央は軽く笑った。

 身重の未央の身体を気遣うように支えて、川原の土手を登っていきながら、秋人は振り返って少女が見えた虚空に一言、声を返す。
「わかっているよ」
 そこには誰も居ないはずなのに、秋人の耳にはちゃんと返答が帰ってきた。

「わかっているならば――善い」


「視姦者の穴」完結 著作ヤラナイカー
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Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロの小説書きになりました。ちょっと忙しくなるので更新遅くなってます。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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