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E小説(中出し・孕ませ・時間停止・催眠・環境変化など)
エロ小説のサイトですので18歳未満の方はお帰りください。傾向はマニア向け、作品中のほぼ100%中だし妊娠描写、付属性として時間停止・催眠・環境変化などです。
「午後八時五十九分の悪夢」(時間操作系問題編)

 道峪切子は、真面目な高校生だった。
 だから、今日も勉強しようと机に向かう。
 すこし大型で無骨だが、それで逆に気に入ってる『時計』を、目の前に置いて勉強するのが切子の日課になっていた。
 時間で計測して、問題を解く時間を早くするようにトレーニングしていくのである。
 ネットで見かけた、このトレーニング法を試してから、もともとよかった切子の成績はぐんぐんのびて、いまや学校でも十番ぐらいになっている。
 まだ二年以上も高校生活が残っているので、焦る必要もないが、この分だと目標にしている大学に手が届くかもしれないと切子は喜んでいた。
 そんなある日だった。
 時計を見つめながら、午後八時五十分を過ぎたころ、急に眠気が襲ってきたのだ。
 おかしいと思った、規則正しい生活を心がけているから、眠くなるのはせいぜい午後十一時を過ぎてからだ。
 眠気に負けてはいけないと、睡魔と戦いながら公式を解いていく。
 五十五分……五十六分……五十七分……五十八分……五十九分。
 そこで、限界を迎えたように切子の頭がカクンと落ちた。

「は!」
 チッチッチ……
 時計の音で目覚めて、落ちていた頭を落とす。
「私、寝ていたのかしら」
 時計の針は、午後九時ちょうどを過ぎたところだった。
「ほっ……」
 どうやら、意識を失ったのはほんの一瞬だったらしい。時計を見る限り、せいぜい一分だろう。
 そう考えて安心した瞬間、胸に違和感を感じた。
「ブラジャーがない!」
 一瞬、放心状態になった。なに、誰か取った!?
 そう思って、反射的に窓を調べる。鍵がかかっている、当然だかけた覚えもある。
 おそるおそる廊下に出てみる、二階には律子の部屋のほかは、トイレと両親の寝室だけ。
 一階からの明かりと、両親がテレビを見ている音が、切子を安心させてくれる。
 トイレと、寝室の電気を点けて調べてみた。
 もちろん、窓も完全にしまっている。肌寒い季節だから、無駄に開けっ放しにするはずがないのだ。
 階段を下に降りてみると、テレビを見ていた父親が切子に気がついた。
「おや、今日は勉強は終りかい」
 そういって、柔和に笑う。
「いや、お父さんここ誰か通らなかった?」
「誰かって……お母さんなら料理をしているし、誰かが通ったらさすがに気がつくよ」
 父親は通路側に顔を向けて座っているから、いくらテレビを見ていたって気がつくはずだ。
 父親も切子と一緒で、感覚は鋭敏なほうである。小さな変化にもよく気がつくわりと神経質な性格。
 現に、恐る恐る降りてきた私にだって気がついたのに、知らない人が通ったら気がつかないわけがない。
 一応玄関も調べると、もちろん二重の鍵の上にチェーンまでついていた。
 そこまで調べて、ほっと安心した。
「どうしたんだい、切子。なにか、あった?」
「いや……なんでもないの」
 父親とすこし話をして、部屋に戻る。もちろん部屋には人の気配はない。
 押入れ……も、もちろんなにもない。
「なんだったんだろ……」
 一応何も居ないとおもってほっとする、その瞬間胸にちょっと異変を感じた。
 上着とシャツを押し上げて見ると、やっぱりブラジャーはなく……胸がなんだか。
 男性経験もなく、自分でオナニーもしたことがない切子。
 それなのに、誰かに長時間揉み続けられたような重みを感じる。
 そして乳頭が……成長期のときにこれと、乳首がすれて痛かったような気がするけどちょっと違うような。
 二倍ぐらいの大きさに腫れ上がって、ピンピンにたっている。
 いつも注意してみてないが、色もすこし充血しているような。
 まるで、両方の胸を吸い上げられたように……すこしの痛みと共に、淡い満足感のようなものも感じる。
「ばからしい……」
 そうやってつぶやいてみる。切子がたかだか意識を失ったのは一分だ。
 その間、何物かが後ろからブラジャーを取るまではできるだろう。
 だけど、長時間乳を吸うとか弄るとかありえない。いやらしい妄想だ。
 ブラがなくなったのだって、切子は飾り気のないブラを数だけは沢山もっているから特に困らない。
「寝ている間に寝ぼけて、ブラをとってどこかに投げてしまったとか」
 すごくありえないのだが、消えてしまうということのほうがありえない気がする。

