| 第十章「人助け」 |
ジュッジュ……接合部から例の音が響く。
お気に入りの事務机の上で、真辺美樹はパチパチと口述筆記をさせられていた。秘書として、正夫のモノを下のお口で咥えさせられながら、あえぎながらの必死にキーボードを打ち続ける。 「無事に、三階の沢石亜沙子は、ぼくの子供を妊娠したのを確認したそうです」 その絶望に、泣き崩れた亜沙子の姿を思い出す。いや、製作者の好みからいうと、冗長すぎは禁物。官能小説じみた報告を喜ばないたちなのだ。やらせてそれを性的に喜んでいるという要素が一切無い。あくまで冷徹な研究対象でしかないのだろう。 「他の種付けした子には、まだ妊娠を確認しているものはおりません。もしご希望があれば、それになるべく沿うような形にもしたいと思うのでご返事いただければ幸いに思います」 初めのころ正夫はただこの振って沸いた力に酔って、暴れまわっていただけだったが、近頃、製作者の意図が気に掛かるのだ。あくまで、レポートなのだし内容は簡素を心がけないといけないことは分かる。だが、その人間味の通わない指示は、なにか不気味ですらある。もちろん、力は正夫がやりやすいように調整されて、さらに改良されているのだが、いったい製作者は何のためにこんな計画を続けているのだろうか。
「なお、もう管理人室にこだわることもないと思ったので、十一階の美樹の部屋を臨時の管理人室にしました。いま、美樹に奉仕させながらこの報告書を書かせています」 せっかく、秘書を作ったんだから有効活用しないとな。もともと、美樹の自由で仕事をしていたので、職場の仕事量を減らすことは意外に簡単に受け入れられた。どうも美樹の実家としては、仕事より私生活を充実させてほしいらしかった。まさか、私的に秘書としてこんな使われ方しているとは、美樹のお偉い父親は思いもしないだろう。 「うう……出るぞ」 腰をギュッと掴んで、美樹の最奥に叩き込んで射精しようとする正夫。そんなセリフすらも震えながら律儀に、パチパチっと口述筆記してしまう美樹。
ドピュドピュドピュ!
「ありがとうございます……」 「美樹、出すぞは書かなくてもいいんだ、文面で判断しろ優秀なんだから」 「はい、わかりました」 最初は、かなり抗っていた美樹だったが、どうも最近は従順すぎるぐらいだ。ここ一週間ほど、レポートは送りつけているが足固めに終始する報告というのは、面白みがないのだろう製作者の反応はない。 「ご苦労、美樹君。あとはいつものアレを忘れずにやっておけ、私は出かけてくる」 「はい、お帰りをお待ちしております」 美樹は、すっかり秘書役が板についてきたようで、部屋から悠然と立ち去る正夫を嫣然と微笑して見送った。股から太ももに流れる精液をいとおしげに舐めると、ベットに横たわって、ちょうど正夫ぐらいのサイズのバイブをそのままずっぽりとはめて、正夫の名前を感謝の言葉と共に叫びながらオナニーする。少なくとも、中だしされてから三十分はそれをやるように、徹底的に躾けたのだった。 やるたびに、仕事を終えたという達成感と共に、更なる絶頂が襲うように美樹にはセットしてある。やればやるほど、麻薬のように催眠が浸透していくわけだ。
従順な女ばっかり抱いていると、ちょっと反抗的なのをやってみたくなる。こういうときは七階の看護婦、伊川蛍子のところに行くのがいい。今日はちょうど休みだというのは、ちゃんとスケジュールが調べてあるので知っている。 チャイムを鳴らすと、なにかうわ言のようなことを呟きながら、相変わらず疲れた顔で伊川蛍子が出て来た。また夜勤明けかと少し同情する。でも、正夫を見るととても嫌そうな顔をしたので、同情もどっかにふっとんでいってしまった。 「またあなたですか、いま寝てたところなんで一昨日来てくださいますか」 「酷いなあ、そんな顔するなんて、ぼくは君を助けに来たんですよ」 そういって、入れまいとする蛍子の手を振り払って、どかどかとあがりこむ。 「ちょ、また勝手に待って……もう」 蛍子は、青いインナーにTシャツというとても乱れた服装だ。化粧ッけもなにもあったもんではないが、休日の看護婦なんてこんなもんなんだろう。ある意味では、扇情的ともいえる疲れた蛍子の面持ちに、すぐに硬度が固くなる。 すでに、何度か抱いており、蛍子の危険日もほぼ確認している。順調にいけば今日か、明日あたりに排卵日を迎えるのは分かってるのだ。 「裸で寝てたんじゃないんですか」 勝手にソファーに座ると、詰問調に言う正夫。 「あなたに指摘された、ノーパン健康法はちゃんとやってるわよ……来客が来たならとりあえず服を着るのは当然でしょ」 憤懣やるかたないという感じで、ベットに腰掛ける蛍子。 「どうせなら、脱いでたほうが都合が良かったんだけどね」 白地に青のスプライトが入ったインナーを嫌な笑い方で舐めるように眺める正夫。 「あっ……あんた、また私を抱くつもりじゃないんでしょうね、もう嫌だからね!」 なんのかんのと、理由を付けられて二度も抱かれて――しかも、二度とも中に出されてしまった蛍子は、正夫に対して嫌悪の感情しか抱いていなかった。正夫を好ましく思うような暗示をかけられてないから、当然といえば当然だ。 「いやぁ、ぼくは別にどっちでもいいんだけど実は困った話があってね、この前抱かれたとき、君はいったかい」 さすがに、どこへ行ったとは聞かない。