| 第五章「時を駆けるデブオタ」 |
二川は、今日も女子トイレのなかで瞑想にふけっていた。時間を止めるだけではなく、その速度を自由に操ることができそうだったのだ。前回、則子をやったときにその感覚は見えていたが、自由に操るとなると難しい。どうでもいい女子社員で勃起しては、時間を止めるのではなくゆっくりと引き伸ばすことをイメージしてみる。とまっている対象だけではなく、動いている対象もいたぶれたほうが、おもしろいというものではないか。 訓練に訓練をかさねて、六日目。ようやく、二川は時間を自由にすることができるようになった。ちょうど、桃田修子がトイレにはいっているときだった。桃田修子は、淡い金髪に染めている二十四歳の女子社員、容姿は可も不可もなくという感じだが、その普通っぽいところが二川の気に入りそのCカップの乳を吸う夢をよく見たものだ。二川を嫌悪して、イジメていた則子らのグループに比べて、積極的に関わらない人の一人だった。当然二川に恨みはないのだが、そのため「自分のことが実は好きなんじゃないか」とかありもしない妄想で盛り上がっていた相手でもある。もうここまで仕返しとか関係なく、来たらやるだけやってやろうという気持ちになっていた。能力を試すときに、たまたま来てしまった修子が悪いのだ。 「ゆるしてよ修子ちゃん……」一応、今からおしっこをしようとスカートを下げる修子に、小さい声で謝っておいた。 修子は(今何か小声が聞こえたような)気がしたが、隣のトイレにでも入っている女子社員がなにかつぶやいたのかと思って気にもせずそのままインナーも下げる。尿意がけっこう、切羽詰ったところまできていたのだ。
ジャーーー 勢いよくおしっこをしている修子の時間がゆっくりゆっくりと動くを遅くして…… 「ああ!」しまった、おもわず勃起して時間を止めてしまった。残念なことに、おしっこが終ってしまったのだ。ちょうど終って紙に手を伸ばしているところだ。 「んん?」すこし異変があった、時間がもどっている? まさか、時間を戻すことができるとはおもわなかった。ゆっくりとだが、時間が戻っている。まるでビデオで撒きも度しをしているようだ。俺は面白がって、なんどもなんども巻きも度し、修子のおしっこをする様を眺めた。
(今、一瞬あのデブ社員が目の前にいたような気が……) 名前はなんといっただろう、などと修子は考えた。そんなはずもない、疲れているのだろうか。たった一瞬だけど、目の前にあのデブ社員……気にも留めてなかったので名前すら忘れた男。二ヶ月前に失踪して、辞めただの死んだだの噂になっていた。そいつが、いたような気がした。 そう思った瞬間、こんどはあのデブ社員があの醜いあばた顔に満面の笑みをうかべ、修子の左のオッパイを揉みしだき右のオッパイを吸っている姿が見えた。 「きゃ!」こんどは小さく悲鳴をあげて、その幻影を突き飛ばすように手を出して胸元を押さえたが、ちゃんと会社の制服を着ている。まさぐると当然中には、ブラジャーもつけている。 「なにが……んっぷ!」 今度は、ぱっとまたデブ社員の顔が眼前に現れ、そうおもった瞬間自分とディープキスを交わしていた。臭い! デブ特有の臭い唾液の味が汚らしい舌と共にジュワーと口の中に広がる。 思わず、舌からぺっぺと吐き出すと、汚らしい涎の味ばかりではない。これは……この味は精液! 修子の喉の奥底まで精液が一杯詰まっている! げえーと、吐き出した。その目の前には、吐き出されされた黄みがかった汚らしい精液が……ない? 修子の目の前に吐き出したはずの汚物はなにもなく、床はぴかぴかに掃除されたままだった。 (なんだったの? 気のせいだったの!?) それでも、修子の喉の奥底には気持ちが悪い精液の塊が残っているような気がする。それでも、目の前には何も無い。幻覚……なんだろうか。 そう思って、立ち上がった瞬間。また、修子の目の前に地獄が見えた。今度は、さっき確認したはずの服が全部なくなっていて、汚いトイレの中で真っ裸にされていた。そして、身動き一つできない間に目の前にあのデブ社員が立っていて、そう知覚した瞬間にもうデブ社員との濡れ場シーンだった。トイレに座るようにして、下にデブ社員がいてそのうえに修子が正上位で合体している! そしてそう思った瞬間後、一回突かれたはずなのにまるで百回も二百回も突かれたように、修子の秘部は物凄い濡れようで痛いほど感じていた。
