| 第一章「梶井素子 壱」 |
まず、最初のターゲットに正夫が思いついたのが、梶井素子(二十一歳大学生)だった。自分と同じ一階に住んでいるし、あの清楚さを感じさせる大人しげの容姿とは、アンバランスな巨乳アイドルのようなオッパイは弄びたい度ナンバーワンだ。 このマンションで、数少ない正夫を見ても嫌悪の目線を送ってこない優しい女性。遊び歩いていることが少ないので、夜の今の時間なら必ず部屋にいるはずだった。一人暮らしなのも好都合。 一階の管理人室から外に出る、高級マンション特有のひんやりとした空気。食事も宅配させて部屋に閉じこもりぎみだったので、外にでるのは久しぶりのような気がする。すぐさま、チャイムを鳴らす。 「はーい」どたどたと、スリッパの音を立てながら素子が出てくる。室内からは、カレーの香りが漂ってきている。どうやら夕食どきだったようだ。 「あらー、誰かと思ったら管理人さんですか、何かご用でしょうか」 この高級マンションで数少ない管理人である自分を認識している人物の一人である。まったくもって普通の反応。本当に、催眠効果が出ているのか不安になる。ええい、自分の臆病者が恨めしい、こんなときのために催眠術マニュアルを熟読して来たんじゃないかと気合をいれる。 「どうしたんですか」 目の前で、汗をかいたり不安げに顔色を白黒させたりしている正夫に、素子も困惑した様子だった。 「もしかして、ご気分が悪いんでしょうか……でしたら」 「いえ、大丈夫です。大丈夫」 慌てて、手を振り上げて元気さをアピールする正夫。すでに、困惑は心配に変わってしまったようだ。素子は「大丈夫なのこの人?」という顔をしてすっかり困っている。「えー、素子さん。ぼくは管理人ですよね」 「ええ、そうですね。それがなにか」 何を当然のことを言い出すのだろうこの人は。 「ぼくは、管理人ですからあなたの生活も管理する必要があります、わかりますか」 「はあ……そうですね」 「そこで、あなたを管理するためにご協力いただきたいのですが」 「協力……ですか」 「そうです、ぼくは管理人としての義務と責任があります。あなたを管理するために、あなたの協力が必要なんです。ご協力いただけますか」 「ええ……まあ、いいですけど」 「じゃ、とりあえずあなたの部屋にあがらせてください。中でゆっくり話をしましょう」 「ええと……はい、いいですよ」 とりあえず、中に入ることには成功した。 「夕食は、カレーですか」 「ええ……」 「私も一緒に食べていいですかね」 「えー、管理人さんもですか……」 いきなりの無遠慮な物言いに、驚く素子。 「味を調べるのも、管理人の仕事なんです」 そう、自信をもって言い切ってみる。 「そうなんですかー、じゃどうせ一人分としては、多く作りすぎたとも思いましたので……どうぞ」 そういいながら、正夫の分もカレーを出してくれる。すこしだが、シーザーサラダもついてきた。わりと、自分で料理したりするんだなあ。いいところのお嬢様なのに、などと暗記している素子のデータを思い起こしながらカレーを食う。 それにしても、いいおっぱいだな。巨乳……いやあのアンダーシャツを猛烈な勢いで押し上げて見えている反則的な谷間は、爆乳という称号こそ相応しい。 「どうしたんですか、じっと見つめられると何か困るんですけど……」 もじもじと、身体をくねらせる素子。その仕草がまた魅惑的だ。 「あなたをよく観察することも、管理人として必要なんです。どうぞ、ぼくの視線は気にしないでください」 そういうものなんですかと、とりあえず落ち着きを取り戻す素子。それは、あくまでもそ知らぬふりを装っているようで、実は気にしているという風でもある。危険がない程度に、自分が建物の中で発しているはずの暗示の力をまず調べないと。それに、食事を終えて満腹したのだから、違う欲求の方も満たしたい。たっぷりと時間をかけて、食後のコーヒーまでいただくとさっそくとばかりに正夫は話はじめた。 「……というわけで、まず管理人の仕事になんでも協力すると約束してほしいのです」「わかりました、約束します」 素子がよく考えないままに、約束させてしまう。 「じゃ、さっそくですが服を全部脱いでください」 「えー、ええー!!」 これができなければ、催眠の力とやらも使えないということだ。さらに、正夫は駄目押しで「さっき、なんでもするって約束しましたよね」と駄目押ししてみた。 「それはー、そうですけど……下着だけ残してはいけませんか」 おお、脱いでくれるのかという喜びは隠して真面目な顔で言う。 