 結局、その日は無理やり自分を納得させて、お風呂に入って寝てしまった。

 次の日も切子は同じように勉強して、午後八時五十八分を迎えた。
「だめ、眠気に負けちゃ駄目」
 やっぱり、昨日と同じように眠気に襲われる切子。なんか、寝たらまた嫌なことが起こりそうなそんな予感。
「あ……」
 やはり五十九分に意識を消失。

 そして、起きたときは九時になっていた。
 一分間の意識の途絶。起き上がってすぐに時計を確認した切子は、胸に手を当てた。
「よかった……ちゃんとある」
 今日はブラがちゃんとあった。
「よかったー」
 安心した切子は、勉強がはかどった。昨日のはきっと夢だったのだろう。
 切子が青ざめたのは、勉強を終えてお風呂に入るときだった。
「履いてるパンツが違う……」
 自分が、今はいてるのは、明日履こうと思っておいておいた奴だ。
 ブラジャーについで、パンツまでなくなるなんて、泣きそうになった切子。
 今日は、用心して部屋に簡易的な鍵もかけておいたのだ。力ずくなら簡単に壊せそうな鍵だが、一分で開けてまた元通りにするなんて、鍵あけの達人でも無理だろう。
 それなのに……あわてて探し回る切子。昨日と一緒に消失してしまったのだろうかと思うが。
 それでも必死に探すと、すぐにお風呂場の洗濯物カゴで見つかった。
 なんと、昨日のブラジャーもあるではないか。よかったー、きっと無意識のうちに捨ててしまったんだろう。
 そう思って、今日履いていたパンツを持ち上げると、すこし違和感を感じた……なに、この嫌な感じ。
「いやぁ……なにこれ、股がすこし黄ばんでる」
 青いスプライトが入った、白の厚手のショーツの股の部分が外側から見ても黄ばんでいた。
 おしっこと思ったが、お漏らしした覚えもないし、そう思って内側を見てみるとこっちのほうが黄ばみが酷い。
 自分のパンツだ、思わず触ってみると股の内側がまるで何回も糊を撒き散らして乾燥させたようにガビガビだった。
「うぇーなにこれ」
 思わず擦る、すると白い粉がふいてきた。その粉のついた指先を恐る恐る鼻にもっていくと。
 まるで雑草の新芽をすりつぶして濃縮したような、耐え難い青臭さに意識が遠くなり、無言で顔を背けた。
 こんなものが、私の股から出るなんてありえない。
 手を念入りに洗う切子。こんなもの洗濯にそのまま出すわけにはいかないと思って、パンツも水洗いしてみるが全然黄ばみが取れない。残念だけど、このパンツは捨てるしかないかもしれない。
「いったい何なのよー」
 切子は泣きそうだった。

 次の日、切子は逆に帰ってきてから仮眠をとることにした。ちょっと無理やりだが、あの時間に眠らなければいいのだ。
 仮眠をとってすっきりした頭で午後八時を向かえ、勉強に集中する。そして午後八時五十九分。
「ああ……またぃぁ……」
 切子は眠気に耐え切れず意識を失い、そしてまた午後九時に意識を取り戻すのだった。
 起き出すと同時に、ペッペと唾を吐いた。
「うぇー、吐き気がする……」
 口の中に広がるのは、あの昨日の青臭さと耐え難い味。口の中には、なにもないらしく、つばを吐いただけだったが。
 なにか、とんでもないものを飲み込んでしまった。そういう気持ち悪さがあった。
 パンツもブラもちゃんとしていたが、やはり胸に揉まれたような違和感が残る。
 いったいなんだというのか。

