| 第一章「山小屋」 |
「ふむ……」 廃屋同然の山小屋のはずなのに、似つかわしくないほど厳重な鍵がかけられている。扉を打ち破ってなかにはいろうとおもったのだが、なぜか勘がそれを辞めるように諭すため一回りして窓を調べることにした。 廃屋に相応しいおんぼろのガラス窓を覗くと、物置にあたる部分なのか雑然と用具が並べられている。物置の側の入り口には、内側から申し訳ない程度のひっかけるだけの鍵がかかっていた。こんなものは、窓のしたに板を滑り込ませて力を込めて跳ね上げるだけで……外れた。 形跡をなるべく残さぬように、そっと中に侵入すると、林を管理するために、森番が使っていたと思われるような道具が雑然と並べられている。長らく放置されていたという証明のような堆い埃には、よくよく観察すると最近物色したと思われる形跡が残っていた。食料はなかったが、幌や毛布はある。寝床としては十分だろう……ここが無人の小屋であればの話だが。 扉の向こうからは人の気配はない、そっと扉をあけてみるとやはり無人だった。 「あっ」蛾歯は、驚いた。 まるでSMクラブの部屋のような道具が所せましと並べられ、ログハウス風であるはずの壁は防音処理加工に覆われ、中心に巨大なバイブマシーンが鎮座していたからだ。窓もつぶされていたから、外からは中の様子は分からない。さすがの、蛾歯も言葉を失う。いったいなにがここで行われているんだ。 最初に考え付いたのが金持ちおやじのSM趣味なのだろうということだ。外側からは廃屋に見せかけているのも趣味で。ここで、淫蕩にふけるのかもしれない。 だとすると、ここでじっと覗いていればいいものが見られるかもしれない。蛾歯は持ち前の手先の器用さで、物置の道具を使って小屋の物置から中が見えるように覗き穴を空けて、物置に寝床をしつらえて潜むことにした。
「卵の腐ったような匂いがするわね……」 頑丈な扉をあけて、河相奈々子は呟いた。その匂いは蛾歯の匂いだったのだが、隣の物置に居る蛾歯は睡眠中であったため、その気配に気付くことはなかった。奈々子は、近いうちに、掃除をやり直させなければならないとおもっただけだ。そして、蛾歯のほうは気がついて目を開けた。 「女の声だ……」 蛾歯の意識は急速に覚醒していく。気がつかれぬように、静かに静かに身を起すとそっと覗く。やはり女だ……女が一人で服を脱ぎ始めている所だった。無意識に蛾歯はオナニーの態勢にはいり、自分の粗末なものを握った。すでに勃起していた。
「うん……うんしょっと……」 すべてを脱ぎ捨てて全裸になると、奈々子は柔軟体操を始めた。全裸でジャンプする奈々子、そのたびにDカップの形のよいバストがゆれる。 ブリッジ、蛾歯のほうにオマンコを見せ付けるように体を極限にまでそらせる。その扇情的な光景に不覚にも蛾歯はドピュっと精液を発射してしまった。 「う……う……」 隣室でまるで豚のようにうめいている蛾歯に気がつかず、奈々子は完璧な運動を終えた。気持ちのよいSMオナニーにとって、体をやわらかくしておくことと適度な運動によって火照らせておくことは重要なことなのだ。 温かい季節なので、多少汗ばむが、やり始めればもっと汗をかくことになるので気にしないことにした。 「いずれシャワールームも作りたいわね」 奈々子は独り言を呟いてみる。独白は、一人っ子で家に閉じこもりがちだった深窓の令嬢たる奈々子の子供時代からの癖だ。 ここに、シャワールームを作るとなると、ことが大きくなるので、無理かもしれないが行水ぐらいなら何とか成るかもしれない。
