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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
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後日談18「完全なるハロウィン」
 十月三十一日、こうしてまた日は昇り、ハロウィンの日がやってきます。
 正志は、独り部屋で新しいカボチャマスクの具合を確かめます。
「いい出来だ、我ながら会心の出来栄えだな」
 昨晩の夜遅くまでかかって完成させた、新しいマスクです。
 よっぽど出来に満足が行ったのか、マントまで付けて変なポーズを取って悦に浸っています。
「クックックッ……我こそはジャック・オー・ランタン。ハロウィンの夜に彷徨うファントム」
 あーどうやら、わかりにくいですが「オペラ座の怪人」のモノマネをやっているみたいですね。バカはしばらく放っておきましょう。
 正志が、去年作ったカボチャは、まだ深谷家のリビングに飾ってあります。一番最初のカボチャマスクは古びて壊れてしまったのですが、二番目のカボチャマスクは製造技術の向上から一年経ってもまだ綺麗に残っています(きちんと防腐処理をやっていたんですね)。
 それを回収せずに、わざわざこうして新しいカボチャマスクを用意したのは、茉莉香の安産のお守りだからです。
 もうしばらく、茉莉香の第二子の出産予定日の年末まで深谷家のリビングに鎮座させておくつもりのようです。

 今年も子ども会では、ハロウィンイベントが開かれるはずです。
 もちろん独身者の正志は招かれざる客ですから、イベントに参加することはありませんが、そっとカーテンの内側から様子を伺います。
 ハロウィンイベントの動向をきちんと確認しておくことは、正志がハロウィンの夜に暗躍する助けになるからです。
 新マスク装着の興奮冷めやらない正志は、ちょっと気が早いですがマンションの外に出てしまいました。マンションの住人は、ほとんどがイベントの方に行ってるのですから、逆に出歩いても問題ないと言えるのです。
 カボチャマスクを被り、黒いマントを翻しながら、ちょっとした予行練習といったところです。
 不意に通路を見ると、マンションの目の前に銀灰色の猫が居ました。こんな高層階まで猫が入ってくるなんて珍しい。
「どっかで見たことがある猫だな」
 銀灰色の猫は、正志を見上げるとニャ~ンと鳴きました。
 その黄金色の瞳に思わず魅せられて、猫が階段を駆け下りていくのを、思わず追ってしまいます。
 猫は悠然とした足取りで、踊り場で正志を振り返って止まったりします。犬じゃあるまいし、まさか着いて来いと言っているわけでもないでしょうが、からかわれているのかもしれませんね。
 知らない猫に不審者そのモノの正志が近寄っても、その柔らかそうな鬣に触れさせてくれるとは思えませんが、つい追ってしまいます。
 あの滑らかな猫の背をひと撫ででもできればいいのに、正志は手を伸ばします。

「あーオジサン、こんなところにいた」
 真那ちゃんが、カボチャマスクを被った正志を見つけて声をかけました。
「いや、真奈ちゃん。オジサンじゃなくて、お兄さんでしょ……」
「はいはい、正志お兄さんちょっと来てくれるかな」
 真那ちゃんに腕を掴まれてしまいました。
「お兄さんでもなくて。今の俺はジャック・オー・ランタンなんだけど。ほらこのカボチャ頭を見れば分かるでしょう」
 真那ちゃんに捕まった正志は、ちょっと困ってしまいました。
 猫を追ううちに、ずいぶんと低層階まで降りてきてしまったようです。
 イベントの人たちに見つかると、マズいです。なにせ今の正志は完全に不審者ですから。
「そういうハロウィンの仮装なんでしょ」
 あたふた慌てている正志を、腕を掴んだまま真那ちゃんが見上げています。
「仮装っていうか、俺は本物なんだけど」
 まだ言っていると、正志を呆れたように真那ちゃんはため息をつきました。
 こういうときはどっちが子供だかわかりません。
「もう、つまんない冗談いいよ正志お兄さん。それより、お母さんたちが呼んでるからこっちきてよ」
「えっ、いやちょっと待って、お兄さんって呼んでくれるのは嬉しいけどさ」
「待たないよ」
 今の正志はジャック・オー・ランタンなのです。
 それなのに正志はそのまま、子ども会がハロウィンパーティーの準備をしている広場まで引きずられてしまいます。
 真那ちゃんが正志を引く手は、なぜか正志に逆らえないほどの強い力を感じました。