 次の日はもう勉強する気もなく、いっそそのまま寝ていたらどうかと思ったのだが、どんなに熟睡していても、午後九時に眼が覚めてやっぱり、例のゴワゴワになったパンツを履かされている自分に気がついた。
 まるで、悪戯されたみたいだ。生活が不規則なおかげで、学業にも身が入らない。家に帰ってきて、父親に心配された。
「元気がないみたいだけど、学校で何かあったのか」
「いえ……なんでもないんだけど」
「ならいいけど、何か困ったことがあるとか、具合が良くないなら、ちゃんといいなさいね」
 誤魔化せたけど、まさか今の怪奇現象をそのまま言ってしまうわけにもいかない。そうやって悩んでいる間に、また午後八時五十九分が来てしまった。
 そうして……いつものように意識を失い。
 午後九時に、眼が覚める。
「あれ、今日は何も異変がない……」
 実感する異変がないだけで、何か起こっているのかもしれない。それでも、次の日もその次の日も、何もなかった。
 どうやら、異変は過ぎ去ってしまったらしい。午後八時五十九分に寝てしまうのは、癖として残ったが午後九時にはとてもすっきり眼が覚めるのだ。むしろ、その後の勉強がはかどるぐらいで、害はないので気にしないことにした。

 そうしていつもの生活パターンが完全に戻ったころ、異変はまた切子に襲い掛かった。
「いっいやぁーーー」
 思わず叫んでしまった。時計は――午後九時。
「どうした!」
 父親がどんどんと扉を叩く……鍵をかけていたんだ。
「なんでもない」
「しかし悲鳴が……」
「怖い夢みちゃって」
「そうなのか、ならいいけど。何かあったときに困るから、部屋に鍵はあまりかけないほうがいいんじゃないかな」
 そういって父親は下に降りていった。
 本当は、どうでもよくなかった。股間に異変が発生していた。
 股間は、膣口から子宮口まで、まるで何かに貫かれたようにぽっかりと穴が開いている気がした。そういう異物感がありありと感じられた。
 嫌過ぎて切子の思考が陰る……奥まで穴が開いている。
 そして、そして何かを吐き出されたような。
 血は出てない、痛みもあると思ったけどない。
 膣の中には何も入ってない。異物感を感じたのも一瞬だ。
 そして切子は一分の間に、まるで男に乱暴に襲われるような、そんな夢を見たのだ。「まさか、本当に襲われてしまったんだろうか」
 そんな馬鹿な……切子は頭を振る。
 しかし、切子の処女膜はこのときもうすでに破られていた。

 次の日、久しぶりに襲った異変があまりにショックすぎて忘れようとして、切子はちゃんと勉強して、そしていつもの時間が来た。怖くて、時計のほうは見ないようにしてそれでも眠くなって。
 ねむっちゃ駄目――

 ドピュドピュドピュドピュ!

 起きたとき、生暖かい飛沫が腰の奥で爆発したような気がした。
「くぅー」
 衝撃で椅子からズリ落ちそうになりながら、その視線の先の時計はやはり午後九時だった。
「うう……」
 机に手をかけて立ち上がる。パンツはそのまま履いている、恐る恐るパンツを脱いで股を見ているが、いつも見慣れている股で異変はない。オマンコの中も恐る恐る見てみるが、ちょっと湿り気が強いぐらい。
 男の人にチンポをつっこまれて、中に出されるようなイメージが頭に浮かぶ。
「馬鹿らしい……」
 馬鹿らしいことだった、だからお風呂に入って寝てしまった。

「私は欲求不満なんだろうか」
 いつしか、切子はこの変異に反応するのを恥と思うようになっていた。
 日に日に、オッパイにオマンコにといわず身体全体が、この午後八時五十九分の快楽を求めるようになってしまったからだ。
 最初は嫌悪だった、その嫌悪は今も残っている。
 だが、この空白の一分に、自らのお腹の奥底に注ぎ込まれる温かい飛沫を思うとき。 切子の心も、身体も熱く高揚するのだった。
 その負い目があるから、次第に切子は本当の異変があっても誰にもいえないような心境になってくる。

 ドピュドピュドピュドピュ!