明確に、オーガニズムを感じたかどうか聞いているのだ。 「そんなの! あんな無理やりされて、いってないに決まってるでしょ」 二度も抱かれてしまっている、おぞましい記憶が蘇る。ぞぞっと怖気がしたらしくて、肩を抱きながら小さく震えた。 「そうか……それは困ったな」 そうして、心底困ったという顔をしてみせる正夫。 「な……なによ」 正夫の反応が、蛍子の不利にならなかったことはない。正夫の表情に、当然のように過剰反応する。 「実は、この前いくら妊娠しないっていったじゃない」 「いったわよね……なによ」 「実は、あれ条件付きだったんだよね」 「えぇーー」 「排卵日にまで、十回以上オーガニズムを得ないと妊娠しちゃうんだよね」 「そんなぁーなんで、それを早くいわないのよ!」 正夫の首根っこをつかんで、がくがくを振る蛍子。 「いやぁ、ぼくもさっき知ってね」 「次の排卵日って、もう明日か……明後日か、今日ってことはないだろうけどいくばくの猶予もないわね……もうっ!」 そういって、勢いよくTシャツとパンツを脱ぎ捨てた。 「ぼくはやらなくてもいいけどね、そのまま僕の子供を妊娠してくれても」 「わたしが嫌よぉ!!」 問答無用で、正夫の服も脱がしていく蛍子。さすが看護婦だけあって、やる気になったら手早いものだ。脱がしながらも、蛍子は聞く。 「十回って、どっちが十回なのよ」 「えっと……そうだな、男女合計で十回かな」 そうやって嘯く正夫。 「それなら……えっと、わたしとあなたとで今日四回いけばいいわけね」 「あれ、さっきいってないっていわなかったっけ計算が」 「うるさい! あんだけ執拗にやられたら、一回ぐらいいくわよ馬鹿。あんたが二回づつ出して、わたしが一回づつ気をやってしまったから、計六回……だったと思う。それ以下じゃないから大丈夫よ」 真っ赤になりながらいう蛍子。正夫は、これを蛍子の口から言わせたかったのだ。相手がいってるかどうかなんて、さすがにやってれば分かる。一回というのも、多少控えめじゃないだろうか。 「あ、そうだ別にオーガニズムに達すればいいんなら、私がもう二回してるから、後二回オナニーすれば」 「恥かしい発表してるところ申し訳ないんだけど、ぼくのチンコでいかないと意味無いからね」 「も、もう!」 真っ赤になりながら、裸になった正夫をベットに押し倒す蛍子。 「あなたのチンコで絶頂だけ感じればいいのよね、つまり愛撫とか自分でしてもいいわけよね」 「それは、そうだよ」 「だったら、自分で絶頂近くまでやるから見てなさい。あー胸ぐらい触ってもいいわよ、そのほうが助かるし、どうせ私の裸見ただけでビンビンなんでしょ」 たしかに、正夫の逸物は言葉の通りビンビンにおったっている。さっそく、正夫の前で自慰を開始する蛍子。クリトリスがお気に入りなのか、皮を剥いて執拗に攻めている。手持ちぶたさなので、胸を嬲ることにした。 「あっ……、そうだ今日何回いけそう」 「一回……いや、二回は出来ると思うけど、さっき一回他で出しちゃったからね」 「なんでこんな非常時に、他の子で出すのよ馬鹿!」 「ごめん……浮気しないで今度は来るよ」 「今日が大事なんじゃない、他の日に来られても困るわよ……もう」 まるで、危険日に出してくれと懇願されているようで、いい感じだ。あくまでも、蛍子は妊娠を阻止するためにやる行動なのだが、結局のところ妊娠するための行動になってしまうあたりが、正夫の琴線に触れる。 「あっ……んっ……ああ、いたっ……いいのよ、乳頭吸って!」 今日は、非常時ということなのかいつもの恥じらいとか嫌がりとかがなく、乱れまくっている蛍子。そういえば、排卵日に近いのでそれもあるのかもしれない。そういえば、嬲ってる胸の張りもいいように感じる。 「あぁ……いいっ……いいっ」 ひとりでよくもまあ、これだけ激しくやれるなあと。右手で、クリトリスいじって、左手四本でねじり回すようにピストンしてる。ひとりで、やってるほうが逝くのが早いみたいだ。ぼくは、へたくそなのかなもしかするとと、こういうの見ると不安になる正夫であった。 「あぁーあぁーいいわよ、そろそろ正夫!」 呼び捨てだ。わかったよ、入れますよっとジュっと入れたらやばかった。頭がカーと、熱くなって、正夫は小さく呻いた。 「やば、ちょっと出ちゃったかも」 「いいっ……いいっ……」 すでに最奥まで入れているはずなのに、さらに腰を押し付けてヨガリ叫ぶ蛍子。蛍子の中は、まるで精子専用の掃除機だった。普段やわらかいはずの膣襞が、正夫の亀頭のカリに吸い付いて離れない。奥へ奥へと進むと、下がってきた子宮口が亀頭口とキスしたのが分かった。熱い抱擁だ。もう、吸い付いて吸い付かれて、腰が接合部から一体に溶け合ってしまったような気がした。蛍子は、足を正夫の腰にかけて離れないし、その状態で腰を振りまくって痙攣している。 そんな状態で、「あぁー」とか「いぃー」とか、叫び続けてるのだ。もう正夫も辛抱たまらんって話だ。猛烈に、正夫が口を吸うと嫌がらず蛍子も、舌をからめてくる。下の口と上の口でからまった形になる。「んんっーーー!」 舌を絡めながら、蛍子は声にならない声をあげた。まるで鎌首をつかまれた様に、膣全体がすごい収縮をして、正夫の絶頂を誘った。
ドピュドピュドピュ!!!