 正志は、真那ちゃんと一緒に歩いているところを他の人に見つかると本当にマズいのにどうしようと思います。
 ハロウィンの魔術で何とか切り抜けられるでしょうか、正志がそんなことを思案しているうちにマンションの庭園までやってきてしまいました。
 魔女やお化けの扮装をした子供たち、箱詰めしてあるお菓子を配るお母さんたち。正志と同じカボチャ頭の格好をした子供もいます。
(これなら目立たないかな)
 この期に及んでそんなことを考えている正志ものんきですね。ハロウィンは子供のためのフェスティバルなのですから、大の大人なのにカボチャを冠っている正志は目立つにきまっています。
 図々しい正志も、さすがにこれは紛れてるなんて過信できませんでした。マンションの子ども会の人たちの目がみんな自分の方に向いている気がします。
 まるでダンゴムシが石の下から無理やり追い出され、陽の光の下に晒されたような居たたまれない気分です。
「……」
 正志は、ついに黙りこんでしまいました。場違いな自分を意識して、この場から早く離れたい焦りはあるのですが、正志を牽引する真那ちゃんの小さな手をどうしても離すことができないのです。
「お母さん、正志オジ……お兄さん連れてきたよ!」
 真那ちゃんは、母親の前で正志のことをどう呼んだらいいか迷って、オジサンとお兄さんが混ざってしまいました。
「今年もその格好なんですね……」
 しばらくぶりに見る佳寿美の顔は、まるで別人のように見違えました。やや険のあった瞳は優しい色に変わっています。その静かで落ち着いた物腰から、うちに秘めた活力を感じます。
 だからでしょうか、正志がこれまで美人だが騒がしくてキツい女だと思っていた佳寿美が、優しくて可愛らしい母親に見えました。
 それは出産を終えて赤ん坊の母になったからかもしれませんし、もしかすると今の母性に溢れる佳寿美こそが本当の彼女で、いままで正志が厳しい眼差しを向けられていたことで、そのように思い込んで見ていただけなのかもしれません。
 正志と佳寿美の間に、もう前のような刺々しい敵意はありません。その代わり、その間には佳寿美が押しているベビーカーがあって、そこに可愛らしい男の赤ちゃんが寝ています。
 真彦(まさひこ)くんです。
 誰にも言うことは許されませんが、正志と佳寿美の間にできた、初めての男の子でした。正志の種とは思えないほど、溌剌とした可愛らしい赤ちゃんです。
 あるいは正志も、赤ん坊の頃はこんなに無垢な寝顔をしていたのかもしれませんね。

 自分の息子である真彦を見る目は、さすがに正志でも優しくなります。その愛らしい寝顔を一目見ただけで、心が震えるほどの暖かい喜びに包まれます。
 一瞬、ここが正志にとって場違いな場所だなんてまったく感じられなくなるほどに輝いて見えました。
「ああ、正志さん来てたんですね」
 すでに妊娠八ヶ月の大きなお腹を抱えた深谷茉莉香が、ゆったりとした動きで歩いてきて正志に声をかけました。
 茉莉香の手に引かれて、正志の娘、茉悠(まゆ)も一緒にいます。茉悠も危なげなく歩けるほどに成長しました。茉莉香は優美で女性らしさに溢れているし、娘の茉悠もその美しさは母親譲りで将来が楽しみです。
「いや俺は……」
 茉莉香に答えようとした途端、正志の後ろから聞き覚えのある澄んだ声が聞こえました。
「田中さんも参加されるんですよね」
 そう有無を言わさぬ調子で声をかけた栗原綾子は、妊娠五ヶ月でそろそろお腹が目立ち始めています。妊娠の影響で女性らしい身体つきになったせいでしょうか、優しいクリーム色のゆったりとしたマタニティードレスのせいでしょうか、どこか硬質で隙がなく人を寄せ付けないような美貌だった綾子も、人付きの良い優雅な物腰を手に入れています。
 もちろん巻いているストールの着こなしは相変わらず瀟洒で、妊娠中にも関わらず身体のラインをしなやかに見せていますから、女伊達はむしろ妊娠してから上がったようでした。
「いや、ここに俺がいたらマズいだろ」
 正志がそう言うと。
「マズいことはないでしょ」「正志さんも参加してもいいんですよ」「あれ、どうしてですか?」
 佳寿美に、茉莉香に、綾子に、口々に返されて、正志はもう一度黙り込みます。
 そうして、ほんの少し考えてからようやく気が付きました。