「さて、運動はこれぐらいにして……」 頬を赤らめて奈々子は目の前の大きな鏡を見る。そこには、汗ばんで熟した体をもてあましている二十歳の哀れな女がいた。 「まるで雌豚ね……奈々子は」 自分自身にそう、被虐的な言葉をかけてみる。妖艶とは程遠いはずの清楚な印象の奈々子の横顔に、笑みがこぼれた。すこしだけ、妖艶な女になれたような気がした。 「雌豚には罰を与えなきゃね」 鏡の向こう側の自分に命ずるように、奈々子はいった。普段大人しい奈々子からは想像もできないような声色だ。鏡のこっち側の奈々子はS、鏡の向こう側の奈々子はそれに虐げられるMなのだった。 まず体中に、「おまんこしてください」だの「種付け中一回百円」だの卑猥なセリフを書き、太ももにチンコマークやオッパイ全体を使ってオメコマークなど、M女がよく書いているようなペイントを全身に施す。 「ふふ、豚め……」 こうして、身体に化粧を施すことで令嬢から、一匹の哀れなM女へと奈々子は変身を遂げるのだ。 次に「体を傷つけないやさしい拘束」が歌い文句の、NASAの開発した(嘘か本当かしらないけれど)特殊ゴムで作られた拘束具で、その形のいい胸を強調するように巻き付ける奈々子。 特殊ゴムの帯は、吸い付く様に奈々子の汗ばんだ巨乳を締め上げ、歪な形に屹立させていく。 「うふふ……いい形だわ」 まるで、乳を吹き出さんとするかのように拘束によって変形された胸の先端をしごく奈々子。それを隣室で見ている蛾歯は、次第に勃起していく乳頭に小さくうめきながら、たくさん放出したというのに、休むまもなく逸物が勃起していくのを感じていた。時間はすでに夜半をまわっている。 裸電球のオレンジ色の光に照らされた奈々子の体は、いやがおうにも蛾歯の欲望を掻き立てる。レイプしてやりたかったが、なにが起こるか分からない私有地で、そこまでの勇気はない蛾歯は、ただその美しくも妖艶なショーをみて、勃起したものをしこるしかなかった。 蛾歯がしこっている目の前で、さらに奈々子は鏡の前の自分自身に売女や醜女などと、月並みな汚い言葉を吐き掛けつつ次第に体を拘束していく。 実は、この森小屋の周りには素人作りながらセンサーが張り巡らされ、万一にも誰かが近づけばすぐわかる仕掛けになっていた。小さいながらも、まさに要塞。そのため、奈々子は安心してよがることができた。 そもそも、奈々子の邸宅には使用人しか住んでないし、森の方には年に数回庭師が手入れに入るだけだ。まさか、センサー起動前に隣室に汚い男が転がり込んでいるとは思いもしなかった。盲点だったのだ。 「あ……きつい……ふぅ……」 キュッと摩擦音を立てながら、器用に体を拘束していく。体の自由を奪うたびに、深い快楽を味わう奈々子。 まるで、体に装飾を施すようにゴムを巻き付けた後は、鏡の前でただひとつ自由に動かせる右手でオナニーを始める。 高ぶった体を焦らすように、最初は撫でるようにそして徐々にクリトリスを中心にゆっくりと膣全体を愛撫していく。まるで、右手だけが奈々子から独立して、自分の意志をもっているかのように自由に奈々子の体をまさぐり回り、じらじらし長い時間をかけて絶頂へと導いていく。 なにをやらせても、如才ない奈々子はオナニストとしても、この歳で高水準に達しているといっていいだろう。 「うっ……もう、堪え性のない雌ブタね……軽くいっちゃう……うぅ……」 それを見ながら、蛾歯もまた軽くいっちゃうのだった。 「ハッハッハ……フゥ。さて、次に行きましょうか」 一息ついて、快楽をかみ締めるようにすると手馴れた手つきで、手元のリモコンを操作する奈々子。一通り操作して、リモコンをほおるとあとは部屋の中心のバイブマシーンの台の上に寝そべり、目隠しをして唯一動いていた右手も拘束して力を抜く。 エロティックな芋虫になった奈々子は、ただ台の上で寝そべって大股を開く。ちょうど、それが蛾歯からは、股をひらいた部分がよく見えて、たまらないものがあった。 蛾歯が覗き穴から見る奈々子のオマンコは、たらたらといやらしい液を垂れ流していた。まるで中世の拷問道具のようなバイブマシーンは、その特徴的な嫌らしい音を立て始めた。 