「いや、管理の仕事に必要ですから全部お願いします」 「はい……」 そういって、素子は洋服に手をかけうえから脱ぎ始めた。もともと部屋着で、そんなに着ていないから、すぐ脱げてしまう。ブラに手をかけるとき、すがるような眼で正夫を見たが、「お願いします」と駄目押しされて、ブラジャーも外す。 「おお……」 何カップだろうか、みごとな豊乳が顕わになった。そして、下着にも手をかけてすっと降ろすと、素子は一糸まとわぬ裸体となった。 「これでー、いいですか」 もう泣きそうである。 「胸と股間から、手をどけてください」 「あのー、いやらしい眼で見てないですか。管理のお仕事なんですよね」 そう素子から逆襲される。なんか、自分がイメージしていた催眠術ほど従順じゃないなあと思いつつ、もちろんですよ!と真面目な顔をして見せて、手を広げさせる。いい、素晴らしい。圧倒的なボリュームを誇りながらも、決して垂れてはいない。おとなしげな服装なので目立たなかったが、ここまでの爆乳を隠し持っていたとは。手で隠すことも許されずに、身体をくねらせている素子に思わず聞いてみる。 「えっと、素子さん何カップですか」 「えー、それも管理人のお仕事に」 「ぼくが、いうことは全て管理人の仕事です」 「えっとー、一応ブラのサイズはJカップになってます」 「おお、それは……FGHIJ……すごい。最近はそんなブラがあるんですね」 「可愛いのが無いから特注なんです。あのーもういいですか、裸のままでいるのは恥かしいし、ちょっと寒いかなと思い出してきたし」 なんとかして、服を着たいようだ。 「それはいけませんね、暖房をかけましょう。ぽちっとな」 暖房をかける正夫。それにしても、いまどき「ぽちっとな」は、ないだろう。 「あの、それじゃ管理人さんが暑くないですか。やっぱり私が服を着たほうが」 「いや、大丈夫ですよ。ぼくも服を脱ぎますから」 そういって、すらすらと服を脱いでいく。 「ちょっと、やめでください。脱がないで、きゃー!」 素っ裸になってしまった正夫の前に、素子は目を手で覆ってしゃがみこんでしまう。「あー素子さん、目をあけてください。これも仕事に必要なんですよ」 「えー、でも。裸になることがなんで」 「お互いに、裸になることが管理の仕事に必要なんです。さ、立ってください」 いやいや、素子は立ち上がったが、目の前の肌が汚らしいデブオタの肢体やその中央下腹部に屹立している、男根などを見ないようにしている風でありながら、視線の端には捉えているようだ。 「なんで……そのなんであそこが勃起してるんですか……やっぱり仕事じゃないんじゃないですか。いやらしい眼で……見てるんじゃないですか」 そうやって非難げな眼で睨みながら、泣きそうに震えている。どさくさにまぎれて、手でまた胸を隠そうとしたので注意したところだ。 「この勃起したものも、必要なんですよ。目を背けないで見てください」 薄汚いデブオタにしては、分不相応に立派なマグナムを正夫は、裸の素子に突きつけて見ることを強要した。 「そんな……変なにおいがしますからあまり近づかせないでください」 そういえば、風呂に最近入ってなかったなあと思う正夫、まさに股間からは例のイカ臭い匂いが漂っている。童貞特有の恥垢もたっぷりと付着している。 「近づかせないわけにはいかないですよ、ぼくはこれからあなたを抱くんだから」 そういって、正夫は一歩一歩近づいてく。 「きゃー抱くって、どういうことですか!」 「文字通りの意味ですよ、抱きつくってことです」 そういって、正夫は素子に抱きつく。反射的に、拒絶されたが「仕事仕事」と耳元で囁いて、抵抗力を奪う。若干チビの正夫に比べて、もともとスポーツもしていてガタイの良い素子は長身である。顔を近づけると、見上げるような形になるのが正夫は気に入らない。 「すこし、顔を下げてくれませんか……そうだ、素子さん。キスしてください」 「き、キス……そんなことできません。勘弁してください!」 抱きついてきた、正夫を振りほどくことも出来ずに、ただ顔だけ背けて抵抗。 「これも、仕事に必要なんです。なんでも協力するっていったでしょ、さあぼくがしますから、口を開けてください。そうそのままでいてね」 そういって、正夫は嫌がる素子のやわらかそうな唇に吸い付いていった。素子の口内は、さっき食べたカレーの味がした。舌を絡めつつチュパチュパと執拗に吸い上げていくと、ほのかに素子の味が正夫の口内に移っていく。素子は逆に、キモオタの唾液を注ぎ込まれている嫌悪感に気が遠くなっていった。
|
|
|
|