辛抱たまらなかった、正夫の亀頭口から吸い付く子宮口へと隔てるものなど何もなく全て蛍子の中へと吸い込まれていった。まるで全てを吸い尽くされてしまったような、脱力と快楽の絶頂が正夫を一足遅れて襲った。 「はぁはぁ……あっ……ああ!」 力なく、正夫が顔をあげると蛍子が下で怒っていた。 「いっちゃいましたね……馬鹿、入れただけなのになんでいっちゃうの早漏!」 「君が激しくやりすぎるからだろう」 無言で睨んでくる蛍子。 「いいだろ、あと一回づついけばいいんだから」 そういって、今度は正夫のほうから突きかかってくる。あんなもの見せられて、一回で終わるわけがないのだ。 「ホラホラ」 「待って、ぁつ、だからオナニーするから待って」 「必要ねーよ」 さっきからの蛍子の乱れように、正夫の身体はいつになく熱くなっていた。 「なんだったら、あと二回でも三回でもいってやるよ」 そういって、必死になって腰をふる。 「あぁーそういうことじゃなくて」 「そういうことだろうが!」 「そうだけど……あぁ」 出してなお盛んな逸物を腰をぐっと、押し付けて一回出してこなれて来たマンコの感触を楽しむように腰を回す。そのたびに、あぁだのいぃだのと、反応してくれる蛍子。今日は本当にいい。 ぐっと、胸を持ち上げるといつもよりも勃起した乳頭がより大きく、赤黒くなっていた。 「ここから、ドピュドピュって母乳でるようになるんだよな。妊娠すると」 「そうならないために……うぅ……やってるんでしょ」 「そうだけどね、おら」 そうだけど、なぜかそうならないのだ。蛍子の理性は、妊娠をさせないために、女の身体は妊娠をするために、まったく別の目的に向かって快楽を加速させる。腰の感触をじっくり楽しみながら、普段よりも芯が硬くしっかりと空へと突きあがっている巨乳を嬲って嬲って嬲り続ける。 「あぁ……いぁ」 「いまが、EカップだからFカップになるわけかな」 「馬鹿なこと……おぁ」 正夫がグッと力を込めると、グッと力が抜ける。そのたびに小さくオーガニズムを感じる蛍子。どうも、フィーバー状態に入りつつあるようだ。人にもよるが、オーガニズムの波は一度押し寄せたら、満潮を迎えるように何度も何度も連続して襲ってくる。一度火の付いた身体は、止まらないのだ。 「さあ、妊娠しろよぉ蛍子」 「嫌よぉー」 「このままイカないと妊娠だぞ」 「うぅーイゥー」 「よし、出してやるからな妊娠しろよ」 「あぁーわたしどうしたらいいのぉ」 妊娠するのかしないのか、もう訳がわからず絶頂に突き動かされてついに蛍子は泣き出してしまった。泣きながら、イッてしまった。 「よし、出すぞ! 危険日に中だしだ。妊娠しろぉー」 「嫌ぁーー」
ドピュドピュドピュ!!!
また、たっぷりと射精した正夫だった。 「わたし……わたし……うぅ……何で泣くの」 堰を切ったように泣き続ける蛍子。鼻水までたらして、ボロボロと。たぶん、蛍子の本能は妊娠するとわかったに違いない。それを催眠をかけられた理性は理解できないのだ。 その後、念のためにということでもう一発やっておいた。こんだけ燃えて出したのは久しぶりだった。きっと、この日は当たったんじゃないかと正夫は思った。そして、欲望を出し切った冷静な頭で考えて、最後の女に行こうかという決心をつけることができた。 最後の標的は、最上階に居る。もしも、正夫の予測が正しければ、そこに行くのにこれ以上の不意打ちはないと思えば好都合だし、このゲームは終わるかもしれない危険を孕んでいるからこそ、今いかなければいつまでも決心が付かない気もしたからだ。階段を上がる、正夫の足取りはいつになく重かった。
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