| 第三章「デブレデターの間接攻撃」 |
公園ではあの後、ほとんど収穫もないままアパートにもどってきた引田将人三十五歳独身。隣りの奥さん、本村恵子の部屋を調べたら、まだ帰宅していなかった。 挿入までいたらなかったものの、さっきの小五が初体験の相手になってしまったかと少し残念の引田。 だらしない姿勢でベットに寝そべる。恵子の家で勝手に午睡することにしたのだ。どうせ姿は見えてないのだから、どうしていてもばれようが無いのだ。 ガチャと音をさせて、扉が開いた。ベットに寝そべったままの引田が薄目を開けてみると、買い物をして返ってきたようだ。 デパートにでもいってきたのかな、服などを取り出して楽しそうに見ている。旦那が単身赴任で、寂しがってるかと思いきや結構楽しんでいるようだ。 「あー今日は暑かった、もう夏だよねー」 そうやって、冷蔵庫のアイスコーヒーをゴキュゴキュと飲み干す恵子。 どうも、旦那が単身赴任で一人の時間が多いと、独り言が多くなる。 「早く子供ほしいな……」 そう、独白する夏子。 「ぼくが、すぐつくってあげるよ」 そう小さく言った、引田の声は聞こえなかったようだ。 「今日も、がんばるかなあ」 そういって、バイブのタンクを確認する恵子。旦那の精子はまだ残っているようだ。そのまま使える。 中の精液は、すでに旦那から引田のものに入れ替えられているのだが。恵子がもう少し注意深ければ、昨日よりすこし精液のメモリが増えていることがわかったはずだ。 このタンクは優れもので、冷凍精子を冷凍のまま保存して、ちゃんと妊娠可能な状態の人肌まで解凍して、中出しする。 このマシンはシンプルで機能的であり、精液を溜める人間が冷凍時に失敗しなければ、十分な妊娠率が約束される。 引田も感心するほどだ。作った人はよっぽどの職人だったのだろう。 「今日もがんばるからね」 そういって、旦那の写真を取ってくる。 「マコっちゃん、浮気しちゃだめだからね」 そういって、旦那の本村マコトの写真にキスをする恵子。 マコっちゃんというのは旦那の愛称だ。 恵子だって、色気ムンムンのいい女だが、マコトは五歳年下でエリート商社マンでそれはもうべた惚れなのだ。 ただ、そうやって旦那の物と思って注ぎ込む精液は引田のものだ。 「私とのことは、浮気じゃなくて本気というわけだな」 そうやって、ほくそえんでいる引田であった。 先ほどの暴れまわった疲れもあって、引田は特に無理やり襲う気にはなれない。 こうして、罪な主婦が過ちを犯す瞬間を眺めてみようと引田は思う。 「はぁ、声が聞きたいなあ」 緊急の連絡でもないのに、仕事中に電話すると怒られるので、良い主婦をやっている恵子はしないのだ。夜の時間にでもテレホンセックスすればいいのだろうが、そんな時間まで我慢できない。 排卵日が近づいているらしく、今日は身体が火照るのだ。 するすると、景気よく洋服を脱ぎ捨てて下着をもどかしく剥ぎ取る。引田が顔をにんまりさせて喜んでいるのだが、誰も見てないと思ってるからこんなものだ。 すでに、汗ばんだ肌は快楽の予感に震えている。 「はぁ……ああ、マコっちゃん」 新婚というほど結婚してから短いわけではないが、倦怠期に至るほど長くもない。旦那も恵子もまだ若いし、熟れた身体をもてあまし気味なのだろう。 旦那の写真を見ながら、たっぷり前戯したあと。 ズボズボと、旦那に擬したバイブを突き入れる。 「マコっちゃん……いいよう」 だが、そのバイブと繋がっている精液タンクには、旦那ではなく引田の精液が入っているのだ。 「うっ……うっ……」 セックスと違い、ただひたすら機械的に自分の気持ちがいいところを突き入れて、そのたびに身体をのけぞらせる恵子。 ピンッと、身体をつっぱらせて声なき声をあげる。 「フッーハァ!」 プクッとタンクとバイブに繋がるチューブが盛り上がる。恵子の絶頂を感じるようにして、タンクが所定の時間を計測して、精子の注入を開始したのだ。 スーとチューブを精液の塊が降りていき。バイブに入り
ドピュ!
子宮に叩きつけるように、精液の注入が開始された。
ドピュ! ドピュ!
「はぁ……あぁ……!」 一回入るごとに、恵子は嫣然とした声をあげる。 「マコっちゃんの精液、入っちゃったよ。今日は危険な日だから当たるかも」 そうやって、写真に向かって笑う恵子であった。 ただ、何度もいうのだがその精液は引田のだ。 妊娠しやすいように、精液が抜け出ないように、バイブをさしたままでゆっくりと寝る恵子。 本当に当たるかもしれないな、不能な旦那の精液じゃなくて引田のだから。 とりあえず、旦那の血液型は調べておかないとと、引田は心のメモ帳に忘れないように、書いておいた。せっかく隣の住人なのだから、下手なことでばれてもいけない。 末永く楽しみたい引田なのだ。
こんなことを繰り貸しているうちに、三ヵ月後、本当に妊娠が確認される。そのときの恵子の喜びようといったらなかった、旦那のほうもとても喜んでいた。旦那としては、これで精液を一人で搾る労苦がなくなるというホッとした思いもあったし、子供が居れば妻も単身赴任のときは一人で寂しがらせているという負い目も少しは消える。 一方引田は、旦那の血液型が引田と合致したことに一人祝杯をあげた。
|
|
|
|