 奥底の襞をまさぐられ、かき回されるような異物感。頭を貫くような酷い快楽。ある日目覚めた切子は、トイレに駆け込む。すると、おしっこではなくて何かドロドロとした得体の知れない白濁液が、あふれんばかりに股間からあふれ出す。
 ドクドクと、永遠にも似た時間、無言で眺め続ける切子の前でお腹から吐き出され続けた。ふっと、ため息をつくとシーンが入れ替わったように。
 その痕跡のほとんどはなにもかも消えうせて、あったという証拠は、せいぜいパンツに残った黄ばんだ染みぐらいになってしまうのだ。
「ふぅー」
 切子はだから一人でため息をつく。親にいっても、頭がおかしいと思われるだけだ。そんな風にして、苦悩と快楽の日々は過ぎていく。
 切子も、もう意地になって勉強だけはしっかりしておく。
 諦めただけなのに、親は平静にもどった切子に安心したようだ。
 誰も何も分かってくれないのだ。

 ドピュドピュドピュドピュ!

 生理は来た。あたりまえなのに、とても安心するのはなぜだろう。
 それでも、切子は生理が重いほうだったのに、ただナプキンを汚す赤い染みにとてもうそ臭いものを感じる。
 痛みとか、重さとかが一切ない。
 それが不安だった。
 そして、それとは別に最近すこし身体が熱い。季節は、確実に冬へと向かっていくのに。腰の奥底から湧き上がる熱さに、切子はとまどった。
 まるで体質が変わってしまったみたいだ。

 異変はエスカレートしていた。
 ある日午後九時に眼をさますと、乳頭に鋭い痛みがはしった。
「ひどい……」
 上半身は裸で、乳頭には洗濯バサミが挟まっていた。
 容赦のない痛みだ、震える手で取り除こうと思うと、瞬間に何事もなったように洗濯バサミが消えて服も着ていた。
「……」
 一瞬泣きそうになった。それでも堪えて、机に向かった。すでに、ここ何ヶ月かの悪戯で、切子の乳頭は二倍ぐらいに肥大化して、色もだいぶ濃くなってしまった。
 クリトリスも皮がむけて、肥大化しつつある。まだ処女のはずなのに、ビラビラがでてきて、色がどんどん濃くなりつつある。
 気がついていた、それでもなるべく見ないようにしていた。
 身体が疼くことがあっても、オナニーだけは絶対しない。
 見なければ、ないのと同じだ。
 切子は、目の前の生活を維持することだけに集中した。
 皮肉なことにその逃避のおかげで、理数科目で学年一位になった。受けてみた模試の全国ランキングでも、三十位ぐらいだ。
 次第にあがっていく成績だけが、切子の精神安定剤になっていた。