 自分は、ここにいても、良いのだと。

 ここで正志を囲んでいる皆は、正志の知り合いです。
 いや、知り合いどころではありません。それどころか、とても心身ともに深い関係を持った女性ばかりです。
 そして、その愛する女たちとの間には血肉をわけた子供たちがいます。
 いまだに正志は独り身です。
 けれど……ここにいるみんなは、まとめて正志の家族なのです。
 もう、ハロウィンの夜に冷たい自分部屋に潜んで、厚いカーテンを敷いた窓の隙間から暖かいハロウィンイベントを、たった独りで覗いていなくてもいいのです。
 真那ちゃんが、正志もイベントに参加するようにと呼びに来てくれたのです。だから、正志が参加していても誰もおかしいと思う人はここにはいませんでした。
 そうして、正志の眼から温かい液体が溢れました。
 なんで俺はこんなことで泣いているんだろうと、正志は気恥ずかしくなります。
 でも、カボチャマスクだから頬を流れる涙を拭くこともできません。誰にも泣いていることに気が付かれないのは、幸いと言えたかもしれませんが。
「うう……」
 その正志の小さな泣き声は、すぐそばで正志の手を握って離さない真那ちゃんにだけ微かに聞こえたようです。
「正志お兄さん泣いてるの?」
 見上げてそう心配そうに尋ねる真那ちゃん。
 正志は、大きなカボチャ頭を横に振りました。
「ううん、笑ってるんだよ」
 そうです、正志の作ったカボチャ頭は泣いていません。ハロウィンのジャック・オー・ランタンは、いつも笑い顔でいるのです。
 悲しい伝説に囚われて、そのことをどうして誰も気が付かなかったのか。
 正志は、力を込めて暖かい真那ちゃんの手を握りしめました。
 彼はこの日、この瞬間、求めて止まなかった大切なモノを手に入れました。
 いやもうそれはとっくの昔に、正志の手の中にあったのです。
 ただ、その幸せがそこにあることに、彼が今日まで気が付かなかっただけなのでした。

 ハロウィンの夜にさまようカボチャ頭の幽霊、ジャック・オー・ランタン。

 伝説によると、彼は生前悪賢い遊び人だったそうです。
 悪魔を騙し、死んでも地獄に堕ちることがない契約を取り付けたまでは良かったのですが、死後生前の行いの悪さから天国に行くことを拒否され、悪魔との契約により地獄に行く事もできなかったと言います。
 悪は必ずその報いを受ける。よく出来た物語なのかもしれません。だが、それは余りにも悲しいバットエンドともいえます。
 だから、そこでジャックの物語を終わらせないのです。
 咆哮する魂が求め続けるかぎり、その悲しい欠乏が生き続けるかぎり、きっと物語に終わりはありません。
 そうしてもしかしたら、流浪する魂は東方の地で安住の場所を見つけるかもしれません。この東の果ての生まれつき性質が浮ついた民は、海外からの文化を無制限に受け入れます。そして、悲しい男の伝説すらも自分たちの都合が良いように、どんどん改善してしまうのです。
 恐ろしげな魔女の集会は愛らしい魔法少女のパーティーに、おぞましき古の悪魔たちはユーモラスでコミカルな妖怪大行進に、そして涙も枯れ果てたカボチャお化けにも瑞々しい愛の潤いを与えましょう。
 与えられたって構わないですよね。だって厳しい神の目が届かないこの地では、天国も地獄も、全部が陸続きの場所に存在するのです。
 だから孤独なジャックだって、長い長い流浪の果てに、求めて止まなかった天国にたどり着いてもいいのです。
 さあ手を伸ばしましょうジャック。
 貴方が手を伸ばしさえすれば、心に思い描いた幸せも、渇望して止まないハッピーエンドも、すぐそこにあるのだから。

 最後にもう一度、ハッピーハロウィン! 幸せなハロウィンをお過ごしください。

「イタズラか、犯しか」後日談 終了 著作ヤラナイカー
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Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロの小説書きになりました。ちょっと忙しくなるのでご迷惑をおかけするとおもいますが、月一更新を目標にやっていこうと思いますので、今後ともよろしくおねがいします。



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