ここから先は、実にランダムな動きでこのエロマシーンは奈々子を陵辱する。まず上から手が伸びてきて、奈々子の首筋からそってそっと胸に至ったと思うと急に猛烈な勢いで乳頭をひねる。 「ひぐ!」 これは痛い、そのあとは激しくすると思ったら、実にソフトに乳房をもみあげる。 「あぁ……いぃ……」 奈々子は、マシンが動くたびに素直な快楽の声をあげる。身体は完全に弛緩しており、マシンの手の愛撫は胸に股に、身体全体へとランダムに時には強く、時には優しく甲乙織り交ぜて、奈々子をあきあせない。 やがて、股がネットリと濡れてきたというほどに、マシーンから黒々とした男のカリぶっとい男根を模したペニスが降りてきて、いきなり深く奈々子を貫いた。 「ふぐぅ……ふかぃ……いぃ」 このペニスも何種類かの多彩なペニスが大小取り混ぜていろいろ用意されておりランダム。つまり、誰か分からない男に犯される自分をイメージして喜んでるのだ。 時には嫌がってみせて、そういうレイプされプレイを楽しんだりもするのだが、この日は、素直に自分の快楽の波に身を任せるプレイにしてみた。 「いぃ……もっと深く突いて!」 そうやって、腰を深々と反応させる。そうやっていっても、マシンは強く突いてくれるとは限らない、じらして浅くしか来てくれなかったり、そうやってじれったさを感じている途端に急にピストンの具合をあげたりする。 「ふぁ……あぁ……あぁぁ」 だから、いつも新鮮で全身をマシンに任せて、オナニーを一人でしているような空しさを感じずに、一人SMプレイを存分に楽しむことができる。 急にマシンのペニスの根元の部分が収縮して、ドクンっと液が流れ出してきた。 「はぁ……来て! 中に来て!」 これが、まるで男が射精する瞬間のようにマシンもピストンをあげるのだ。本当によく出来ている。
ドピュドピュドピュドピュ!
たっぷりと、中に擬似精液を注がれて、満足の声をあげる奈々子だった。中出しのバージョンだけではなくて、全身にぶっかけられたり、フェラチオで口内にそそがれたりといろんなバージョンがある。 擬似精液は、たんぱく質と多糖類で作られてるので人体に害はないし、飲んでも美容にも優れた栄養食品といってもいい。だから、二発目のオマンコしたのとは違う小さめのペニスが口をイマラチオして、ドプドピュと精液を発した時は、ドクドクの飲み干してしまった。 「ふぅ……おいしい」 味はおいしいものではない。あくまで擬似精液なので、それこそ苦味もそれなりに似せて作ってある。だから、まだ本当の男の精液を飲んだことがない奈々子は、こういうものなのかと思うのだった。 結局、また違う形のバイブと中出しセックスを終えて、マシンの一連の陵辱は終了した。これもランダムで、一発で終わったり五発終えてもまだやられたりする。ここらへんの自分でさじ加減をしないあたりが、リアルでいいと奈々子は思う。 「ハァ……ハァ……」 動きを止めたマシンの上で、口と股から精液を垂れ流しながら、恍惚とした表情で目隠しをした奈々子の形のよい口は、喜びに歪むのだった。 身体の火照りが収まり、冷静な判断力を取り戻したころ。そっと時間をかけて、右手から奈々子は拘束を解き、目隠しを外して手馴れた手つきで次々と拘束を解いていく。そうして、十分後には完全な後片付けを終えて、その場を後にする。 出る前に、装置のボタンさえ押しておけば、室内洗浄器が全ての痕跡を洗い流してくれる。擬似精液も、毎回変えているので今日も全部放出させて、その放出っぷりを目で楽しんで笑った。 そうして、奈々子が去った暗闇の中で、蛾歯は考える。 「また、明日も彼女は来るだろうか」 きっと、来るだろう。そんな予感がした。そのとき、自分にできることを考えながら蛾歯はまた、ゆっくりと眠りについたのだった。
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