 ある日、切子は強烈な吐き気に襲われてトイレに走った。
 その吐き気は、頻繁に続いた。
 近くの総合病院にいったのだが、いろんな科を回されて、最後は精神科だった。
 身体に異常はないから、精神的なものだというのだ。
「まあ、思春期にはよくあることだから気にしなくてもいいよ」
 そういって、精神科医は安心させるように笑いかける。
「一応、弱い精神安定剤を出しておくね。切子さんは、一種の睡眠障害のようなものがあるらしいから、それにあわせて飲むと効果があるかもしれないよ。どっちにしても、実害はないのだから、なるべく気にしないことだね」
 その精神安定剤とやらを飲んでも、効果はなかった。吐き気も、眠ってしまう異変も治らなかった。ただ、気にしないという医師の言葉は役に立った。これまで切子がずっとやってきたことだ。
 吐き気だって、最初よりマシになってきた気がする。気にしなければ、生活に支障はない。
「つわりだよ……これは」
 だから、そんな怖い言葉が自分の脳裏に現れたのを疑問に思う。
 それでも、その思いは消えることがなかった。
 意を決して、産婦人科にも検診を受けにいく。
 デブで不細工な産婦人科医だった、正直自分の秘所を見られるのは嫌だなあと切子は思ったが、相手は医者なので信頼するしかない。
「性交渉の経験はないんだよね」
「はい……ありません」
 三十代半ばといった風体のデブ医者は、切子のオマンコをいじくりまわしながら、いやらしく聞いた。産婦人科ってのはこんな医者ばかりなのだろうか。女の先生がよかったなあ。
「だったら、なんでつわりとか妊娠したとか思うの?」
「不思議と……そんな気がするんです」
 おっぱいをまさぐられながら、そう答えるしかない切子。
「ふむー、精神科の先生のいうとおり気のせいだと思うよ」
「やっぱり、そうでしょうか」
「まあ、気になるんならレントゲンも取ってみるよ」
 そういって、すぐに精密検査をされる。
「見ての通り、レントゲンには影も形もないから、つわりだと思うのはもしかすると想像妊娠かもしれないね」
「想像妊娠?」
 それは、切子が生きてきて十六年で聞いたことがない単語だった。
「思春期に、まれにあるんだよ。妊娠してないのに、おっぱいが出たり、つわりに近い症状がでたりすることがあるんだ。まあ、病気じゃないよ思い込み」
「そんなことがあるんですか……」
 切子は、胸のつかえが降りたようだった。変な医者だけど、救い主に見えた。
「とにかく、性交渉もないのに妊娠したりというのは医学的にありえないからね。心配なら、レントゲンじゃなくてCTで輪切りにして写真とってもいいよ」
「いいえ、そこまでは必要ないです」
 妊娠してないと安心できたら、この医者にこれ以上身体をいじくりまわされる気にもならなかった。
「まあ、十年以上産婦人科やってるぼくが太鼓判を押して、君は未通の処女だと診断するよ。想像妊娠なんてのは、病気ですらないんだ。そのうち良くなると思う。それでも、何か困ったことがあったら、いつでも来ていいからね」
「ありがとうございます」
 産婦人科は忙しいと聞く、妊娠もしてない切子に関わりあっている暇は本当はないはずだ。
 目つきが悪いし、キョドってるし変な医者だと思ったけど、こう言ってくれるのを聞くと悪い医者でもないんだなと思う。いじくりまわされたのも、丁寧に診断してくれたのかもしれない。
 やっぱり、医者は医者なんだなと切子は安心したのだった。

 だから、妊娠の兆候があっても想像妊娠、想像妊娠と言い聞かせる。
 まるで悪夢のように、切子の胸は大きくなり、それ以上にお腹のふくらみが目立ってくるのだった。
 もともと細身の切子だから、お腹が大きくなるのは目立つはずだ。両親も、友達も、先生も、何も言わない。次第に大きくなる切子のお腹を見ても、だれもおかしいと思わないようだ。
 恐る恐る、産婦人科の先生に相談してみる。精神科にいったら、薬を増やされるかもしれないから。
 やっぱり、産婦人科の先生にもお腹が大きくなんて見えないようだった。
「横からとった写真も見てください、切子さんのお腹はとてもスリムですよ」
 そうやって、大きくなってきた切子のお腹をさする。私にも、周りの人にも普通に見えてますよと安心させるように撮った腹を見せる……たしかに、前の切子のようにスリムなお腹だった。
「あんまり気にしないことです。病気じゃないんですよ。精神科じゃなくて、こっちに来てくれたのはよかったですよ。連中は薬を増やすことしか頭にないですからね。そうやって、病気じゃない人まで病気にしちゃうんだから」
 そう言う先生の顔は豚のようだが、安心の言葉をくれる人がいるのは心強いものだ。まさぐる手が、怪しい動きをしていても我慢する切子。こんなことを相談できる人もこの人しか、いないのだし。
「切子さんの想像妊娠のケースは、珍しいですが症例がないわけではない。貴女のお腹が大きくなって胸も大きくなったように見える……」
 そうやって、カルテに文字を書き込んでいくデブ医師。
「無知な精神科の医者に相談したら変な薬だされるかもしれないし、これから変異があってもこっちに相談してくださいね。この分だと母乳がでる可能性もありますが、そうなっても不安に思わないでください」
 胸も、怪しげな手つきで診断される。産婦人科というものが切子にはわからないから、それがいかにおかしいのかとかがわからない。
 こういうものかと思ってしまうのだ。

