| 第四章「シリアス一転」 |
横殴りの激しい雨が降り続いている。その中で、傘もささずに海馬は立ち尽くしていた。目の前には、一人の男が倒れている。調達課長の佐々山である。額を銃弾に貫かれて即死だった。調べると銃痕が焼けている、至近距離から撃たれたということだ。あれほど、用心深い男が、こんな死に方をするとは。しかも、AC社の敷地内で!!
すでに広報部の部員が事態の収拾に乗り出している。外ならともかく、社内で社員が死んだとあっては警察沙汰にするわけにもいかない。社内を捜査されては、たまらないからだ。死体は事故として片付けられるとして、広報部は若手のホープを失ったうえに内部の動揺は業務の停滞すら招きかねない。海馬は、すぐに保安課長の向井に電話をかける。
「あ、村川さん……大変ですよこっちも、警備部からも問い合わせの連絡が矢のように掛かってきてますし、東出部長はうるさいし、ぼくは保安室にかかりきりですからね。一応、レクリエーションセンターも一時閉鎖しておきました」 「そうか、佐々山が死んだから課長級は君だけだしな、後任が決まるまで少し苦労をかける」 「いえ、いいんですよ」 「あと、セキュリティーを警備部と共同で支社全体に張り巡らせる話、今回の事態が収拾しだい予算は気にしなくていいから早急に進めてくれ」 「そうですね、必要ですよね」 「あくまで、主導権はうちが取るように、君の能力に期待している」 「あと……犯人ですが、やはり社外でしょうか」 「犯人か、社内の人間ならまもなく捕らえられるだろう。犯人はともかく、バックは社外しかありえないだろうな」 激しい横殴りの雨のなかで、不意に稲光がして海馬の蒼白な横顔を照らした。
――ここから話をぶっ飛ばす。シリアスなシーンで申し訳ないが、この小説は十八歳未満閲覧禁止のエロ催眠小説だからだ。ここから先の話は、詳しく描写しても実用性皆無の大変つまらない話になってしまう。佐々山殺害の犯人から、犯人は米AC本社が送り込んできた催眠システムを操る、金髪碧眼の天才少女アンジェ・ハイゼンベルグだと発覚する。彼女と海馬は、過去にある因縁があった。
注:アンジェ・ハイゼンベルグについては前作の「タワーマスター」の終章を先によむことをお勧めします。アンジェとその弟子の古森正夫についても読んでおいてくれるとなお、助かります。
ここから、お互いの催眠兵団を操った数万人規模の殺し合いに発展し、日本支社は壊滅的打撃を受け、大虐殺事件がマスコミに情報が流れてアンジェ頼みの米AC本社にも政変劇が起きてしまう。最後は、政府も絡んだ大陰謀劇によって首都官邸は爆破され、東京都庁は割れ、東京湾が沸騰したついでに、レインボーブリッチが封鎖されるというハリウッド映画も形無しの大スペクタクルのあと、後ろ盾を失って追い詰められたアンジェの身柄を海馬が確保することに成功。実質、日本支社も再建にはだいぶ時間がかかるほどの打撃を受けたものの、アンジェの背後の米本社改革派は失脚、勝負は海馬の完全勝利に終わるのだった。 あー誰だ、あらすじだけなら適当にでかいこと書けるとかいう奴は。こんな小説でもお客さんがいるんだから、読みたいものだけを提供しっゴガァ――
話を崩壊させるというあまりにも無残な姿を露呈させた作者の頭に、天からの怒りかあるいは慈悲なのか、流星が飛来してその口を永遠に封じた。世界と作者の頭が粉々に砕けようとも、話は続く。 アンジェの不幸は、これがエロ小説だったということだ。
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