ジュ……
先ほどのおしっこではない液体、愛液がまるで飛び出るようににじみ出た。何度も何度も溜まった愛液が一気ににじみ出るように。ガクガクガクと、あまりの快楽に腰と全身の力が抜けた。 呆けたように、薄笑いを浮かべて体を二川に預ける。 (これ、幻覚だ……夢かなんかだ……) それでも、二川の体から立ち上る臭い雄の匂いにどうしても目をつぶれない。汚さがリアルすぎる、それに感じさせられている自分も…… 「ううー修子ちゃんちゅきだよー、出るよー、僕の子供を生んでー」 そのあまりの情けない顔、修子は知っていた。精液を出す時の、男の顔だ。 「豚皮!!」 その瞬間、思い出したのだ。あだ名は豚皮、二川英志だ! 「ぼくのこと、思い出してくれたんだねー、修子ちゃん!すきー」 「あんたなんか、大嫌い!!」
それを合図にしだようにまるで滝が子宮に打ち付けているのかと思うほど、激しい射精があった。まるで十回も二十回も射精されたように。
ドピュドピュドピュドプビョビョボボボボボ!!
プシャーーーと、子宮は一杯になり、二川と修子の接合部から精液があふれ出した。 「気持ちいい! 修子ちゃんのオマンコ最高だよ! いっぱいだしたよー!」 「いや、最低……」そういって、半泣きになった修子がぐっと力を抜いた瞬間。
(あれ……) トイレの真ん中で、一人立っている。制服の上は来ている。スカートは履いている。下をみると、脱いだままのパンツが足にひっかかってた。おしっこをしたまま、意識を失って幻を見て目を覚まして立ちあがったんだろうか。 そんなことを考える、やはり幻だ。ジャーと、トイレを流す。 ふっと飛ばすと、パンツを履いて立ち上がった。 (あれ、インナー濡れてる?) そう思って、インナーに手をやると。まったく、乾いている。まるで、新品を新しく履かされたみたいだ。嫌だなあもう、こんな幻見るなんて、溜まってるのかなあとまた笑った。それにしても、よりによってあの豚皮が相手なんて……ブツブツいいながら、修子はトイレの扉を開け、事務所への道を歩き始めた。そんな修子の背中に、死角から見つめていた二川は「バイバイまたね」と手を振った。 そして、もうこの時修子の膣のなかには、二川の忌まわしい精子たちが泳ぎ回っていたのだ。 やがてその悪しき芽は、着床し育ち……。
……後日談、桃田修子……
「妊娠してます」 二ヶ月も生理が遅れていたので、しかたなく来て見た産婦人科でそう宣告された。十分注意はしていたはずだが、安全日だからと生で恋人にさせたことがあった。 しかたがないことだ。恋人に相談すると、最愛の人だと思っていたその男は狼狽し、錯乱し、ほどなくして降ろすように嘆願してきた。 修子としては、結婚すら考えていたのに。酷く騙された気がした。生んであげられないお腹の子にも悪い。中絶はした。だが、もう徹底的に締め上げ、慰謝料を取ってから別れた。一つだけいいことがあったとするなら、そういう男だと早めに分かったことだ。まだまだ修子は若い、きっといい出会いだって待っているはずだった。
まさか、そのときの修子はこの悲劇をもう一度繰り返すとは思っても居なかった。でも今度の彼氏とは結婚できて無事出産できたのだから、幸せといっていい。たとえ、子供が二川の子であったとしても。
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