 結局、お腹はどんどん大きくなったし、医師の言うとおりおっぱいがでた。あらかじめ予想されていたことなので、それほど驚くことなく対処できた。
「それにしても、興味深い」
 デブ医師は、切子の胸を見つめながら言う。
「これが、大きくなって母乳が出てるように見えてるわけですね」
 そういう医師には、普通に見えているという。
「あの、揉み出して見てもいいですか。どう見えるのかとギャップを調べたいので」
 そういうので承諾する切子。
 ギュギュッという感じで、揉みしだく医師。おっぱいが乳頭から搾り出される。
 それを、手で受け取って医師は言う。
「あの……これでオッパイが出てるように見えるんですか?」
「……はい」
 そうかーといいつつ、手についた母乳を舐めてしまう。
「あっ……」
 それを見て切子は声をあげる。
「どうしました?」
「あの……舐め」
「ああ、手についた母乳を舐めたように見えるんですよね。不思議な症例ですよね、害はほとんどないからいいようなものの」
 そういって、医師はカルテを作成する作業にもどった。
「……」
 医師には母乳などないように見えるのだ。それは自分の妄想かなにかなのだと、切子は言い聞かせた。

 さらに時は流れた。切子は産気づくようになっていた。すでに、切子のお腹は取り返しがつかないぐらい大きく肥大化しており、出産も近いのかもしれない。
 切子は心配になって、やっぱりデブ医師に相談にいく。
「そうですか……産気までありましたか。これは、出産や子供が生まれるところまで見えるかもしれませんね。そうなると、子供をどうするかとかいろんな問題もあるし、いいでしょう私に全部まかせてもらえませんか」
「あの……どうされるんですか」
「治療に健康保険は効きますから心配しないでくださいね、ご両親や周りの人はちょっとした違う病名で説明しましょう。このままいくと大人しく出産をやってしまったほうが安全だと思うのですよ。その時は数日入院してもらいます」
「………………おまかせします」
「わかりました」
 もう切子には、医師にまかせるしかなかった。たったひとりで、産気づいて妄想の子供を出産してなんて考えるだけで怖い。目の前の医師だけにでも、分かってもらえる人がいてくれるのが希望だ。

 結局、切子は産気づいて入院した。
「ううぅ――」
「切子さん、はっはっすーです。呼吸をあわせて」
 だらだらと汗を流しながら、出産台で悶え苦しみ出産する切子にずっと付き添った医師。そうして、ようやく出産を終えた切子に笑顔を見せた。
「がんばりましたね……」
「わたしの……赤ちゃん……」
 ちゃんと、生まれた赤ちゃんを産湯につけて見せてくれる。へその緒の処理もちゃんとしてくれたみたいだし、途切れそうな意識のなかで切子は、医師にも自分の妄想が見えているのではないかという気がした。
「あなたの赤子は、あなたのこれからの生活の支障になるかもしれないからうちで預かります。なあに、ちゃんと元気に生きていけますよ。会いたければ、病院に来ていただければいつでも会えますよ」
「そうですか……」
 切子は、最後のお別れに母乳を飲ませてあげることにした。いとおしくて、離れたたがい気持ちを強く感じる。妄想だとわかっていても、お腹を痛めて産んだ子なのだ。医師に任せて大丈夫だろうか。
 そんなことを考えながらも、数日療養したのちに切子は普通の社会生活にもどっていく。すべて順調だ。なにがかわったのだろう。
 そう、あの机の上の時計だ。学年でも一位か二位の成績をキープできるようになって、模試でも三十位以内をキープできる。もうあの勉強法をする必要もないかなと思っていたところで、時計がなくなったのだ。
 壊れて捨ててしまったのか……思い出せない。もしかしたら、あの空白の一分の間にどこかへ捨ててしまったのかもしれない。
 時計がなくなって、午後八時五十九分の悪夢もなくなった。
 切子の生活は、前となにも変わりがなく進む。たまに、自分の妄想が生んでしまった赤子の成長を見せにもらいに、医者のところにいく以外は。
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ヤラナイカー

Author:ヤラナイカー
おかげさまでプロの小説書きになりました。ちょっと忙しくなるので更新遅くなってます。
(プロフの画像、ヤキソバパンツさんに提供してもらいました)



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